PAGE TOP
MentalColumn

メンタルコラム

自律神経失調症は正式な病名ではない?定義や他の疾患との関係を詳しく解説

自律神経失調症は正式な病名ではない?定義や他の疾患との関係を詳しく解説

原因不明の体調不良に悩まされる自律神経失調症。
よく耳にする言葉ですが、正式な病名ではないことをご存じでしょうか。
自律神経失調症は「状態」を指すものであり、特定の疾患名ではないため、定義や特徴を覚えておくと良いです。

そこでこの記事では、自律神経失調症について知りたい方向けに自律神経失調症の定義や代表的な状態、似ている疾患について解説します。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

自律神経失調症は正式な病名ではない

自律神経失調症は正式な病名ではない

自律神経失調症は、正式な病名ではありません。
症状は、心身に何らかの負荷がかかり自律神経バランスが崩れることで起こります。身体的な問題は確認できないため、病気ではなく「不調が起きている状態」として自律神経失調症と診断されるのです。
病名としては扱われていませんが、不調から日常生活に支障が出るので早めに対処しておくことが大切です。

自律神経失調症の定義

自律神経失調症は、身体的な病気にかかっていないのに自律神経の乱れが生じて不調を感じている状態のことです。
自律神経は、交感神経と副交感神経がバランス良く働くことで成り立っています。しかし、何らかのきっかけで片方の機能が過剰になると、体内が興奮したり働きが弱まったりしてしまい、自律神経失調症と呼ばれる状態を引き起こすのです。

自律神経失調症が病名ではなく「状態」を表している理由

病名ではなく「状態」を表している理由は、症状が身体的異常を伴わないためです。
例えば、動悸やめまい、疲労感といった症状が現れますが、検査をしても心臓や脳などに異常が見つからないため、病気として扱えないのです。
また、自律神経の働きのメカニズムは未解明な部分が多く、精神的なストレスなど曖昧な要素も関係することから、検査結果だけでは原因を明確にできず「状態」として扱われています。

自律神経失調症と診断されるケース

自律神経失調症は、他の病気の可能性がない場合や身体検査で異常がみられない場合に診断されます。
例えば、頻繁に起こる頭痛から検査をして脳の動脈の閉塞が見つかった場合は、脳梗塞という疾患名がつきます。しかし、心身に異常はないが頭痛が続いている場合、心身ではなく自律神経に問題があると考えられるため、自律神経失調症と診断されるのです。

自律神経失調症と判断される代表的な状態

自律神経失調症と判断される代表的な状態

自律神経失調症では、心身にさまざまな症状が現れます。症状は人によって異なり、不調からくるつらさも人それぞれなので、つらいと思ったタイミングで医師に相談することが大切です。
以下では、身体症状と精神症状をそれぞれ解説するので、自身に当てはまっているかチェックしてみてください。

参考
知ってはいるが、実はあまりわかっていない自律神経失調症|千葉県医師会

身体症状

身体症状としては、全身に以下のような症状がみられます。

<頭にみられる症状>

  • 頭痛
  • 脱毛
<目にみられる症状>

  • 疲れ目
  • まぶたのけいれん
  • ドライアイ
<耳にみられる症状>

  • 耳鳴り
  • 耳の閉塞感
<口にみられる症状>

  • 口の渇き
  • 味覚異常
<のどにみられる症状>

  • 動悸
  • 胸部圧迫
<心臓・血管系にみられる症状>

  • めまい
  • 立ち眩み
  • のぼせ
<呼吸器にみられる症状>

  • 息苦しさ
  • 酸欠感
  • 息切れ
<消化器にみられる症状>

  • 食道のつかえ
  • 吐き気
  • 下腹部の張り
<手足にみられる症状>

  • しびれ
  • 手足の痛み
  • 冷え
<皮膚にみられる症状>

  • 多汗
  • 冷や汗
<泌尿器にみられる症状>

  • 残尿感
<生殖器にみられる症状>

  • 外陰部のかゆみ
  • 生理不順
  • 射精不能
<筋肉・関節にみられる症状>

  • 関節の痛み・だるさ
  • 筋肉の痛み
<全身>

  • 疲労感
  • 倦怠感
  • ほてり
  • 食欲低下

精神症状

自律神経失調症になると、以下のような精神症状がみられることがあります。

  • 不安になる、集中力がなくなる
  • 怒りっぽくなる、落ち込みやすい
  • イライラする
  • 些細なことが気になる
  • 記憶力・注意力が低下する
  • すぐ悲しくなる

自律神経失調症から他の精神疾患を発症させることもある

自律神経失調症から他の精神疾患を発症させることもある

自律神経失調症による不調が続くと、他の精神疾患を引き起こすことがあります。
自律神経失調症自体は一時的な自律神経の乱れからくる症状ですが、不眠が長期化すると睡眠障害になったりストレスから不安障害などの精神疾患に発展したりする可能性が高まるのです。

自律神経失調症と他の精神疾患の関係

うつ病や不安障害などの精神疾患を発症する理由には、自律神経の乱れからくるストレスの影響が考えられます。
例えば、過度な緊張や不安は交感神経を過剰に刺激します。また、副交感神経の働きが弱まりリラックスできない状態が続くと、精神的に不安定になり、うつ病などの精神疾患を引き起こす場合があります。

他の精神疾患に発展し得る自律神経失調症の症状例

他の精神疾患に発展し得る自律神経失調症の症状例

先ほど解説したように、自律神経失調症は他の精神疾患に発展するリスクを持っているため、早めに対処しておくことが大切です。
ここでは、自律神経失調症から他の精神疾患に発展し得る症状について解説するので、該当する場合は注意深く体調をチェックしてみましょう。

自律神経失調症の症状例①寝ても疲れが取れない

寝ても疲れが取れない症状では、バランスの乱れによって身体が十分にリラックスできず、休息をとったはずなのに疲労感が残り続けます。
通常、質の良い睡眠により体は回復しますが、深い眠りが取れないと疲れが蓄積し、精神的な不安やイライラが強まるといわれています。

自律神経失調症の症状例②全身倦怠感が続いている

自律神経が正常に機能しないと、全身倦怠感が続くことがあります。
症状は、体内バランスの乱れから起こるとされており、気分の落ち込みや集中力低下を招くようです。倦怠感を放置すると、精神的な問題が悪化したり免疫力低下などを招いたりするといわれています。

自律神経失調症の症状例③イライラしやすくなった

イライラしやすくなると、些細な出来事でも過剰に反応したり、気持ちが落ち着かなくなったりします。
状態は、交感神経の過活動からきていると考えられており、緊張状態が続くため心身がリラックスするタイミングがなくなり不調につながるようです。

自律神経失調症の症状例④吐き気やめまいに悩まされている

自立神経は、消化器や血圧の調整にも作用しているため、働きが乱れることでめまいや吐き気などの症状が現れます。
症状により、食欲不振や疲労感がみられるケースもあり、普段通りに動けず日常生活に支障をきたす可能性も高いようです。
また、作業ができないことで自己肯定感が下がり、抑うつ気分を引き起こすリスクもあると考えられています。

自律神経失調症の症状例⑤肩こり・頭痛が続いている

肩こりや頭痛は、自律神経の乱れから血管収縮や筋肉の緊張が起こり、血行が悪くなるため生じると考えられています。
自律神経失調症の場合、検査をしても異常が見つからないため、原因不明の頭痛が長期間持続する傾向にあります。そのまま放置してしまうと、疲労が溜まりやすくなったり睡眠の質が低下したりするため早めの改善が大切です。

自律神経失調症と症状が似ている代表的な疾患

自律神経失調症と症状が似ている代表的な疾患

ここでは、自律神経失調症と症状が似ている代表的な疾患について解説します。
自律神経失調症ではなく疾患による不調の可能性も考えられるので、似ている症状を知っておきましょう。

うつ病

うつ病は、悲観的で否定的な状態が続き、何をしても楽しめなくなったり自分を責めたりする精神疾患です。
自律神経失調症と異なり、長期間強い抑うつ気分に悩まされますが、疲労感や不眠、食欲低下などの似ている身体症状が現れることがあります。
うつ病は早期治療が大切であり、放置すると慢性化して治りづらくなるので、酷い落ち込みなどがみられた際は早めに受診しましょう。

下記記事では、うつ病の原因や症状について詳しく解説しています。併せてご確認ください。

更年期障害

更年期障害は、年齢とともに女性ホルモンの分泌量が低下することで引き起こされる不調のことです。
症状は自律神経失調症と似ており、のぼせやめまい、不眠、疲労感などの不調が現れます。更年期障害は、女性ホルモンの値や甲状腺機能などの検査から診断でき、治療ではホルモンバランスを整えるためのホルモン補充療法 (HRT)や生活習慣改善指導を行います。

更年期に起こる不調として、ブレインフォグと呼ばれる状態があります。併せてご確認ください。

心身症

心身症とは、ストレスが関与して発症・慢性化する病気の総称です。該当する代表的な病気としては、過敏性大腸炎や過呼吸症候群、気管支喘息があげられます。
自律神経失調症と原因や症状が似ていますが、自律神経失調症の場合はストレス以外に生活習慣やホルモンバランスの乱れなどが影響するという違いがあります。

起立性調節障害

起立性調整障害は、自律神経系の機能低下による血圧低下が影響して起こる疾患です。
自律神経失調症と同じく自律神経が関係していますが、自律神経失調症はストレスが原因となって起こっている事がほとんどな一方で、起立性調節障害は遺伝や思春期のホルモンバランスの関係、身体的な成長などが原因と考えられている点で違いがあります。

自律神経失調症の検査・治療は新宿うるおいこころのクリニックにご相談ください

今回は、自律神経失調症の定義や代表的な状態、似ている疾患について解説しました。
自律神経失調症は、正式な病名ではなく「状態」のことを指しており、検査で身体的な異常がみられないときに診断されます。中には、似た症状が出る疾患もあり、不調の原因が自律神経失調症ではない可能性も考えられるので、一度受診し問題がないか確認することが大切です。

自律神経失調症でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
経験豊富な専門医が、ライフスタイルや状態に応じて治療提案をすることで、1人ひとりに合わせた不調の改善を目指せます。
突然の気分の落ち込みや不眠で悩んでいる場合でも、症状に応じた薬物療法・心理療法が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

<新宿うるおいこころのクリニックで行う自律神経失調症の治療について>

よくある質問

自律神経失調症はなに科を受診すればいいですか

自律神経失調症が疑われる場合、精神科・心療内科への受診がオススメです。
精神科・心療内科では、ストレスなどの精神面に対する治療が可能なので、症状の根本改善が期待できます。新宿うるおいこころのクリニックでも、自律神経失調症の検査・治療に対応しておりますのでお気軽にお越しください。

自律神経失調症のチェック方法を教えてください

自律神経失調症は、セルフチェック診断テストを通して症状を確認できます。
下記記事では、自律神経失調症のセルフチェック診断をご紹介しておりますので、併せてご確認ください。

自律神経失調症は正式な病名ではない?定義や他の疾患との関係を詳しく解説

自律神経失調症は正式な病名ではない?定義や他の疾患との関係を詳しく解説

東京・新宿の精神科・心療内科なら

【公式】新宿うるおいこころのクリニック | 新宿の心療内科・精神科[東京新宿駅徒歩3分]
東京・新宿の精神科・心療内科なら

東京・新宿の診断書がすぐにもらえる精神科・心療内科『新宿うるおいこころのクリニック』では、TMS治療によるうつ病治療のほか、適応障害・パニック障害・自律神経失調症・強迫性障害・むずむず脚症候群・睡眠障害・社会不安障害(SAD)・PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患の治療を行っております。
一人で心に抱え込まず、気軽に相談してみませんか?
あなたのご来院を心よりお待ちしております。

20歳未満の方へ
20歳未満の方へ

当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

当院では、18歳未満の方は
治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は
保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、
保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

同意書のダウンロード
診断書最短即日発行可能
WEB予約
診断書最短即日発行可能
WEB予約