適応障害の治し方は?病院に行く前に知りたいリスクや治療法をチェック

適応障害

適応障害の治し方は?病院に行く前に知りたいリスクや治療法をチェック

適応障害の治し方には、症状に合わせていくつかの治療法が採用されます。医療機関での治療を希望する際は、病院に行く前にリスクや治療法を把握しておくことで、安心して治療に挑めます。また、治療に対する不安を減らすためにも、記事をチェックしましょう。

適応障害とは

適応障害とは

適応障害とは、環境の変化やストレスに対処できなくなり、不安や抑うつなどの症状が起こる精神障害です。発症する年齢層は幅広く、子供から高齢者まで誰でもなり得ます。

適応障害の場合、ストレス源が明確なため、原因から離れたり休養をしたりすることで回復しますが、放置すると慢性化やうつ病の併発リスクがあります。重症化を防ぐためにも、適応障害の症状がみられた際は適切な治療を受けるようにしましょう。

 

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原因

原因は、ライフスタイルの変化で生じるストレスや不安です。

きっかけは様々で、新しい職場での人間観関係に馴染めない、引っ越し先の環境が合わなかった、妊娠による環境変化の戸惑いなど、要因となる環境は人により異なります。

また、自分の気持ちとストレス内容の間にギャップが生じると発症する傾向にあり、治療ではストレス内容への理解を中心に行います。

症状

不安症状やうつ症状のほかにも、過剰飲酒や暴力などの問題行動がみられたり、頭痛やめまい、起床困難などの身体症状が伴ったりします。

また、ストレス源から離れたいと無意識に考えるため、引きこもりがちになったり他者との関わりを避けるようになったりする傾向にあります。

診断基準

適応障害の診断基準は、精神障害の診断と統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition:DSM-5)ICD 10により定められており、要約すると基本的には以下のように示されています。

  • ストレス原因が明確で、ストレスを感じてから3カ月以内にいずれかの症状がみられた
  • 症状は以下のいずれか又は両方に当てはまる
    (1)ストレス源から想定される苦痛をはるかに超えた症状
    (2)日常生活において支障をきたしている
  • ほかの精神疾患に該当しない
  • ストレス源から離れた場合、症状が6カ月以上持続することはない

適応障害になりやすい人の特徴

自己肯定感が低い人、変化に対応することが苦手な人、ストレスに対して過敏な人は適応障害になりやすいと考えられています。

感情のコントロールが苦手だったり、人間関係の構築が苦手だったりする人もなりやすいといわれているため、日ごろからストレスケアを意識しておくことが大切です。

なりやすい人の特徴や環境、診断チェックリストについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

適応障害とうつ病の違い

適応障害とうつ病は、ブレインフォグ(頭の中にモヤがかかったような状態)など、似たような症状がみられるため間違えられやすいですが、適応障害は特定の環境が原因で発症するのに対し、うつ病は体質や脳内バランスが関係して発症するものです。

適応障害はストレス源から離れることで回復しますが、うつ病は環境調整を行っても症状が長期化する傾向にあります。また、うつ病になると何をしても楽しむことができないため、常に気分の落ち込みや意欲低下などがみられます。

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適応障害は精神科・心療内科で治療可能

適応障害は精神科・心療内科で治療可能

適応障害は、一時的なものであることが多く、精神科・心療内科での適切な治療により回復できる精神疾患です。

精神科・心療内科では、カウンセリングを通してストレス要因を深く理解し、個別の治療計画を立てるため根本改善が可能です。また、認知行動療法も行われるため、ストレスへの対処スキルを習得できたり自己管理ができるようになったりします。

休職して適応障害の治療に専念するのもひとつの方法

症状が長期間持続していたり、日常生活に支障をきたしていたりする場合は、休職して治療に専念することも大切です。休職により心身の負担が軽減されるため、治療効果の向上が期待できます。

クリニックを選ぶ際は、休職の可能性を想定した上で診断書をすぐ発行してもらえる精神科・心療内科を選ぶと良いでしょう。休職手続きがスムーズになることで、治療に集中できます。

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自己判断での症状放置やケアは控えよう

無理をして働き続けたり、自己流でケアをしたりすると、症状を悪化させる可能性があります。重大なリスクにつながる可能性も考えられるため、心身に負担を感じた場合は早めに医師や専門家に相談することが大切です。

適応障害で誤った治し方をすると起こり得るリスク

適応障害で誤った治し方をすると起こり得るリスク

以下では、誤った治し方や放置で起こり得る代表的なリスクをご紹介します。

過労死

過労死とは、過度な労働により心臓や脳などの臓器に障害が起こり、死亡に至ることです。また、ストレスから精神障害にかかり、自殺してしまうことも過労死のひとつとして捉えられています。

適応障害の場合、ストレスに対して鈍感になり無理をしてしまうため、適切な治療をしないと過労死リスクを高めます。自分の限界を超えて働き続けることは避け、適度に休息を取り入れましょう。

うつ病の併発

適応障害を完治させるためには、根本的な問題解決をすることが大切です。

自分を過度に責める、薬に頼り過ぎるなどの誤った治し方をすると、うつ病に発展する可能性があります。うつ病になると症状が治りにくくなるため、早い段階で精神科・心療内科へ受診しましょう。

適応障害の病院での治療法・治し方

適応障害の病院での治療法・治し方

十分な休養や環境調整を行った上で、病院では次のような治療を実施することが一般的です。

治し方1. 認知行動療法

認知行動療法は、思考や判断力に働きかけて、ストレスへの考え方を改めたり、対処法を学んだりする治療法です。

治療では、カウンセリングを通して思考パターンや行動パターンを深堀し、ストレスにつながる思考回路を少しずつ修正していきます。認知行動療法をすることで、客観的に物事を見つめられるようになったり、自己肯定感を高めたりできます。

治し方2.薬物療法

薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などの薬を服用することで、心身の不調を改善します。薬の作用により症状改善が期待できますが、副作用や依存性が伴う場合も考えられるため、医師の指示に従い服用することが大切です。

治療薬1.抗うつ薬

抑うつや無気力感などの症状が出ている場合、抗うつ薬が処方されます。抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質のバランス調整に作用し、気分を安定させる効果が期待できます。

治療薬2.抗不安薬

抗不安薬は、筋肉の緊張をほぐしたり気持ちを落ち着かせたりする作用があるため、不安や恐怖の緩和に効果が期待できます。即効性があり短時間で効果を感じられることが特徴で、副作用として眠気が伴う薬も多いです。

治療薬3.睡眠導入剤

適応障害に伴い不眠や入眠困難がみられる場合、睡眠導入剤が処方されることがあります。

睡眠導入剤の導入により、寝つきが良くなったり睡眠の質が向上したりしますが、容量を守らないと症状が悪化する薬もあるため、医師の指示に従うことが大切です。

治し方3.オーソモレキュラー栄養療法

オーソモレキュラー栄養療法は、体内に不足している栄養素を補給することで、心身の不調の改善を目指す治療法です。

栄養素は、食事改善やサプリメントの摂取により補うため、副作用や体への負担がほとんどないことが特徴です。血液検査を通して足りない栄養素を詳しく調べるため、心のバランス回復や別の治療では治らなかった症状の改善が期待できます。

 

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治し方4.TMS治療

TMS治療は、頭部に電磁波を当てることで症状改善を促す治療法です。

治療では、脳内で異常をきたしている神経回路に刺激を送り、正常な状態に戻るように働きかけます。薬物投与が不要で、痛みや副作用もほとんどないため、別の治療では効果がみられない人や副作用が怖い人も利用できる安全な治療法です。

 

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適応障害の治療の流れ

適応障害の治療の流れ

適応障害は、「休養期」「回復期」「調整期」の流れで治療を行います。

休養期では、心身の休息を第一に考えることが大切です。休養期を経て体調安定がみられた際は、回復期に移行し活動量を徐々に増やしていきます。

調整期では、負担のない健康的なライフスタイルを目指し、生活習慣指導を行います。自身のストレス源と向き合ったり対処法を学んだりして、再発防止に向けた取り組みを行うことも治療の一つです。

適応障害が再発した時の治療法・治し方はある?

適応障害が再発した時の治療法・治し方はある?

再発した場合は、ストレス源から早急に避けるようにしましょう。また、心療内科・精神科へ出向き、カウンセリングを受けたり認知行動療法を導入したりすることも大切です。

一人で悩まずに、信頼できる専門医や周囲の人に相談することで、早期の改善を期待できます。

適応障害の治療中の注意点

適応障害の治療中の注意点

適応障害の治療中は、自身の体調と向き合い、心身を労わることで回復が期待できます。

回復を促したい場合は、以下の注意点を意識して負担をかけすぎないようにしましょう。

十分に体を休める

自身のキャパを超えて無理をしてしまうと、ストレスを増やしたり症状を悪化させたりする可能性があるため、治療中は十分に休んで回復を促すことが大切です。

体が休まらないと感じる方は、「毎日決まった時間に寝る」「昼寝は30分以内にする」「リラックスできる音楽や香りを利用する」など、リラックス時間を習慣化すると良いです。

遠方への旅行は体調を考慮して判断する

治療中に遠方への旅行の予定がある場合は、体調を最優先に考えて判断するようにしましょう。旅行は気分転換としておすすめですが、あまりに遠い場所だと移動で疲れたり、慣れない環境がストレスになったりする可能性があります。

少しでも体調に問題がある場合は旅行を控え、体を休めせてあげることが大切です。

薬に頼り過ぎない

薬物療法は、うつや不眠症状に対して効果が期待できますが、中には副作用や依存性がある薬も存在するため頼り過ぎないことがおすすめです。

適応障害と判断された場合は、ストレス源と向き合ったり環境調整を取り入れたりして、生じている問題を見直すようにしましょう。

適応障害の治療と並行して自分でできる対処法

適応障害の治療と並行して自分でできる対処法

治療と並行して対処法を取り入れることで、治療効果の向上が期待できます。以下では、自分で実践できる4つの対処法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

気分転換をする

気分転換により心に余裕が生まれ、ネガティブな思考を払拭できたりストレス耐性がついたりする可能性があります。

リフレッシュ法は人それぞれですが、自分の好きなことやリラックスをしてみると良いでしょう。また、友人や家族と会話をすることも気分転換になるため、思いつかない場合はコミュニケーションがおすすめです。

職場に相談する

職場での人間関係や仕事が負担となっている場合、職場に相談することも有効です。

悩みを打ち明けることで、状況や気持ちを理解してもらえるだけでなく、仕事の調整などのサポートが受けられるでしょう。まともに取り合ってくれない場合は、転職も視野に入れながら最善の選択をとると良いです。

ストレス源から距離をとる

適応障害は、特定のストレス源が要因となり引き起こされます。心身の状態に違和感を覚えた際は、物理的に離れるだけでなく精神的な関わりも減らすようにしましょう。

例えば、連絡をとらないようにしたり、関係を切ったりすることが有効です。しっかりとストレス源から距離をとることで、無意識に感じる負担を軽減できます。

周囲の人に相談する

周囲の人に自分の気持ちや考えを相談することで、気持ちが楽になったりサポートを受けられたりします。

身近に相談できる人がいない場合は、精神科・心療内科でカウンセリングを受けることもおすすめです。専門医がプロの目線から適切なアドバイスをしてくれるため、心の負担軽減につながるでしょう。

負担の少ない適応障害の治し方について知りたい場合は、うるおいクリニックへご相談ください

うるおいクリニックでは、TMS治療やオーソモレキュラー栄養療法など負担の少ない治療法を採用しています。

TMS治療やオーソモレキュラー栄養療法は、薬物投与不要で副作用もほとんどない治療法です。「薬物療法も併用したい」「本当に効果があるのか不安」などのご希望・不明点がある際でも、患者様の声を反映させながら治療方針を定めていくため、常に安心感のある治療が可能です。

よくある質問

適応障害の診断書を発行してもらうデメリットはありますか?

診断書を発行するデメリットは、全額自己負担での費用がかかることです。初診の場合、診断書発行時には、診断書の作成費用のほかに検査費用が必要となります。

適応障害は完治できますか?

適応障害は完治できる病気です。少しでも早く症状改善を目指すためには、症状が軽度なうちに治療を受けることが大切ですので、心当たりがある際はお早めにご相談ください。

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