オーソモレキュラー栄養療法とは、不足している栄養素を補う治療のことで、症状の根本改善が見込めるとして注目されています。
治療は幅広い疾患に導入することができ、投薬で効果がなかった方や副作用がつらい方でも効果が期待できる治療法です。
今回は、オーソモレキュラー栄養療法の概要や治療がおすすめの人、特徴について解説します。また、新宿うるおいこころのクリニックで扱うオーソモレキュラー栄養療法の治療プランについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オーソモレキュラー栄養療法とは
オーソモレキュラー栄養療法とは、個人の体質や病状に合わせて、ビタミンやミネラルなどの栄養素を取り入れる治療法のことです。
オーソモレキュラーとは、「正しい」を意味するオーソ(Ortho)と「分子」を意味するモレキュラー(Molecular)を組み合わせた言葉で、体内の分子バランスを整えようという意味があります。
オーソモレキュラー栄養療法は、薬物療法ではなく栄養の補完的な役割を果たします。治療を行う際は、専門的な知識と経験が必要であり、専門医や栄養士などにより行われることが一般的です。
このような悩みを抱えている人は、オーソモレキュラー栄養療法がおすすめ
オーソモレキュラー栄養療法は、下記のような悩みを抱えている方におすすめの治療法です。
投薬治療をしても効果が得られていない
投薬治療でも効果がなかった方の中には、体の栄養素バランスを整えるオーソモレキュラー栄養療法によって、改善が得られる場合があります。
2つの治療の異なる点は、投薬では抑うつ薬や睡眠薬などの「薬」によって改善の補助をするのに対し、オーソモレキュラー栄養療法はビタミンなどの「栄養物質」によって改善を促している点です。
オーソモレキュラー栄養療法では、不足しているものを補うという考え方をとっており、症状の根本改善が期待できます。
投薬を減らして症状を改善したい
オーソモレキュラー栄養療法は、投薬治療と併用することができます。投薬を減らして症状を改善したい、投薬治療による副作用がつらい、などの悩みを抱えている場合は、併用し薬の量を減らすことで症状改善がされる傾向にあります。
症状に悩んでいるのに医療機関では異常なしと診断された
オーソモレキュラー療法では、体に足りない栄養素を補給していくため、原因不明の身体的・精神的な体調不良にも効果が期待できるのです。
例えば、イライラやのぼせが生じている場合、検査を通して糖質やタンパク質などの栄養素が足りていないと診断します。診断結果をもとに、ホルモンバランスの乱れで症状が起こっていると特定し、足りていない栄養素を食事療法やサプリメントから摂取するなどの治療メニューを提案していきます。
オーソモレキュラー栄養療法の3つの要素
オーソモレキュラー栄養療法は、「食事」「サプリメント」「生活習慣」の3つの要素で構成されています。
これらを適切に行い、体内の栄養バランスを整えていくことで、症状の改善が見込めます。
食事
食事では、足りない栄養素の補給ができる食事メニューを中心に、普段の食事指導を行います。
中でも、「血糖値」と「適切なタンパク質量」の摂取は重視され、食事でバランスをコントロールすることで症状改善を促せます。
また、食事は必要な栄養素を供給するだけでなく、体内の酸化ストレスや炎症を抑える効果もあるものです。オーソモレキュラー栄養療法では、一人ひとりの症状に合わせて新鮮な野菜や果物、全粒穀物、発酵食品などの摂取量を増やすことで、心の健康も促進できるようアドバイスしています。
サプリメント
サプリメントでは、食事では補えない栄養素を錠剤などで摂取します。
サプリメントは薬と混合されがちですが、あくまで栄養を補給する手段としての「食品」であり、体に何かしらの作用を与える「薬」ではありません。
オーソモレキュラー栄養療法では、ビタミンCやビタミンD、亜鉛、マグネシウム、などの足りない栄養素を、サプリメントとして個々に合わせ処方します。サプリメントの導入により、効率的に栄養素を取り入れられるようになるため、症状改善に役立つ有効な手段なのです。
生活習慣
生活習慣では、睡眠時間や運動量、ストレス管理などの指導を行います。
オーソモレキュラー栄養療法を行うにあたり、栄養素の補給だけでなく生活習慣という根本部分を改善していくことは必要不可欠な要素です。
例えば、睡眠は体の回復や免疫力の向上に寄与したり、運動は血流や代謝を促進したり、ストレス管理は自律神経やホルモンの調整に関わっていたりします。
このように、生活習慣を改善していくことで、栄養補給では補えきれない不調の改善が期待できるのです。
オーソモレキュラー栄養療法の特徴
オーソモレキュラー栄養療法の特徴としては、下記の3つがあげられます。
投薬のみに頼らない
薬物療法のみでは、副作用や依存性が生じる可能性があります。
一方でオーソモレキュラー栄養療法では、投薬のみに頼らず食事やサプリメントなどを導入するため、副作用や依存性に悩まされることもありません。
根本治療が目的
オーソモレキュラー栄養療法の目的は、不調の根本改善をすることです。
例えば、アレルギーやうつ病などは、免疫系や神経系に関係する栄養素の不足や過剰摂取が影響している場合があります。オーソモレキュラー栄養療法では、適切な量と種類の栄養素を摂取することで、体内のバランスを整え根本改善を目指すのです。
幅広い医療分野で応用可能
オーソモレキュラー栄養療法は、体内に足りない栄養素を補給していく治療なため、幅広い病気や健康問題に対応できる医療法です。
代表的なものとしては、高血圧や物忘れ、パニック症状、肥満、睡眠障害などがあげられ、生活習慣病や老化防止にも有効とされています。
また、投薬不要のオーソモレキュラー栄養療法は、妊娠や授乳期などの特別な時期にも導入できます。産後うつなどにも効果が期待できるため、体内に悪影響を及ぼさない治療法として注目を集めています。
オーソモレキュラー栄養療法のメリット
ここでは、オーソモレキュラー栄養療法によって生じる2つのメリットをご紹介します。
病気の予防効果
栄養補給により免疫力や代謝を高めるため、様々な病気の予防に効果が期待できます。
また、食欲がない、眠れないなどの合併症を引き起こしかねない症状に対しても効果が見込めたり、症状の悪化を防ぐこともできたりします。
このように、オーソモレキュラー栄養療法は、ストレスや不安に悩む方におすすめの治療法なのです。
QOLの改善
オーソモレキュラー栄養療法は、病気だけでなく日常生活の質(QOL)にも良い影響をもたらします。
例えは、適切な栄養を摂取することで、ストレスや疲労を軽減したり、精神的な安定や活力を得られたりします。また、肌や髪の健康向上などの美容効果も期待できます。
精神科・心療内科による適切な指導のもとで治療を実践することで、QOL向上が見込めるでしょう。
オーソモレキュラー栄養療法の副作用
オーソモレキュラー栄養療法では、副作用はほとんど確認されていません。
急な栄養補給に体が対応できず、下記の症状が起こる可能性はありますが、一過性のものであり体が慣れることで症状は改善されるといわれています。
- 消化不良
- 下痢
- 便秘
- 肝機能の低下
- 頭痛・嘔吐
治療を受ける際には、十分な水分補給や休息をとることが大切です。
また、必要に応じて医師や栄養士と相談しながら、栄養素の種類や量を調整することも可能です。症状に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
オーソモレキュラー栄養療法の治療の流れ
一般的に、オーソモレキュラー栄養療法では、下記の流れで治療が行われます。
- 血液検査
- サプリメントの接種
- カウンセリング
①血液検査
血液検査では、詳細な栄養分析を行います。
不足している栄養素や体内の異常を検出することで、症状をはっきりさせたり病名を突き止めたりできるのです。摂取する栄養素や治療計画を決定していくためには、血液検査は欠かせません。
②サプリメントの接種
治療として食事調整が行われますが、食べ物だけでは必要な栄養素を補え切れないため、サプリメントの摂取も同時に行います。
新宿うるおいこころのクリニックでは、オリジナルサプリメントの「ATP Pro(TCA & PER booster V3M)」をご用意しています。このサプリメントは、生きる上で必要なエネルギー素であるATPの産生効率を向上させたり、ホルモン不足を改善させたりする効果が期待できるものです。
③カウンセリング
カウンセリングでは、治療経過のチェックや症状の変化を観察します。
回復度や心理状態に合わせてその都度治療方法を変化させていき、最適な治療が受けられるようサポートを行うのです。
また、施術に対する不明点や不安がある場合は、カウンセリングの際に相談することができます。
オーソモレキュラー栄養療法はどこで受けられる?
オーソモレキュラー栄養療法は、精神科・心療内科を含む様々な医療機関で受けることができます。
脳神経外科、皮膚科、麻酔科、内科など様々ですが、クリニックにより治療を導入していない場合もあるため、事前に確認しくと良いかもしれません。
また、治療は保険適用外の自由診察となりますが、その分自身のライフスタイルやニーズに合わせた柔軟な治療プランを選択できます。
一年間で10万円超えた場合は医療駆除もできるので、該当する方は活用してみてください。
よくある質問
一回あたりの治療費を教えてください
1回あたりの費用は、2,3万円からと少々お高めですが、疾患の根本改善が叶うため価値のある治療とされています。
オーソモレキュラー栄養療法以外の治療法もありますか
当院では患者様の症状に合わせて、多様な治療法をご用意しています。詳しく知りたい方は、公式HPをご確認ください。