「周りの表情や空気を読みすぎてしまう」
「音や光に敏感で外に出るのが疲れる」
といった症状に悩まされるHSP。
HSPの人が生きやすくなる ためには、自己理解が大切となります。
特に女性は、症状に気が付きやすいといわれており、辛いと感じる場面も多いようです。
この記事では、女性のHSPの特徴や苦手な場面、ストレスになりやすい仕事の特徴、対処法をご紹介するので、生きづらさを解消するヒントにしてみてください。
目次
HSPが女性に多いといわれる理由
HSPに男女差はないと考えられていますが、女性は幼少期から自他の感情に敏感であり、共感を求める傾向があるため、男性よりも症状に気付きやすいようです。
ホルモンバランスの乱れや妊娠によっても感情が不安定になりやすく、環境変化によりHSPの特性が顕著に現れる場面も多いといわれています。
また、男性の方が感情を表に出さない傾向にあるため、一見HSPだと分かりづらく、女性にHSPが多いといわれる要因になっているようです。
HSPの女性の特徴
HSPを持っている女性には、対人関係で疲れやすかったり共感力が高かったりする特徴があります。以下では、代表的な特徴をお伝えするので、自身に当てはまるかチェックしてみましょう。
HSPの女性の特徴①対人関係で疲れを感じやすい
相手の言葉や行動を深く考えすぎてしまうため、対人関係で疲れを感じやすいようです。
例えば、
「自分の些細な発言について何日も考えてしまう」
「一つ一つの発言で相手がどう思うか気になる」
など、相手に対して過度に気を遣う傾向にあります。
また、楽しそうに振る舞っていても内心は限界を感じていることが多く、段々と交流を減らす人もいるといわれています。
HSPの女性の特徴②共感力が高い
相手に対する共感力が高く、喜怒哀楽を自分のことのように捉える傾向にあります。
例えば、
「友人の悩みを聞いた後、当事者のように悩む」
「相手が不安に思うことに共感し、自分も過度な不安を覚える」
などの行動があげられます。
相手に深く共感して一緒に悩むため、周囲からは思いやりがある人、優しい人と認識されるケースも多いようです。
HSPの女性の特徴③相手の感情を察知しやすい
観察力が高い傾向にあり、相手の感情や細やかな変化を察知しやすいといわれています。感情は、表情や仕草、声の調子から読み取るため、
「今少し怒っている」
「何かについて悩みを抱えている」
など、相手が口に出さなくても思考が分かるようです。
特性により、相手に配慮できることは大きな強みですが、相手の感情に振り回される人や、全ての行動が遠慮がちになる人も多い傾向にあります。
女性のHSPの特徴に当てはまるかセルフチェック診断テスト
以下の症状に12個以上当てはまる場合、HSPの可能性が高いです。
- 周囲の些細なことによく気が付くと思う
- 他人の機嫌に影響されやすい
- 痛みに弱い
- 忙しい時は部屋や静かな空間に引きこもりたくなる
- カフェインに対して敏感
- 強い光や臭い、粗い生地、近くから聞こえるサイレンなどに反応しやすい
- 独創的な自分だけの世界がある
- 大きな音が苦手
- 芸術や音楽に感情を動かされやすい
- 誠実
- 驚きやすい
- やることがたくさんあると混乱する
- 誰かが居心地悪そうにしていると、理由を聞いて改善したくなる(部屋の明かりを消す、席を変えるなど)
- 一度に複数の指示をされると混乱する
- 失敗や忘れ物がないように細心の注意を払っている
- 暴力的な映画やテレビが苦手でみられない
- イレギュラーなことがあると動揺する
- 極度の空腹状態では集中力や気分がそがれる
- 環境変化が苦手
- 繊細で良質な臭い、味、音、芸術作品を好む
- 感情が混乱しないような状況をなるべく避けている(人込みを避ける、ホラー映画をみないなど)
- 誰かと比べられると緊張して動揺する
- 子供のころは周りの大人から繊細・内気といわれていた
※上記の項目は、HSPを断定するものではありません。あくまでセルフチェック診断テストなので、症状にお困りの方は精神科・心療内科にご相談ください。
下記記事でもHSPのセルフチェックについて解説しています。併せてご覧ください。
参考
・「それって本当にHSP?」~精神科医がみたHSP概念普及の功罪~|追手門学院大学心理学部 溝部 宏二
女性のHSPの特徴がみられやすい場面あるある
女性のHSPは、人と話している場面や怒られている場面でみられやすいといわれています。辛いと感じる場合は、意識的に状況を避けることもオススメです。
女性のHSPの特徴がみられやすい場面あるある①大人数で会話をしている時
大人数で会話をしている時は、たくさんの人に気を遣ったり発言を一層気にしたりするため、感覚が刺激されやすく疲れるようです。
また、皆の反応や言動が気になってしまい、
「自分の意見がどう捉えられているか」
「誰かが自分に対して悪く思っていないか」
と考え込んでしまう傾向にあります。
気を遣い続けることから、早く切り上げたくなったり参加自体がストレスになったりするといわれています。
女性のHSPの特徴がみられやすい場面あるある②職場で怒られている時
相手からの指摘や叱責に対して敏感なため、職場で怒られたことを長く引きずってしまうようです。
例えば、自分のミスに対して過剰な責任感を覚えたり、次は失敗しないように頑張り過ぎてしまったりする傾向にあります。また、他の誰かが怒られている場合でも、自分が怒られた気になり精神的に疲れてしまうことがあります。
女性のHSPの特徴がみられやすい場面あるある③感動的な映画をみている時
感情移入しやすい特徴から、感動的な映画をみている時に号泣したり深く感動したりする傾向にあります。また、映画の中で描かれている喜びや苦しみに共感するあまり、物語に入り込み すぎてしまうようです。
高い共感力は長所でもありますが、感情の起伏が激しくなりやすいため、映画鑑賞が負担となる可能性も考えられています。
女性のHSPの特徴がみられやすい場面あるある④人混みや騒音がひどい時
音や光、臭いに敏感な特性から、人混みや騒音がひどい場所が苦手といわれています。
例えば、満員電車に乗っている時に頭痛がしたり、混雑したショッピングモールに居られなくなったりするようです。
すぐに抜け出せない環境では、逃げ出したい衝動からイライラすることもありますが、静かな場所で落ち着くと気分が安定します。
他にもHSPの特徴あるあるについて知りたい方は、下記記事をご覧ください。
HSPの女性がストレスに感じやすい仕事の特徴
HSPの人は、マルチタスクや大きな音が苦手な特性から、以下の特徴に当てはまる仕事はストレスを感じやすいといわれています。
HSPの女性がストレスに感じやすい仕事の特徴①対応力が求められる仕事
イレギュラーな対応や予期せぬ事態で混乱する傾向にあるため、対応力が求められる仕事はストレスになりやすいようです。
例えば、顧客の要求に対して過度なプレッシャーを感じたり、急なスケジュール変更に対応できなかったりすることで、自分を強く責めてしまい、仕事のパフォーマンス低下につながるといわれています。
対応力が求められる仕事しては、下記の仕事があげられます。
- アパレル店員
- 飲食店のスタッフ
- 管理職
- 運送業
HSPの女性がストレスに感じやすい仕事の特徴②音による刺激がある仕事
刺激により頭痛がしたり集中できなくなったりするため、うるさい職場はストレスになりやすいようです。
人によっては着信音やコピー機、話し声など、普通の人には気にならない音も負担になる場合があり、対策をしても完全に遮断できずストレスが蓄積されるといわれています。
音による刺激がある仕事しては、下記の仕事があげられます。
- ガソリンスタンド店員
- 製造業
- テーマパークの接客スタッフ
- 事務職
HSPの女性がストレスに感じやすい仕事の特徴③常にプレッシャーをかけられる仕事
疲労や不満をため込む傾向にあるため、常にプレッシャーをかけられる職場はストレスになりやすいといわれています。
例えば、高い成果を求められている職場やタイトな納期設定が多い職場では、緊張感に晒され続けることが負担になるようです。また、他人からの評価を気にするあまり、自己評価が低くなってしまう傾向にあると考えられています。
常にプレッシャーをかけられる仕事しては、下記の仕事があげられます。
- コールセンタースタッフ
- 不動産営業
- ディーラー
- 介護士
HSPの人が向いている仕事が何かが気になる方は、下記記事でご紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
HSPの症状が辛いと感じる時の対策
では実際に、HSPの症状が辛いと感じる場合はどうすれば良いのでしょうか。ここでは、女性のHSP対策についてお伝えします。
HSPの症状が辛いと感じる時の対策①今の環境を変える
職場がストレスとなっている場合、まずは環境を見直すことが大切です。
例えば、作業環境が合わないと感じた場合は転職を検討したり、毎日の通勤がストレスになっている場合は在宅ワークに切り替えたりなど、なるべく負担かからないよう調整すると良いです。
HSPの症状が辛いと感じる時の対策②精神科・心療内科に相談する
HSPの症状が辛いと感じる場合は、精神科や心療内科に相談することもおススメです。
専門的なカウンセリングを受けたり、症状に応じた治療を受けたりすることで、心の負担軽減が期待できます。また、治療が自己理解を深められるきっかけとなり、日々のストレスに対して柔軟に対応できるようになるといわれています。
HSPの症状でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
今回は、女性にみられるHSPの特徴について解説しました。
女性は男性に比べて、自他の 感情に敏感で共感を求める傾向にあるため、HSPの特徴に気が付きやすいといわれています。
特徴を長所として生かすこともできますが、ノルマがあったりうるさかったりすると、ストレスになる可能性があるので、無理をせず自分に合う環境で働くことが大切です。
また、症状が辛い場合は環境を整えることが大切ですが、精神科・心療内科を頼ると生きづらさを解消するヒントを得られるので、1人で悩まず相談すると良いです。
新宿うるおいこころのクリニックでも、HSPの治療に対応しています。
治療では、臨床心理士・公認心理士在籍のカウンセリングにより、気持ちを整理したり適切な症状改善を目指せたりします。
症状に合わせた薬物治療のご提案も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
<新宿うるおいこころのクリニックのHSPの治療についてはこちら>
よくある質問
HSPのタイプとしてあげられるHSS型HSPとは何ですか?
HSS型HSPとは、刺激に対して敏感である一方で、新しい体験や挑戦を求める傾向が強い人のことです。刺激を楽しみたい気持ちと感受性の強さからくるストレスにより、疲れやすく傷つきやすいといわれています。
女性のHSPは病院でどのように診断されますか?
女性のHSPは、HSPの特性を理解するための問診や検査により判断されます。症状が他の精神疾患に該当しない場合はHSPと診断し、カウンセリングや薬の処方などの治療を行います。