一度発症すると、長時間症状に悩まされるうつ病。
治療には長い月日がかかりますが、根気強く治療を続けることで回復が見込めます。
しかし、間違った治し方をしてしまうと、治療が長引いたり再発したりするかもしれないので、正しい治し方を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、回復までの目安期間や治し方、自宅での過ごし方を解説します。治療の際に大切なこともお伝えするので、鬱を治したい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
うつ病は適切な治療により改善が見込める
うつ病は、適切な治療により改善が見込める精神疾患です。
早期回復を目指すには、症状に気付いた段階で治療を始めることが大切であり、「まだ大丈夫」と放置すると回復が長引いてしまいます。
場合によっては、休職が必要となるパターンもあるので、異変を感じたり周囲から指摘されたりしたタイミングで病院へ行くようにしましょう。
うつ病を治したいと思うきっかけ
うつ病を治したいと思うきっかけは、原因不明の胸痛があった、自分への自信がなくなった、趣味を楽しめなくなった、などの不調から不安を覚えたパターンが多いようです。
また、周りからカウンセリングを勧められたりネットで調べたりしたことが、治したいと思うきっかけになるパターンもあります。
うつ病の原因やきっかけを知りたい方は、下記記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
うつ病が改善する目安期間
うつ病の治療では、「急性期」「回復期」「再発予防期」と徐々に症状が変化していきます。
個人差が大きいですが、急性期は1か月~3か月程度、回復期は4か月~6か月程度、再発予防期が1年以上かかるといわれており、改善には長い期間が必要となります。
治したいと思っても症状が長期化してしまうケースも
通常であれば、急性期~再発予防期の流れで回復していきますが、何らかの原因で急性期に戻ったり、再発を繰り返したりすることもあります。
例えば、精神が安定しない回復期にストレスをかけてしまう、治ったと思い自己判断で治療をやめる、などの行動は長期化リスクを高めます。
また、焦って治療を進めたり無理をしたりすると悪化を招くので、治療は慎重に行うことが大切です。
参考
・3 うつ病の治療と予後|働く人のメンタルヘルスポータルサイト こころの耳(厚生労働省)
うつ病がすぐ治る人と悪化する人の違い
うつ病がすぐ治る人と悪化する人の違いは、初期段階で治療を開始できるか否かです。
うつ病は、軽度の症状から徐々に進行するため、いち早く異変に気付き適切なケアを行うことで、慢性化を防いで早期回復できるといわれています。
うつ病がすぐ治る人の特徴
うつ病がすぐ治る人の特徴として、初期段階で治療を始めている、自己判断で治療をやめていない、しっかりと休養をとっていることが大切といわれています。
また、几帳面な人や真面目な性格の人、癌や慢性疲労症候群を患わっている人はうつ病になりやすいと考えられていますが、周りの接し方やサポート体制によって、回復スピードは変わるようです。
そのため、家族や友人が温かく見守っていたり、適切なケアを受けられていたりする人はすぐ治るといわれています。
うつ病が悪化する人の特徴
うつ病が悪化する人の特徴としては、早く治療を終わらせようと焦っている人、うつ病になっても無理を続けている人、完治前に治療をやめてしまった人が該当するようです。
治療において、ゆっくりと休みながら自分のペースで進めることは大切なポイントであり、気持ちを無視して頑張り過ぎてしまうと悪化につながる可能性が高まります。
また、うつ病は早めの治療が大切ですが、生活リズムも心身に影響を及ぼすため治療中に不規則な生活を続けている人は、症状が悪化したり回復が遅れたりするといわれています。
うつ病を早く治す方法はある?
うつ病を早く治すためには、ゆっくり休んで心身のリラックスと回復を促すと良いです。
なるべくストレスのかからない環境で過ごし、生活リズムを整えたり気分転換をしたりしましょう。
また、焦りは大きな負担につながります。早く治そうと頑張るのは良いことですが、自分のペースを大切にすると良いです。
うつ病を改善するためには、早めに病院へ行こう
うつ病を改善したいと思ったら、早めに病院に行くようにしましょう。早めに治療を受けることで、慢性化や症状悪化を抑えられます。
また、個人差が大きく症状の出方はさまざまなので、違和感を覚えたタイミングで受診することが大切です。
うつ病を改善するために病院へ受診する目安
以下の2項目が2週間以上、ほとんど毎日続いている場合は受診の目安にしてみてください。
- 日々の生活が充実していないと感じる
- 以前は楽しんでいたことが楽しめなくなった
- 以前は簡単にできていたことなのに、面倒で気が進まないと感じる
- 自分が役に立つ人間だと思えない
- 理由もないのに疲労感を感じる
参考
・うつ予防・支援マニュアル(改訂版)|「うつ予防・支援マニュアル」分担研究班(厚生労働省)
うつ病を治したいと思った時に病院に行くメリット
病院に行くメリットとしては、以下のような点が考えられます。
- 適切なアプローチ法で早期回復を目指せる
- 診断書の発行により、周囲の理解を得られる
- 休職という選択肢ができる
- 自分に合う最適な対処法が分かる
- 再発を防止するための治療が受けられる
- 他の病気を見つけられる・検査できる
- アルコール依存などの合併を防げる
- 正しい用法・容量で薬を服用できる
- 経過ごとに適した治療を受けられる
- 医師に悩みを打ち明けることで、精神的負担が軽減される
※これらのメリットはあくまで一例ですので、詳しくは病院へご相談ください。
うつ病の診断を受けるべきかどうかについて知りたい方は、下記記事をご覧ください。
病院で行う鬱の治し方
病院では、抗うつ薬や環境調整、抗不安薬などを使い分けることで症状改善を目指します。以下では、代表的なうつの治し方について解説します。
病院で行う鬱の治し方①抑うつ気分には抗うつ薬
気分の落ち込みや倦怠感などの抑うつ気分が続く場合、抗うつ薬が処方されることが一般的です。
抗うつ薬は、イミプラミンやアモキサピン、SSRIなど沢山の種類があり、それぞれ特徴や副作用が異なります。
例えば、鎮静作用のあるイミプラミンは手の震えや口の渇きなどの副作用がみられます。一方、SSRIは上記のような副作用がなく使いやすいですが、他の薬との併用が難しかったり、服用初期は吐き気や不眠がみられたりするようです。
病院で行う鬱の治し方②不眠には環境調整
環境調整とは、生活習慣指導や業務量の調整などを通して、ストレスの軽減を目指す治療法です。
鬱で起こる不眠は、セロトニン不足が原因といわれています。薬物治療と並行して環境調整を行うことで、セロトニンの分泌が促されて不眠の改善が期待できます。
病院で行う鬱の治し方③不安感には抗不安薬
不安感が強い場合は、抗不安薬を処方されることがあります。抗不安薬は、不安やイライラ、緊張を軽減する作用を持つ薬で、気分を落ち着かせる効果が期待できます。
乱用すると依存症を招く恐れもあるので、医師の指示を守って正しく服用することが大切です。
うつ病を治すには自宅でどう過ごす?
うつ病を治すには、生活リズムを整えたりストレスや負担のない生活を心がけたりすることが大切となります。
以下では、うつ病を改善するために意識すべき自宅での過ごし方について解説します。
鬱を治すための過ごし方①生活リズムを整える
生活リズムを整えるとセロトニンの分泌が促されるため、鬱に効果的とされています。
また、体の緊張緩和や脳の活性化にもつながることで、メンタルを保ちやすくなるようです。
生活リズムを整えるためには、毎日同じ時間に起きる、決まった時間に食事をとる、適度な運動を行うなどを意識すると良いです。
朝日を浴びることもセロトニン分泌につながるので、起きたらカーテンを開ける習慣を付けてみましょう。
鬱を治すための過ごし方②ストレスや負担をかけないようにする
うつ病を治すためには、リラックスできる場所を見つけると良いです。
また、ストレスや負担は悪化につながるため、無理は避けて焦らずゆっくりと過ごしましょう。
仕事をしながら治す場合は、仕事量の調整や働きやすい環境づくりも大切です。負担を減らして心身を休めることで気分が安定します。
鬱の治し方として大切なこと
鬱を治したいと思った際は、十分な休息をとったり自己判断は避けたりすることが大切です。
ここでは、鬱の治し方として大切なことをお伝えするので、正しいアプローチ法を理解して日常生活に取り入れてみましょう。
鬱の治し方として大切なこと①十分な休息をとる
心身が疲れていると回復が遅れるため、体を休めることを優先しましょう。休息をとる際は、音や光の刺激を避けたり0時前には布団に入ったりと、体調を第一に考えて行動すると良いです。
治療の一貫として気分転換も大切ですが、発症当初の旅行は症状を悪化させる可能性があるので、まずは家でゆっくり休むようにしましょう。また、退職や離婚、引っ越しなどの大きな決断は、精神ストレスにつながりかねないので治療中は控えると良いです。
鬱の治し方として大切なこと②頑張り過ぎない
治療中は、自分の体調に合わせて頑張り過ぎないようにしましょう。
例えば、午前中に気分が悪い場合は休んだり、無理やり食べることを控えたりなど、自身のペースを尊重してあげることが大切です。
頑張り過ぎてしまうと負荷がかかり、鬱が治りづらくなる可能性があるので、少しずつゆっくりと症状改善を目指しましょう。
鬱の治し方として大切なこと③自己判断を避ける
治療をやめたいと思ったり、回復したと感じたりした場合でも、自己判断は避けて担当医に相談することが大切です。
例えば、鬱の薬は脳内の神経伝達物質のバランスを考えて作られたものであり、自己判断で服用を中止すると悪化する可能性があります。
また、回復したと感じても実際は治っていない場合も多いので、1人で判断せず医師に相談するようにしましょう。
鬱の治し方として大切なこと④何かあったら周囲を頼る
何かあった際に周囲を頼ることで、精神的な負担軽減につながります。話を聞いてもらうだけでも心は軽くなるので、1人で抱え込まず相談しましょう。
また、必要に応じて相談窓口やカウンセリングを活用することもおすすめです。サポート体制が整っているため、客観的に自身を見つめ直すきっかけとなります。
うつ病を治すには、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
今回は、回復までの目安期間や治し方、自宅での過ごし方について解説しました。
うつ病は、直ぐに治るものではなく、時間をかけてゆっくり治療を進めることが大切となります。
病院で薬物療法や環境調整を受けながら、自宅でも睡眠時間や食事に気を付けると良いです。辛いと感じた際は、友人に相談したり医師からアドバイスを受けたりすると気持ちが軽くなるので、1人で抱え込まず誰かを頼ってみてください。
うつ病をしっかり治せるクリニックをお探しの方は、新宿うるおいこころのクリニックがおすすめです。
新宿うるおいこころのクリニックでは、経験豊富な専門医が症状や進行具合に応じて治療を提案することで、1人ひとりに合わせた症状改善を目指せます。
治療では、精神療法や薬物療法などを使用。患者様の不安を減らすため、「副作用が怖い」「通院負担を減らしたい」などのご要望にも柔軟に対応いたします。ご予約は公式HPやLINEから24時間承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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よくある質問
鬱からくる怒りっぽい症状を治したいです
一般的に、鬱からくる怒りっぽい症状を治すためには、抗不安薬が処方されます。
うつ病であることを自覚したり、カウンセリングを受けたりして、感情のコントロール方法を学ぶことも大切です。
うつ病を治したいと思ったら何から始めるべきですか?
うつ病を治したいと思ったら、まずは精神科や心療内科で診察を受けると良いです。クリニックでは、症状をしっかりと確認したうえで適切な治療方針を立てるため、悪化リスクを軽減できます。
症状に気付いた段階での治療により早期回復を目指せるので、「この程度なら平気」と思わず病院へ行くようにしましょう。