PAGE TOP
MentalColumn

メンタルコラム

双極性障害(躁うつ病)とはどんな病気?主な原因や症状、放置するリスクとは

双極性障害(躁うつ病)とはどんな病気?主な原因や症状、放置するリスクとは

双極性障害(躁うつ病)は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患です。
発症すると、日常生活に大きな困難をきたすことがあり、回復後の再発リスクも高いと考えられています。

症状を早めに治し、再発を防ぐためには、正しい理解が大切となるので、記事を通して双極性障害(躁うつ病)の有病率や症状、原因、放置するリスクについて知っていきましょう。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害(躁うつ病)とは、激しく気分が高揚する「躁状態」と、深く落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。
気分の波は交互に訪れ、エネルギッシュになりすぎたり無気力に沈んだりすることで、日常生活や人間関係に悪影響を及ぼします。治療により症状は徐々に回復できますが、人によって症状の出方が異なるため、躁状態に気付かず適切な治療が受けられていない人もいるようです。

双極性障害(躁うつ病)とうつ病との違い

双極性障害(躁うつ病)とうつ病の違いは、気分のアップダウンがあるか否かです。
双極性障害(躁うつ病)では躁状態とうつ状態を繰り返すため、躁状態の時は気分が高まり活動的になることが特徴です。一方、うつ病は常に気分が落ち込んでいることが特徴で、長期間にわたって意欲低下や興味喪失などの症状が続きます。
双極性障害(躁うつ病)とうつ病は異なる精神疾患ですが、双極性障害(躁うつ病)は常に同じ状態が続くわけではないため、うつ状態で受診した際にうつ病と診断されるケースもあります。

より詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

双極性障害(躁うつ病)の有病率は0.1~0.4%程度

双極性障害の有病率は、人口の0.1~0.4%程度とされています。発症平均年齢は10 代後半~20 代前半と考えられており、若年期での発症が多いようです。
若年での発症が多い理由としては、社会に出ることで社会生活のルールが増えたり、求められる内容が高度になったりすることがあげられ、双極性障害(躁うつ病)になりやすい気質を持った人が、大きなストレスを抱えることで発症に至るといわれています。

参考
日本うつ病学会診療ガイドライン双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会

双極性障害(躁うつ病)はⅠ型・Ⅱ型に分けられる

双極性障害は、躁状態の出方によってⅠ型とⅡ型に分けられます。Ⅰ型は、日常生活に支障をきたすほどの激しい躁状態が出ることが特徴です。一方、Ⅱ型でみられる躁状態は軽く生活への影響は少ないですが、その分うつ状態がⅠ型に比べて長く続きます。

双極性障害Ⅰ型

双極性障害Ⅰ型は、激しい躁状態が現れるタイプです。例えば、衝動的な買い物が増える、自信過剰になる、周囲に対して横柄に振る舞う、性行為に対して奔放になるなど、目に見えて分かるほど異常な躁状態がみられます。このような興奮状態は、双極性障害(躁うつ病)からくるものですが、周囲から人が変わったと思われることも多く、トラブルや面倒をかける機会が増えるようです。

双極性障害Ⅱ型

双極性障害Ⅱ型は、軽躁状態とうつ状態を繰り返します。
躁状態はⅠ型ほど酷くなく、自覚症状がなかったり周りから気付かれなかったりするケースも多いようです。Ⅱ型の場合、Ⅰ型に比べてうつ状態が長いことも特徴で、躁状態が見逃されやすいといわれています。

双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害の明確な原因は解明されていませんが、遺伝的要因や環境的要因の影響があるといわれています。
実際に、双生児研究から双極性障害の遺伝率は 70~90%と考えられており、遺伝的要因との深い関わりが示唆されています。環境要因としては、幼少期のトラウマ体験の影響があげられ、虐待やいじめの経験が双極性障害(躁うつ病)の引き金になるようです。

双極性障害(躁うつ病)はストレスや生活習慣も原因になり得る

日常生活でのストレスは、双極性障害(躁うつ病)を引き起こすきっかけになると考えられています。例えば、人間関係で悩んでいたり仕事が忙しすぎたりすると、精神的な負担が蓄積され心のバランスが崩れやすくなるようです。
また、昼夜逆転や不規則な食生活といった生活習慣を続けていると、心身にストレスがかかりやすい状態になり、双極性障害(躁うつ病)の発症につながるといわれています。

双極性障害(躁うつ病)の原因について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

ストレスを溜めこむ人は双極性障害(躁うつ病)になりやすい

ストレスを溜めこむ人は双極性障害(躁うつ病)になりやすい

ストレスを溜め込む人は、気付かないうちに心に大きな負担をかけており、双極性障害(躁うつ病)の発症リスクを高めるようです。ストレスから自律神経系などが乱れることもあり、身体不調が精神的な問題を悪化させるともいわれています。
また、メンタルが安定していないと、些細な出来事でも感情的になったり過剰に反応したりしやすく、双極性障害(躁うつ病)の引き金になるようです。

双極性障害(躁うつ病)を防ぐには頑張り過ぎないことが大切

頑張りすぎは心身にストレスをかけ、心のバランスを崩すきっかけになります。双極性障害(躁うつ病)を引き起こす要因にもなり得るため、無理をせず自分自身のペースで生活することが大切です。
また、ストレスを感じたときには、抱え込まず他人に頼るようにしましょう。普段からストレス管理を意識し、適度に発散させることが双極性障害(躁うつ病)の予防につながります。

下記記事では、双極性障害(躁うつ病)のなりやすい性格などについて詳しく解説しています。併せてご覧ください。

双極性障害(躁うつ病)の治療の流れ

双極性障害(躁うつ病)の治療の流れ

病院では、躁状態やうつ状態からの回復と再発予防に向けた治療が行われます。
発症初期では、薬物療法や認知行動療法を通して症状安定を図るケースが多く、長期にわたって服用を続けたり思考にアプローチしたりすることで徐々に改善を目指せます。
症状が安定して来た際は、薬物療法などを続けつつ、規則的な生活習慣の遂行やストレス管理などの再発防止に向けた治療が行われます。

双極性障害(躁うつ病)の検査方法

双極性障害(躁うつ病)は、気分の高揚や活動量の増加などを基に判断されます。社会生活や仕事においての影響なども把握し、入院の必要性を判断します。
また、他の疾患が疑われる場合は、血液検査や脳の画像診断を行うケースもあり、過去にみられていた症状なども判断基準に含まれることが特徴です。

双極性障害(躁うつ病)の治療法

双極性障害(躁うつ病)の治療では、薬物療法と心理療法が扱われます。
薬物療法では、症状の安定とコントロールを目的に、気分安定薬や抗精神病薬を処方することが一般的です。心理社会的治療では、双極性障害(躁うつ病)について自己理解を深める心理教育や家族の理解を得る家族療法、マイナス思考を変えていく認知行動療法などが用いられ、心身にアプローチすることで症状の根本改善を目指します。

回復後の治療

症状が安定した後も、再発予防のために薬物療法は継続されることが多いです。薬の服用を続けることで、症状が抑えられて普段通りの生活を送りやすくなるようです。
また、日常生活におけるストレスをなるべく減らすことが大切となるため、生活習慣改善も治療の一環として行われます。

双極性障害(躁うつ病)に潜むリスク

双極性障害(躁うつ病)に潜むリスク

双極性障害(躁うつ病)は、些細なストレスや生活変化でも症状の波を引き起こす要因となるため、再発や悪化リスクが常に伴います。
また、躁状態が強く現れることで衝動的な行動や無謀な決定してしまい、経済的に窮地に陥ったり友人とトラブルを起こしたりと社会的孤立を招く恐れもあるようです。

下記記事では、双極性障害(躁うつ病)を放置することで起こり得るリスクや末路について詳しく解説しています。併せてご確認ください。

双極性障害(躁うつ病)の再発を10回以上経験した人もいる

双極性障害は再発しやすい疾患であり、治療を続けていても症状が再び現れることがあります。実際に、10回以上再発を経験したケースも報告されており、再発リスクの高さが伺えます。
再発を繰り返すと症状は慢性化しやすくなり、治療がより困難になると考えられているため、医師の指示通りに薬を飲み続けたりストレス管理を徹底したりすることが大切です。

双極性障害(躁うつ病)の再発サイン

双極性障害(躁うつ病)が再発した際は、以下のサインがみられることが多いようです。

  • 睡眠時間が短くなる
  • 口数が増える
  • イライラが増える
  • 飲酒量が増す
  • 神経質になり些細なことが気になりだす
  • 気分が高揚する

参考
すまいるナビゲーター双極性障害|第3回 再発について

双極性障害(躁うつ病)で入院が必要となるケース

双極性障害(躁うつ病)で入院が必要となるケース

暴力行為や身体的衰弱がみられる場合、患者自身を守るためだけでなく、家族の安全を確保するためにも入院が必要となります。また、通院での治療では回復が難しいケースや自殺が懸念されるケースも入院治療が選択されます。
入院中は、医師や看護師による24時間体制の支援が提供されるため、徐々に安定を取り戻せるようです。

入院の判断方法

双極性障害(躁うつ病)で入院を判断する際は、現在の精神症状などを踏まえて総合的に判断されます。また、以下に当てはまる場合は入院が明らかに必要と考えられています。

  • 自殺や他害のリスクがある
  • 食事や安全確保をする能力を大幅に失っている
  • 診断のために入院が必要と判断された場合
  • 過去に急激に症状が進行したことがある
  • 通常であれば受けられる支援体制が不可能となった場合

参考
日本うつ病学会診療ガイドライン 双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会

双極性障害(躁うつ病)は精神科・心療内科へ相談

双極性障害(躁うつ病)は精神科・心療内科へ相談

双極性障害(躁うつ病)の疑いがある場合、精神科・心療内科へ相談すると良いです。
精神科・心療内科では、メンタル問題を踏まえたうえで、患者一人ひとりに合わせた薬物療法や心理療法を提供するほか、ストレス管理や生活習慣の改善なども行うため、適切な症状コントロールと再発予防を目指せるでしょう。
双極性障害(躁うつ病)は放置してしまうと治しにくくなるので、いち早く普段通りの生活を取り戻すためにも「何かおかしいな」と思ったタイミングで受診しましょう。

双極性障害(躁うつ病)では生活習慣の見直しも大切

生活の中でストレスがかかると症状悪化を招きやすくなるため、症状安定には規則正しい生活リズムの維持が大切といわれています。
例えば、睡眠時間を一定に保つ、栄養バランスを考えた食事をとる、などを日々の生活で習慣づけていくと良いです。また、ストレス発散も大切となるので、寝る前にリラックスタイムを確保したり、軽い運動を取り入れたりするようにしましょう。

双極性障害(躁うつ病)でお悩みの方は新宿うるおいこころのクリニックにご相談ください

双極性障害(躁うつ病)の症状でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
双極性障害(躁うつ病)は、薬物療法により回復を目指せるといわれており、早期にご相談されることで悪化を防げます。新宿うるおいこころのクリニックでは、臨床心理士、公認心理士在籍のカウンセリングも並行して行えるので、悩みに合わせたサポート体制が充実しています。
他の精神疾患を併発している場合でも個々に応じた療法提案が可能ですので、皆様のご来院を心よりお待ちしております。

<双極性障害(躁うつ病)の治療について詳しく見る>

よくある質問

双極性障害(躁うつ病)は何歳が発症しやすい病気ですか?

双極性障害(躁うつ病)は、10 代後半~20 代前半が発症しやすいといわれています。
大人になるにつれて増えるプレッシャーやストレスが関わっているとされ、家族に双極性障害患者がいる場合や、幼少期のトラウマを体験している場合も発症しやすいようです。

双極性障害(躁うつ病)とは何ですか?

双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態が交互に現れる精神疾患です。発症すると、エネルギーに満ち溢れた状態と絶望感・無気力感でいっぱいになる状態が繰り返され、自信過剰や活動的になったり引きこもりがちになったりします。

双極性障害(躁うつ病)とはどんな病気?主な原因や症状、放置するリスクとは

双極性障害(躁うつ病)とはどんな病気?主な原因や症状、放置するリスクとは

東京・新宿の精神科・心療内科なら

【公式】新宿うるおいこころのクリニック | 新宿の心療内科・精神科[東京新宿駅徒歩3分]
東京・新宿の精神科・心療内科なら

東京・新宿の診断書がすぐにもらえる精神科・心療内科『新宿うるおいこころのクリニック』では、TMS治療によるうつ病治療のほか、適応障害・パニック障害・自律神経失調症・強迫性障害・むずむず脚症候群・睡眠障害・社会不安障害(SAD)・PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患の治療を行っております。
一人で心に抱え込まず、気軽に相談してみませんか?
あなたのご来院を心よりお待ちしております。

20歳未満の方へ
20歳未満の方へ

当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

当院では、18歳未満の方は
治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は
保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、
保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

同意書のダウンロード
診断書最短即日発行可能
WEB予約
診断書最短即日発行可能
WEB予約