「どれだけ寝ても疲れが取れない」「体が重い感じが続いている」
これらの症状に当てはまる場合、自律神経失調症かもしれません。
自律神経失調症は、自律神経の乱れにより起こるため、健康的な生活習慣やストレス管理などの対策を把握しておくことが大切となります。
この記事では、自律神経失調症の原因やなりやすい人・なりにくい人の特徴、治し方、予防法について解説します。自律神経失調症について徹底解説しているので、症状に心当たりのある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れることで心身に不調が起きるものです。症状は、ほてりや頭痛、倦怠感、疲労などさまざまですが、検査では異常が見つからないことが特徴のため、他の疾患の疑いがないときに自律神経失調症と診断されます。
症状が起こるきっかけは、ストレスや不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れが関係しており、天候や体質的要因が関与することもあるとされています。
自律神経失調症の原因
自律神経失調症は、リラックス時に作用する副交感神経と興奮時に作用する交感神経の働きが乱れ、身体が常に興奮状態になったりリラックスモードに入り過ぎてしまったりすることで起こります。
神経が乱れる原因は、プレッシャーなどの精神ストレスや寝不足などの身体ストレス、加齢や出産からくるホルモン量の変化があげられ、病気の影響やアルコール・ニコチンの過剰摂取も関係しているといわれています。
下記記事では、自立神経失調症の詳しい原因について解説しています。
自律神経失調症の症状をチェックする方法
自律神経失調症の症状をチェックするためには、負担に感じている症状をリストアップし、下記のセルフチェックリストに当てはまっているか確認してみましょう
また、別の疾患の可能性も考えられるので、症状に合わせた詳しい検査を受けることが大切です。
- 突然息苦しさや動悸を感じる
- 十分な睡眠をとっているのに疲労感や倦怠感が消えない
- 便秘、下痢などの不調がある
- 手足がしびれる
- 食欲が湧かない
- 悪夢、金縛りが頻繁に起こる
- イライラするようになった
- 頭痛、めまい、立ちくらみがよく起こる
- 慢性的な肩こり、腰痛が治らない
- なんとなく憂うつな気分が続いている
参考
・セルフメンタルヘルス|厚生労働省
・自律神経失調症|日本臨床内科医会
・自律神経を整えるには。セルフケアを始めよう|大正製薬
自律神経失調症になりやすい人・なりにくい人の違い
自律神経失調症になりやすい人となりにくい人の違いは、ストレス対処能力や生活習慣といわれています。体に負担がかかる生活を送っていると、自律神経が乱れやすくなるので心身の健康を意識することが大切です。
以下では、それぞれの特徴をまとめているのでチェックしてみてください。
自律神経失調症になりやすい人の特徴
- 心配性でストレスやプレッシャーを感じやすい
- 環境の変化や人間関係に敏感で、些細なことでも気にしてしまう
- 睡眠時間や食事の時間がバラバラで、生活リズムが乱れている
- 運動不足で体力がない
- 長時間労働により、身体的・精神的に過度な疲労がある
- 甘いものや高カロリーな食事などにより栄養バランスが偏っている
- 過度の飲酒や喫煙が習慣化している
- 常に疲れを感じているが、回復する時間が取れていない
- 精神的に不安や緊張を感じる機会が多く、リラックスできていない
なりやすい人は、ストレスに対して敏感で、些細なことでも精神的なプレッシャーを感じやすい傾向にあるといわれています。不規則な生活リズムや運動不足、過剰な飲酒などの不健康な生活習慣も、体に負荷を与えるため自律神経失調症につながります。
自律神経失調症になりにくい人の特徴
- ストレスを感じてもすぐに発散できる
- ポジティブ思考なため、困難が起きても冷静に対処する
- 十分な睡眠や健康的な食生活を心がけている
- 適度な運動により体力づくりをしている
- 食事は栄養バランスを意識している
- 疲れがたまった際は、しっかりと休息をとっている
- 趣味をしっかりと充実させることで気分転換ができている
- 質の良い睡眠環境の確保を大切にしている
- 不安や緊張を感じにくく、常にリラックスしている
なりにくい人は、ストレスをうまく管理できたり、規則正しい生活を心がけていたりする傾向にあります。また、ストレスが溜まった際は、休息や気分転換を取り入れることで、身体にかかる負荷を抑えられているようです。
参考
・要チェック!自律神経失調症になりやすいのは女性に多い?|アリナミン製薬
・自律神経失調症|日本臨床内科医会
・自律神経を整えるには。セルフケアを始めよう|大正製薬
・“自律神経”の重要な働きとは? ストレスや加齢との関係も解説|第一三共ヘルスケア
自律神経失調症の治し方
ここでは、自律神経失調症の自宅と病院での治し方について解説します。
自律神経失調症の自宅での治し方
- 睡眠時間を統一して体内時計を整える
- ストレス回復に効果が期待できるビタミンB群やタンパク質を摂取する
- 散歩やジョギングなどの軽い運動を定期的に行う
- 深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法でリラックスする時間を作る
- 質の良い睡眠を確保するために、寝る前のカフェインやニコチンを控える
- 没頭できる趣味を見つける
- ストレスを感じたときは誰かに話す
- 温かいお風呂にゆっくり浸かり、全身の血行を良くする
- 無理をせず、疲れを感じたときは休息をとるようにする
自律神経失調症の病院での治し方
- 薬物療法:症状に合わせて、睡眠薬や抗うつ薬などを処方
- 精神療法:カウンセリングや認知行動療法を通じて、根本原因を解消したり気持ちを整理したりする
- 生活改善:睡眠時間や食事管理、運動など生活習慣改善に向けたアドバイスを実施
- リラクゼーション法の習得:深呼吸法や自律訓練法を身に付けて、緊張の緩和を目指す
下記記事では、詳しい治し方や自立神経失調症が治ったエピソードなどをご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
自律神経失調症が疑われる際の注意点
自律神経失調症かも?と思った際は、自己判断せず専門医に相談することが大切です。症状の慢性化を防ぐためにも、2つの注意点を把握したうえで正しく対処しましょう。
別の疾患の併発に注意
自律神経失調症は、放置をしているとうつ病や睡眠障害、不安障害などを引き起こす可能性があります。自律神経失調症であれば、生活習慣改善やストレス管理で改善が期待できますが、併発していると回復まで時間がかかったり、慢性化しやすくなったりするので適切なアプローチが大切です。
また、「自律神経失調症ではなく他の病気にかかっていた」と判明するケースもあるため、詳しい検査を受けるようにしましょう。
自律神経失調症の症状が気になる際は病院へ
気になる症状がある場合は、速やかに病院へ受診しましょう。病院では問診や身体検査、血液検査、心電図などの結果をもとに判断するため、症状に合わせた適切な治療が受けられます。
また、診断書を発行してもらえるので、療養が必要だったり症状が酷かったりする場合に、会社や学校へ休職・休学を申請して治療に専念できるようになります。
下記記事では、病院で治療を受けるメリットを解説しているので、症状でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
自律神経失調症はなに科に行くべき?
病院では、症状があっても異常がみられない際に自律神経失調症と判断されるため、気になる症状に合わせて受診する科を選択することが大切です。
例えば、不眠や倦怠感、イライラ、意欲低下がある場合は精神科、食欲不振や胃痛、頭痛、肩こりがある場合は内科や整形外科を受診しましょう。
また、不眠からくる頭痛や意欲低下による食欲不振など、身体面精神面の両方に症状が出ている場合は、精神科や心療内科を受診して根本原因を探ると良いです。
下記記事では、症状別に行くべき診療科や治療体験談をまとめています。自分の症状がどの科に当てはまるか分からない方は、ぜひチェックしてみてください。
自律神経失調症で病院に受診する目安
以下のいずれかに該当する場合、自律神経失調症の受診目安といわれています。
- 精神症状(イライラ、抑うつ、倦怠感、落ち込みなど)が2週間続いている
- 食欲不振や暴飲暴食、偏食が2週間続いている
- 睡眠障害(入眠困難、不眠、早朝覚醒など)が2週間以上続いている
上記以外にも、身体症状として頭痛やめまい、動悸などがみられる場合も受診がおすすめです。早めの検査や治療により症状の悪化を防げるので、気になる症状があらわれたタイミングで相談するようにしましょう。
参考
・自律神経の乱れに伴う症状とは? 将来の生活習慣病リスクにもつながる?|第一三共ヘルスケア
自律神経失調症の再発サインを見逃さないようにしよう
自律神経失調症は、ストレスを受けることで再発する可能性があります。治療後は、日常的にメンタル管理や症状チェックをし、再発サインを見逃さないよう意識すると良いです。
自律神経失調症の主な再発サインは、以下のとおりです。
- 寝付けなかったり寝過ぎてしまったりする
- 少し動いただけで動悸がする
- 倦怠感から何事にも意欲が湧かない
- 全身の冷えが気になる
- 手足のしびれが治らない
参考
・セルフメンタルヘルス|厚生労働省
・自律神経を整えるには。セルフケアを始めよう|大正製薬
自律神経失調症の予防方法はある?
自律神経失調症は、十分な睡眠や定期的なストレス発散により予防効果が期待できます。以下では、おすすめの予防法をご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
自律神経失調症の予防法①寝不足には気を付ける
寝不足が続くと、身体が十分に回復できなくなるため、自律神経が乱れやすくなります。
慢性的な疲労から、日中の倦怠感や集中力低下などの悪循環を生み出すので、毎日8時間程度の睡眠を確保するようにしましょう。
また、質の良い睡眠をとるためには、入浴やマッサージをして血行を促進させておくと良いです。
自律神経失調症の予防法②ヨガを取り入れる
ヨガをすると副交感神経が優位になるため、自律神経を整える効果が期待できます。また、体内の空気循環が良くなったり緊張がほぐれたりすることで、心身のリラックスが促されるようです。
1日5分でも継続することで効果が期待できるので、就寝前や入浴後の習慣にしてみましょう。
自律神経失調症の予防法③ストレスが蓄積する前に心療内科・精神科へ相談
ストレスを感じた際は、抱え込まずに心療内科や精神科へ相談することも大切です。
心療内科・精神科では、専門医が客観的に症状を判断するため、ストレス原因に対する適切なアプローチが期待できます。
また、定期的なカウンセリングやメンタルケアにより、心身ともに健康な状態を保てるので、気軽に足を運んでみると良いでしょう。
自律神経失調症でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
新宿うるおいこころのクリニックでは、自律神経失調症の治療に対応しています。
自律神経失調症の症状は幅広く、人によっては睡眠障害や不安障害を併発するケースもありますが、適切な治療を受けることで改善を目指せます。
自律神経失調症になり得るストレスや不安に対するカウンセリングも行っていますので、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
下記では当院で行う自律神経失調症の治療について解説していますので、あわせてご覧ください。
<新宿うるおい心のクリニックが行う自律神経失調症の治療について>
よくある質問
自律神経失調症で休職はできますか?
自律神経失調症によって大きな支障が出ている場合、休職ができる可能性があります。休職期間や措置は症状により異なりますが、休職が必要な場合は治療に専念することが大切です。
自律神経失調症は完治できますか?
自律神経失調症は、適切な治療により完治を目指せます。治療を行う際は、専門医によるサポートが大切となるので、自己判断はせず病院に相談しましょう。