自律神経失調症にかかった場合、症状が軽度のうちに病院へ行くことで慢性化を防げます。また、「自律神経だと思っていたが、実は別の疾患だった」という可能性もあるため、詳しい検査により正確な診断を受けることが大切です。
この記事では、自律神経失調症の診断方法や病院に行くべき目安、治療法について解説します。実際の治療体験談もご紹介するので、症状に悩む方は参考にしてみてください。
目次
自律神経失調症はすぐに治る?
自律神経失調症はすぐ治る疾患ではありません。改善を目指す際は、適切な休息や生活習慣改善を行い徐々に完治を目指すことが大切です。
また、症状を放置していると、慢性化し治りづらくなってしまうため、日常生活に支障をきたしている場合は早めに医療機関に受診すると良いでしょう。
自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、自律神経の乱れにより頭痛や倦怠感、ほてりなどの症状が生じる疾患です。
自律神経とは、副交感神経と交感神経から成り立つ神経のことで、2つがバランスよく機能することで体のコンディションを保っています。自律神経失調症を発症すると、どちらかの動きが活発になったり低下したりするため心身に不調が出るのです。
自律神経失調症の原因
主な原因は、過労や不規則な生活、ホルモンバランスの乱れです。ストレスが原因になることもあり、いくつかの要素が積み重なることで発症するとされています。
自律神経失調症は病院へ行くことで完治・改善できる
病院では、体調や生活習慣について詳しい検査を行った後、適切な治療を施すことで完治・改善を目指せます。症状を放置していると、別の疾患を見逃してしまったり悪化したりする可能性もあるため、不調を感じた際は早めに受診するようにしましょう。
自律神経失調症の診断方法
自律神経の診断を行う際は、問診や血液検査を行います。以下では、診断方法について詳しく解説します。
基本的に明確な診断基準はない
症状の個人差が大きいため、明確な診断基準は確立されていません。病院では、症状に合わせて検査を行い、特に異常がみられなかった場合に自律神経失調症と判断されます。
血液検査でわかる場合がある
血液検査では、特定のマーカーに着目し、正常範囲から外れているか確認することで判断します。検査を通して、鉄不足や血統調整異常を把握できるため、症状によっては血液検査で判断可能な場合があります。
自律神経失調症になりやすい人の特徴
以下の特徴に該当する人は、日常生活において自律神経失調症がみられないか注意してみると良いでしょう。
- ストレスやプレッシャーに弱い
- 完璧主義
- 感情に波がある
- 睡眠不足
- 不規則な生活習慣を送っている
- 常に緊張している
あなたの状態をセルフチェック!自律神経失調症のチェックリスト
以下の症状に複数当てはまる場合、自律神経失調症の疑いがあります。自身はいくつ当てはまるのか確認してみてください。
- 耳鳴りやめまい、立ち眩みがする
- 胸の圧迫感や息苦しさを感じる
- 以前より食欲が落ちた
- 気分が悪くなりやすく吐き気がある
- 下痢や便秘などの不調がある
- 喉がつまっている感じがする
- 手足が冷える
- 疲れやすく、だるさが抜けない
- 顔や手足の多汗がみられる
- 寝ているはずなのに日中に眠い
上記の項目は、自律神経失調症と断定するものではありません。症状に不安がある方は、医療機関へご相談ください。
自律神経失調症で病院に行くべき症状の目安
以下では、病院へ行くべき目安となる代表的な症状をご紹介します。
症状1.起立性調整障害
起立性調整障害は、立ち上がるときにめまいやふらつきを感じる症状です。
自律神経が正常に働かなくなり起立時に血流が低下するため、朝起きられなくなったり立ち眩みが酷くなったりします。
症状2.過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、腹痛や下痢、便秘、ガス溜まりを引き起こす症状です。
ストレスや疲れにより自律神経に負担がかかることで発症するため、検査では異常がみられないという特徴があります。
その他の症状
症状は多岐にわたり、不眠や過呼吸、動悸、耳鳴りなどさまざまな不調がみられます。
「日常生活に支障がある」「辛いと感じる」等でお悩みの場合は、病院に受診するようにしましょう。
自律神経失調症で病院に行くべき理由
自律神経失調症は他の病気と混同しやすい疾患です。
病院に行かずに放置していると、重大な疾患を見逃す可能性もあるため、一度検査を受けることが大切です。
自律神経失調症と間違えやすい病気
自律神経失調症と間違えられやすい病気としては、「仮面うつ病」「心身症」「パセドウ症」があげられます。症状が似ているため混同されがちですが、医師による適切な診断を受けることで早期発見を目指せます。
仮面うつ病
仮面うつ病は、意欲低下や落ち込みなどの症状が出にくく、倦怠感や痛みなどの身体的不調が目立つうつ病です。
検査を行っても原因が特定できず、精神面の症状に気が付くいため、自律神経失調症と間違えられやすいです。
心身症
心身症は、ストレスが身体的な不調として現れる疾患です。
症状は、頭痛や腹痛、倦怠感など様々で、自律神経失調症同様に日常生活で支障をきたすこともあります。
バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンの過剰分泌により起こる自己免疫疾患です。
症状としては、動悸や発汗、体重減少などがあげられ、自律神経失調症と似た症状を引き起こすことがあります。
【症状別】自律神経失調症は何科の病院に行くべき?
自律神経失調症にかかった場合、症状に合わせて診療科を選択すると良いでしょう。以下では、代表的な症状と行くべき診療科について解説します。
【耳鳴り・めまい】耳鼻科
耳鳴りやめまいなどの症状は、耳鼻科での診察がおすすめです。耳鼻科では、メニエ-ル病や突発性難聴の可能性を考慮し、聴力検査や平衡機能検査を行ったうえで判断します。
【動悸・息苦しさ】循環器内科
動悸や息苦しさがある場合、循環器内科での診断がおすすめです。心電図やエコーなどの検査を通じて、心臓の状態を詳しく把握できるため、別の病気の可能性がないか知ることができます。
【肩こり・頭痛】整形外科
肩こりや頭痛は、整形外科での治療がおすすめです。マッサージや電気温熱療法を通して、筋肉の緊張を和らげたり血流を促進したりすることで、症状改善が期待できます。
【胃痛・便秘】消化器内科
胃痛や便秘がある場合は、消化器内科に相談することが大切です。食事管理や薬物療法などを行うことで、原因となる症状の改善を目指せます。
【イライラ・不眠】精神科・心療内科
イライラや不眠がある場合は、精神科・診療内科への受診がおすすめです。精神科・心療内科では、ストレス源に対する考え方を改めたり、心を落ち着かせたりする治療を受けられます。
自律神経失調症になると病院で処方される薬
病院では、主に「抗不安薬」「睡眠導入剤」を症状に合わせて処方します。以下では、それぞれの薬の特徴について解説します。
処方薬1. 抗不安薬
不安や緊張が酷い場合、抗不安薬を処方する場合があります。抗不安薬には、リラックス作用と緊張をほぐす作用があるため、日常生活におけるストレス対処能力を高める効果が期待できます。
処方薬2. 睡眠導入剤
自律神経失調症により睡眠障害を併発している場合、休息を促すために睡眠導入剤が処方されることがあります。
服用することで十分な睡眠を確保することができ、自律神経失調症の改善において欠かせない心身の回復が期待できます。
自律神経失調症なると病院で行われる投薬以外の治療法
以下では、自律神経失調症の投薬以外の治療法をご紹介します。
精神療法
精神療法では、カウンセリングや認知行動療法を通して、原因を特定したりストレスに対する対処法を学んだりします。思考に働きかける治療も行われるため、精神的な症状の改善に効果が期待できます。
新宿うるおいこころのクリニックでは、公認心理師や臨床心理士などの国家資格を持つ専門家が在籍しております。精神科・心療内科のカウンセリングについては、下記記事でも解説しています。
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生活習慣改善
生活習慣改善では、健康的な生活を送るために睡眠指導や運動指導、食事改善を行います。休息に関する指導も行われ、リラックス法やストレス解消法を習得することで、根本的な症状改善を目指します。
オーソモレキュラー栄養療法
オーソモレキュラー栄養療法は、体内に不足している栄養素を食事やサプリメントで補う治療法です。検査では判明しない不調へのアプローチが期待でき、免疫力の強化や心身の回復が促されます。
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ATP Pro
ATP Proは、足りないATPの補給やホルモンバランスの乱れを整えるサプリメントです。効果としては、筋肉の収縮や脳内の酸素量・循環血液量増加が期待できます。
自律神経失調症の治療体験談
以下では、実際に自律神経失調症を治療された体験談をご紹介します。
体験談1.「うつ気分が治った」
自律神経失調症により長年続いていたうつ気分が、オーソモレキュラー栄養療法で栄養補給をすることで改善されたようです。
うつ気分は、栄養不足や生活習慣により悪化しますが、オーソモレキュラー栄養療法と併用して生活習慣指導も行うことで、内側からのアプローチが可能になります。
体験談2.「ただの貧血ではなく自律神経失調症だった」
ただの貧血だと思い放置していた方は、検査を受けた際に自律神経失調症と判断されたようです。
頭痛やめまいなど、貧血と似た症状が出るため見過ごされがちですが、自律神経の乱れにより生じる起立性調整障害の可能性があります。不調を見逃さないためにも、体調に変化がみられる場合は早めの受診がおすすめです。
体験談3.「慢性的な疲れがなくなった」
「寝ているはずなのに眠い」「日中の倦怠感がとれない」など慢性的な疲れで悩んでいた方は、精神科・心療内科で治療を受けたことで改善されたようです。
治療では、薬物療法や精神療法を組み合わせて行い、優位になっている交感神経を抑えることで自律神経のバランスを整えます。オーソモレキュラー栄養療法でも改善が期待できるので、投薬を避けたい方は相談してみると良いでしょう。
体験談4.「休職で治療に専念した」
自律神経失調症と診断された方は、仕事を休職し治療に専念することで完治できたようです。休職の目安は人により異なりますが、日常生活に支障をきたしている場合は休職申請をすると良いでしょう。
体験談5.「朝起きられるようになった」
倦怠感により朝起きられなかった方は、治療を通して睡眠の質が向上し起きられるようになったそうです。睡眠改善をする際は、睡眠環境の整備や体内リズムの一定化を意識することで、症状改善が期待できます。
体験談6.「治ったきっかけは睡眠改善だった」
カフェインを控える、寝る前にリラックスタイムを確保するなどの睡眠指導を実施した結果、慢性化していた自律神経失調症が改善されたようです。
睡眠は免疫機能向上やストレス回復など、自律神経の調整に深いかかわりを持つため、自律神経失調症の改善に大きな効果が期待できます。
自律神経失調症でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
新宿うるおいこころのクリニックでは、自律神経失調症の治療に対応しています。
治療には、薬物療法や精神療法のほかに、投薬不要で副作用もほとんどないオーソモレキュラー栄養療法を採用し、患者様の体質や生活習慣に合わせた治療を行います。
また、「サプリメントを使用したい」「通院の負担を減らしたい」などのご要望に合わせた治療法のご提案も可能ですので、自律神経失調症にお悩みの方はどうぞお気軽にお相談ください。
よくある質問
自律神経失調症は更年期の人しか発症しませんか?
自律神経失調症は年齢にかかわらず発症する疾患です。
自律神経失調症の症状にイライラはありますか?
症状の一つとして、イライラや感情の起伏などの精神症状がみられる場合があります。精神症状は、精神科・心療内科で治療可能ですので、ぜひお近くのクリニックへご相談ください。