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MentalColumn

メンタルコラム

2025.1.20

適応障害は他の精神疾患の前触れになる?違いや共通した症状、関係性とは

適応障害は他の精神疾患の前触れになる?違いや共通した症状、関係性とは

特定のストレスにより心身に不調をきたす適応障害。
仕事にストレスを感じていたり、生活環境の変化があったりすることから適応障害と診断される人も多いですが、実は他の精神疾患の前触れであるケースも少なくありません。

そこでこの記事では、悩まされている症状の名前を知りたい方向けに、共通する症状を持つ精神疾患やその違い、関係性についてお伝えします。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

適応障害は他の精神疾患の前触れとして現れる可能性があります

適応障害は他の精神疾患の前触れとして現れる可能性があります

ストレスに対応できないことで心身に不調をきたす適応障害は、他の精神疾患の前触れとして現れることがあります。
例えば、無力感や絶望感に悩まされている場合、単なる適応障害ではなくうつ病の兆候として出現している可能性も少なくありません。
また、適応障害が慢性化すると、うつ病や不安障害などの精神疾患を引き起こすケースもあるので、適応障害に近い不調がみられた段階での治療を心がけましょう。

適応障害とは

適応障害とは、特定のストレスに過剰に反応し、心身にさまざまな不調をもたらす精神疾患です。
きっかけは人によって異なりますが、結婚や出産などのライフイベントや仕事でのストレス、家庭内での問題から生じることが多いといわれています。
また、ストレス源の消失により回復する傾向にありますが、抑うつ気分や不眠といった他の精神疾患と共通している症状も多いので、うつ病などと断定できない際に適応障害と診断されるケースもあります。

適応障害の詳しい解説は、下記記事をご確認ください。

適応障害と似ている精神疾患

適応障害と似ている精神疾患

ここでは、適応障害と似た症状を持っている代表的な精神疾患の特徴と違いについて解説します。

うつ病

うつ病は、脳の機能異常により気分の落ち込みや意欲低下、食欲不振などが長時間続く精神疾患です。
発症にはストレス要因だけでなく、脳の機能異常が関係していると考えられており、再発リスクも高いといわれています。
また、症状の現れ方や重症度はさまざまで、中には気付きにくいケースもあるため、自覚症状はあるものの軽度のうつ状態として見逃してしまう人もいるようです。

共通する症状

適応障害とうつ病は、気分の落ち込みや不安、無力感が共通してみられます。また、エネルギーの欠如により、不眠や食欲低下、集中力の欠如などの身体的不調も現れます。
検査をして適応障害と診断された場合でも、上記の症状が長引くことでうつ病に発展することもあるため、ただの疲れと思わず病院へ相談すると良いです。

適応障害とうつ病の違い

適応障害は、特定のストレスがきっかけで発症する精神疾患です。一方うつ病は、極度のストレスからくる脳の機能低下のほかにも、脳の機能異常や身体的要因により発症するといわれています。
具体的には、適応障害は明確な発症原因があるため、ストレス源から距離をおくことで回復を目指せます。一方、うつ病の場合は原因が明確でないことも多く、ストレスや生活環境など複数の要因が影響を及ぼすので、一度発症すると回復までに時間がかかるようです。

うつ病について知りたい方は、下記記事をご確認ください。

不安障害

不安障害は、過度な不安や恐怖を感じると、パニック発作や脅迫行為といった症状が出てしまう精神疾患です。
適応障害と同様に、外的なストレス要因や環境が影響を与えることがあり、人前に出るとパニックになったり満員電車で突然発作を起こしたりする症状に悩まされます。
不安障害は、認知行動療法で思考を変えていくことで改善を目指せますが、症状が長期化すると日常生活に支障をきたすようです。

不安障害について知りたい方は、下記記事をご確認ください。

共通する症状

適応障害と不安障害は、強い不安や緊張に囚われる、物事を考えすぎてしまう、自己肯定感が下がるといった症状が共通してみられます。また、不安障害でみられる集中力の低下や睡眠障害などの症状も似ています。
社会不安障害で悩まされている場合、人混みや人前など特定の環境に反応して症状が出る点や、恥ずかしい思いや不安を感じたことによるストレスから発症する点が似ているようです。

適応障害と不安障害の違い

適応障害はストレスが原因ですが、不安障害は明確な原因が分かっておらず、ストレス以外にも複数要因が重なり発症に至るという違いがあります。
また、適応障害はストレス源から離れることで改善しますが、不安障害は不安を起こす思考自体を変えないと治らないという違いがあるようです。

気分変調症

気分変調症は、軽い抑うつ症状が慢性的に長期間続く状態のことです。暗い気分が続き、不眠や集中力の低下などの症状もみられますが、日常生活は送れるため多く自覚しにくいといわれています。
また、病気ではなく性格の問題だと捉えている人も存在し、
「これが普通だ」
「性格だからつらくても仕方ない」
と思い込んでしまうこともあるようです。

共通する症状

適応障害と気分変調症は、意欲低下や無力感、疲労感などの共通した症状がみられます。
適応障害はストレス源に触れていなければ元気でいられる点、気分変調症は軽度の症状が長期間続いているため性格だと囚われやすい点から、周りから気付かれにくいことも似ているポイントです。
また、どちらの症状も自己評価が低くなる傾向にあり、自分を責めたり抱え込んだりしがちといわれています。

適応障害と気分変調症の違い

適応障害は特定のストレスから離れることで気分が回復しますが、気分変調症では常に気分の落ち込みを感じる状態が長期間にわたって続きます。
気分変調症は軽度の症状が続くため、頑張れば日常生活を送れてしまうことも異なる点としてあげられます。
また、長期にわたる抑うつ状態は慢性的に発症し続けることから、病気だと気が付きにくく治療が遅れる人も多いようです。

広場恐怖症

広場恐怖症は、逃げられない場所や助けを求められない場所に対して強い恐怖を感じる精神疾患です。
例えば、人混みや満員電車、エレベーターなどを利用する際に恐怖を感じる場合が多く、苦痛から逃れるために特定の場所を避けるようになります。
また、恐怖を感じるとパニック発作を起こすことも特徴で、発作の際は動悸や息切れ、めまいなどの症状が伴います。

共通する症状

適応障害と広場恐怖症は、どちらも特定の状況に対して強い不安や恐怖を感じる点が共通しています。環境変化に敏感でストレスからさまざまな不調が現れることも似ているポイントです。
また、どちらも不安が強くなると動悸やめまいなどの身体症状が伴うことがあり、外出が怖くなったり日常生活の中で避けるべき状況が増えたりします。

適応障害と広場恐怖症の違い

適応障害は、職場や引っ越し先での人間関係などで生まれたストレスが原因となる一方で、広場恐怖症は満員電車やエレベーターなどの場所で感じるストレスが原因となります。
例えば、広場恐怖症でエレベーターが苦手な場合、職場に限らずどのエレベーターに乗っても恐怖を感じてしまうため、休日の行動が制限されたり家から出られなくなったりします。

発達障害にも適応障害と似ている部分がある

発達障害にも適応障害と似ている部分がある

発達障害に関しても、適応障害と似ている部分があるといわれています。例えば、適応障害でおこる特定のストレス源への拒否反応は、発達障害でも起こり得るものです。特性によるコミュニケーション難や作業ミスがストレスとなり、仕事に行きたくないと感じたりストレスになる環境を避けたりすることがあります。
また、適応障害に至る要因として発達障害が影響しているケースもあるので、抱える悩みと向き合いながら原因を探っていくことが大切です。

発達障害と適応障害の違い

発達障害と適応障害は、発症原因が大きく違います。発達障害は、生まれつきの脳の機能的な障害が原因と考えられています。一方、適応障害は生活の中で感じたストレスが影響するため、生まれた段階での脳の機能的な障害はみられないのです。
また、適応障害はストレス源に対する苦痛から、発達障害は特性に起因する日常・社会生活の困難さから、それぞれの症状が生じているという違いがあります。

発達障害について知りたい方は、下記記事をご確認ください。

適応障害と性格の違い

適応障害と性格の違い

適応障害は、環境から生まれたストレスに適応できないことで生じる精神的な問題です。一方、性格は生まれつきや家庭環境、人生経験に影響を受けて時間をかけて形成されるものです。
以下では、適応障害の症状と混同されやすい性格の違いについて解説します。

適応障害と怠けの違い

適応障害と怠けは、何もする気が起きない点が似ています。
しかし、適応障害は精神的ストレスにより動きたくても動けない一方で、怠けでは元気はあるのに自主的に行動を避けたり、先延ばしにしたりしているという違いがあります。
怠けであれば、自分の意思を変えることで簡単に改善できますが、適応障害は精神的な問題のため専門的な治療が大切です。

適応障害と繊細の違い

適応障害と繊細は、悪いことを考えすぎてしまう点で似ています。
適応障害の場合、対象は特定のストレス源に限定されており、精神的な負荷がかかることでネガティブな状態になっています。一方、繊細な性格の場合、気分は明るくても無意識に考えすぎるため、ストレスの有無にかかわらず出来事全般に対して過度に反応することが特徴です。

適応障害か他の精神疾患か分からない場合は新宿うるおいこころのクリニックにお越しください

今回は、適応障害と他の精神疾患との関係性や違いについて解説しました。
適応障害は、他の精神疾患の前触れとして現れることがあり、うつ病などに発展する可能性もあるので早期治療が大切となります。
また、性格と症状が混同されることもありますが、性格ではなく適応障害が原因で苦痛が生じているかもしれないので、仕事やプライベートでの悩みから不調を感じる方は病院へ相談してみましょう。

適応障害か他の精神疾患か分からない場合は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
医師の診察や公認心理士のカウンセリングにより、根本原因を探れたり気持ちを整理できたりします。原因が判明しない場合でも、症状に合わせた治療提案が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

<適応障害の治療について詳しく知りたい方はこちら>

よくある質問

適応障害になりやすい人の特徴を教えてください

適応障害になりやすい人は、過度にストレスを感じやすい、自己肯定感が低い、完璧主義や責任感が強い人が多いといわれています。また、環境の変化や人間関係のトラブルに対して敏感な人もなりやすいようです。

ADHDと適応障害に違いはありますか?

ADHDは生まれつきの脳の機能障害からくる問題に対し、適応障害はストレス源に対する苦痛から生じる精神的な問題という違いがあります。
イライラや集中力低下などの似た症状もみられますが、ADHDは「脳の問題からイライラしてしまう」、適応障害は「精神的負荷がかかりイライラしてしまう」という症状に至る背景が違います。

2025.1.20

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20歳未満の方へ
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当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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