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うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは?それぞれの症状や特徴をチェック

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは?それぞれの症状や特徴をチェック

うつ病と双極性障害(躁うつ病)には、それぞれ明確な違いがあります。
しかし、違いについてよく分かっておらず、症状や特徴が混同して見分けがつかない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の特徴や原因、症状から違いについて解説します。それぞれの診断基準や治療法も説明しているので、違いを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは

うつむいた女性
うつ病と双極性障害(躁うつ病)は、どちらも気分の落ち込みや意欲低下があらわれる精神疾患ですが、症状には明確な違いがあります。
うつ病は、長期間にわたりうつ状態が続くことが特徴です。一方、双極性障害(躁うつ病)では、躁状態とうつ状態を繰り返したり感情の起伏がみられたりします。また、双極性障害(躁うつ病)の躁状態は人によって差が大きく、一見躁状態だと分からないような調子が良い状態として出現するケースがあることも特徴としてあげられます。

双極性障害(躁うつ病)では躁状態がみられる

双極性障害(躁うつ病)は、気分が激しく高揚する躁状態がみられることが特徴です。
躁状態になると、自分を過大評価し「なんでもできる」と思い込むため、過度な浪費やギャンブルなどの無謀な行動をとったり、睡眠をとらず働き続けたりする傾向にあります。
また、攻撃性や衝動性が増すためトラブルも増えますが、本人は躁状態に気付かず正常な行動だと思い込むケースが多いようです。

双極性障害(躁うつ病)は診断が難しい

双極性障害(躁うつ病)の患者の多くは、鬱状態に悩まされて受診するケースが多いため、躁状態は見逃されやすく診断が難しいといわれています。
また、躁状態は自覚しにくく、うつ状態が回復したと勘違いしてしまう傾向にあります。周囲から「普段と何か違う」「様子がおかしい」などと指摘された場合、回復したのではなく躁状態に陥っている可能性があるので、元気だと思っても病院へ受診すると良いでしょう。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の特徴の違い

ベッドで寝込んでいる女性
ここでは、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の特徴から違いを解説します。それぞれには明確な特徴があり、現れる症状や困難に思う場面も違う点があるので、自身の症状と照らし合わせながら確認してみましょう。

うつ病は長期間続くうつ状態に悩まされる

うつ病の大きな特徴は、長期間にわたり深い抑うつ状態が続くことです。日常的に気分が落ち込むため、好きなことに対しても興味を失ったり、自己評価が低くなり自己嫌悪に陥ったりする傾向があります。
また、判断力や集中力の低下や睡眠障害、食欲不振、過度の疲労感がみられることも特徴で、ベッドから起きられない日もあるようです。症状は長期間続き、治療を受けずに放置すると悪化を招くと言われています。

双極性障害(躁うつ病)は繰り返される躁状態とうつ状態に悩まされる

双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態が交互に現れることが特徴です。躁状態では気分の高揚がみられ、過度な自信や衝動的な行動などをとるようになります。躁状態が過ぎると、気分が極度に落ち込むうつ状態があらわれ、普段通りの日常生活が送れなくなるといわれています。うつ状態と躁状態は繰り返し何度も出現しますが、症状は個人差があり躁状態が分かりにくい人もいるようです。

双極性障害(躁うつ病)はうつ病と違い気分の高揚がみられる

うつ病になると常に気分が落ち込んでいますが、双極性障害(躁うつ病)では気分の高揚がみられます。気分の高揚がみられる場合、うつ状態が治ったのではなく躁状態に入っただけであり、放置によりトラブルを引き起こす可能性が高まるといわれています。
しかし、症状による楽観的な思考や自己肯定感の高まりから、自身が陥っている状態に気が付かない人も多いとされており、元気になったと思い込み助けを求めないケースが多いようです。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の原因の違い

男女が話をしているシルエット
以下では、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の原因の違いについて解説します。

うつ病の原因

うつ病は、環境によるストレスが原因となりやすいと考えられています。
例えば、失業や離婚、パートナーとの死別、妊娠によるストレスなどの要因があげられ、人によりきっかけとなる出来事は様々です。
また、仕事熱心、完璧主義、几帳面などの性格、がんや糖尿病といった慢性的な身体疾患、妊娠出産・加齢に伴う内分泌変化なども原因になり得るようです。

双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害(躁うつ病)の明確な原因は判明していませんが、何らかのストレスが引き金になると考えられています。
例えば、仕事に追われていて深夜まで働き詰めだった、友人が亡くなったなどの負荷のかかる出来事のほか、海外旅行による昼夜逆転などもきっかけとなる可能性があります。
また、双極性障害(躁うつ病)を引き起こす特定の遺伝子はないといわれていますが、発症にかかわるストレス耐性は遺伝的な影響もあるようです。下記記事も併せてご覧ください。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の症状からみる違い

部屋の片隅でうずくまっている女性
以下では、気分の落ち込みや激しい高揚といった主な症状から、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いを解説していきます。

うつ病の症状「常に疲れていて何をしても楽しめない」

うつ病では、常に疲れていて、日常的にエネルギーが欠乏しているように感じます。エネルギーが不足することで、仕事や趣味、家事など普段の活動に対して興味を失い、何をしても楽しめなくなるようです。
また、自己否定感が強まることから、悲しみや無力感が強くあらわれて、将来に対する希望を感じられなくなるといわれています。過度な眠気や不眠、食欲不振、全身倦怠感なども見られる傾向にあり、通常の日常生活が送れなくなるようです。

双極性障害(躁うつ病)の症状「自信が満ち溢れてなんでもできる」

双極性障害(躁うつ病)では、躁状態に入るとエネルギーが急激に増し、自分に対する評価が異常に高くなるようです。問題を無視して衝動的に動く傾向があり、周囲の人とトラブルを起こしたり衝動買いを繰り返したりするといわれています。
一方、うつ状態になると抑うつ気分などの症状がみられ、活動意欲が低下して何もする気力がなくなります。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の診断基準の違い

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の診断基準の違い

うつ病と双極性障害(躁うつ病)では、診断基準にもそれぞれ違いがあります。

うつ病の診断基準

うつ病の診断基準は、アメリカ精神医学会のDSM-5に基づいています。診断には、少なくとも2週間続く症状として気分の落ち込みや興味の喪失が含まれ、症状が1日中続いていることが基準として定められています。
また、話し方や動作が遅くなった、死ぬことを考える、眠れない、集中力の低下などの症状がほとんど毎日続いていることも、うつ病の診断基準を満たす症状のうちの一つです。

参考文献
・うつ病ABC|大塚製薬株式会社

双極性障害(躁うつ病)の診断基準

DSM-5 による双極性障害(躁うつ病)の診断基準では、現在又は過去に存在していた躁病・軽躁病・抑うつの症状から、双極性障害の詳しい診断をしていきます。
症状には、気分の異常な高揚や活動の増加があげられ、通常状態ではない高ぶりがみられることが診断基準として設けられています。

参考文献
・日本うつ病学会診療ガイドライン双極性障害(双極症)2023|日本うつ病学会

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の治し方・治療法の違い

元気がない女性
うつ病と双極性障害(躁うつ病)を治す際は、各病状に合う治療法を選択することが大切です。以下では、それぞれの治し方・治療法を説明するので、違いと特徴をみていきましょう。

うつ病の治し方・治療法

うつ病の治療では、症状に合わせてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や抗不安薬を使用したり、認知行動療法や対人関係療法などの精神療法で思考面にアプローチを行ないます。
また、薬物療法と精神療法のほかに、休養と環境調整が大切といわれています。無理をせず心と体を休ませながら治療を進めていくと、負担のない回復が目指せるようです。

うつ病の治し方・治療法について詳しく知りたい方は、下記記事をチェックしてください。

双極性障害(躁うつ病)の治し方・治療法

双極性障害(躁うつ病)の治療は、うつ病とは異なり、躁状態と抑うつ状態の両方にアプローチすることが大切です。
治療では、気分安定剤や抗精神病薬を用いた薬物療法により気持ちを落ち着かせたり、疾患についての理解や問題解決を図る心理社会的治療を用いたりして回復を目指します。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)に悩まされたら病院へ

女性医師のイメージ

うつ病や双極性障害(躁うつ病)は、症状が長期間続く傾向にあり、放置していると生活全般に深刻な影響を及ぼすといわれています。症状は、自己判断での改善が難しいケースが多いため、早期に専門的な治療を受けることが大切です。
受診することで、自分でも気が付かないストレスに気付いたり、自分に合う治し方を知れたりするきっかけにもなるので、症状に悩まされたら病院へ行きましょう。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)は精神科・心療内科に相談

精神科や心療内科では、医師が症状に合わせて適切な薬物療法やカウンセリングを提供します。
治療では、再発防止に向けたアプローチも図れるため、再発による悪化の心配をできる限り減らせるでしょう。また、精神的な症状だけでなく、不眠や倦怠感などの身体症状の根本原因の解消も目指せるので、総合的な回復が期待できます。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)でお悩みの方は、新宿うるおいこころのクリニックにご相談ください

新宿うるおいこころのクリニックでは、うつ病と双極性障害(躁うつ病)の診断・治療に対応しています。
何が原因で症状が現れているか分からない場合でも、進行具合に応じた治療提案により一人ひとりに合わせた症状改善を目指せます。
うつ病や双極性障害は、症状や特徴に違いがありますが、どちらも心身の負担を最小限に抑えながら無理せずゆっくり休むことが大切です。
新宿うるおいこころのクリニックでは、患者様の不安を減らすため「副作用が怖い」「通院負担を減らしたい」などのご要望にも柔軟に対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

<うつ病の治療についてはこちら>
<双極性障害(躁うつ病)の治療についてはこちら>

よくある質問

うつ病と双極性障害(躁うつ病)はどちらも放置してはいけませんか?

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の症状がみられた場合、どちらも放置してはいけません。放置すると日常生活や仕事が手につかなくなったり、悪化して極端な行動を引き起こしたりする可能性が高まります。また、再発リスクも増えて治りづらくなるともいわれているため、放置せず早めに治療を受けましょう。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)は精神科や心療内科で診断できますか?

うつ病と双極性障害(躁うつ病)は、精神科や心療内科で診断を受けられます。診断では、カウンセリングを通じて症状や病歴を確認したり、血液検査を通して他に異常がないか検査したりします。

うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いとは?それぞれの症状や特徴をチェック

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20歳未満の方へ
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当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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