コロナウイルスに感染後、後遺症に長時間悩まされている場合は、医療機関での適切な治療が大切となります。治療法は様々ですが、中には「本当に治るのか不安」「後遺症なのか判断できない」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、コロナ後遺症の治療の目安や治し方、対策について解説します。症状に不安がある方や、治療法を知りたい方は参考にしてみてください。
コロナウイルスに感染後、後遺症に長時間悩まされている場合は、医療機関での適切な治療が大切となります。
治療法は様々ですが、症状に合わせてTMS治療と呼ばれる最新治療が採用されることもあります。また、治療と並行して自宅で対策を講じることで、回復が促されます。
この記事では、コロナ後遺症を治療する目安や治し方、対策について解説します。
目次
コロナ後遺症とは
コロナ後遺症は、新型コロナウイルス感染症の完治後に、疲労感や関節痛、味覚症などの症状が現れることです。通常、後遺症がみられても時間とともに改善しますが、一部の人の中には長期化したり新たな症状が出現したりするケースもあります。
原因は明確に判明していませんが、免疫系の異常といわれており、感染の重症度や年齢にかかわらず発症するといわれています。
コロナ後遺症として考えられるブレインフォグとは
ブレインフォグとは、頭の中に霧がかかったようにぼんやりしてしまい、思考や記憶力などが低下する状態のことです。コロナウイルス感染症の回復者の中には、ブレインフォグを経験する人も存在し、考えがまとまらなくなったり物事を思い出せなくなったりなどの症状に悩まされています。
ブレインフォグの治療法などについては、下記記事をご覧ください。
コロナ後遺症は治療するべき?
一般的に、コロナ後遺症は自然に回復する傾向にありますが、症状が長引く場合や日常生活に支障をきたしている場合は、クリニックに相談し適切な治療を受けると良いでしょう。
症状を放置していると、心理的ストレスからうつ病に発展したり、別の疾患を併発する要因になったりすることが考えられます。
また、自己判断でコロナ後遺症だと思っていたものが、実は違う病気のサインである可能性もあります。大きな病気を未然に防ぐためにも、少しでも不安を感じる場合は早めに相談することがおすすめです。
コロナ後遺症の治療の目安
コロナウイルスの発症から3カ月後かつ、後遺症と疑われる症状が2カ月以上続いている場合は、医療機関への受診が推奨されています。
後遺症と疑われる症状は以下のとおりです。いずれかの症状のうち、日常生活に影響が出ているものがある場合は、専門医へ相談するようにしましょう。
- 息苦しさ、咳、動悸
- だるさ・倦怠感、頭痛、浮遊感のあるめまい
- 不眠、気分の落ち込み、思考力低下
- 毛髪の脱毛、その他の皮膚症状
- 目がぐるぐる回るめまい、嗅覚障害 味覚障害
参考文献
・新型コロナウイルス感染症の後遺症受診チェックシート|埼玉県
コロナ後遺症の治療の対象者は?
治療の対象者は、新型コロナウイルス感染症患者で、少なくとも2カ月以上症状が持続し、症状が他の疾患によるものと説明がつかない人です。後遺症が原因ではない場合は、疾患や症状に合わせた治療が行われます。
【症状別】コロナ後遺症以外で考えられる疾患
症状によっては、別の疾患が原因となり発症している可能性も考えられます。以下では、コロナ後遺症の代表的な症状と考えられる別の疾患について解説します。
倦怠感「自立神経失調症」
自立神経失調症は、自律神経のバランスが乱れることで体に様々な不調をもたらす疾患です。ストレスや生活習慣の乱れにより、めまいや倦怠感、頭痛、疲れ目などが起こりますが、コロナ後遺症でみられる倦怠感と混同されやすいです。
自立神経失調症の原因や症状について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
頭痛「片頭痛」
片頭痛は、血管の拡張によりズキズキとした頭痛が起こるものです。睡眠不足や気圧の変化、ストレスが原因で起こり、症状が酷いと動けなくなるほどの痛みが出現します。
頭痛のほかにも、光や音に対する過敏、吐き気などの症状も伴い、コロナ後遺症で起こる頭痛と似ているため間違えられやすいです。
息切れ・動悸「不安障害」
不安障害とは、日常生活において過度な不安や恐怖を感じ、息切れや動悸などの発作が起こる精神疾患です。
コロナの後遺症では、ウイルスが肺や心臓へ影響することで息切れが起こりますが、不安障害はストレスや不安が原因となり突然発症します。
不安障害には、「パニック障害」「強迫性障害」「社交不安障害」「広場恐怖症」の4つがあり、それぞれ特徴が異なります。詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
脱毛「脱毛症」
脱毛症は、免疫系の異常やホルモンバランスの乱れにより生じます。
コロナ後遺症で起こる脱毛は、高熱やストレスによるヘアサイクルの乱れで起こり、症状としては全体的に抜け毛がみられるケースがほとんどです。
中には円形脱毛症がみられる方もいますが、局部的な抜け毛や頭皮の炎症等に悩まされている場合は、別の脱毛症の可能性があります。ウィルAGAクリニックでは、脱毛症の詳しい検査を行っています。症状に不安がある方は、ぜひ一度無料カウンセリングへお越しください。
味覚・嗅覚の障害「風邪」
コロナ後遺症で起こる味覚・嗅覚障害は、風邪などの一般的な感染症でも起こります。
風邪の場合、鼻やのどに炎症を起こすことが原因のため、味覚・嗅覚障害以外に鼻水やのどの痛み、咳がみられます。発熱や倦怠感も伴っている場合は、一般的な感染症である可能性が高いです。
咳が続く「気管支喘息」
気管支喘息とは、空気の通り道である気道が炎症を起こし、咳や呼吸困難などの発作を引き起こす疾患です。炎症が起こるとわずかな刺激に対しても敏感になり、肺からゼーゼーという音、息苦しさ、大きな咳などの症状がみられます。
コロナ後遺症が原因となり、気管支喘息を併発することもあるため、症状に心当たりがある場合は呼吸器内科への受診がおすすめです。
関節痛・筋肉痛「慢性疼痛」
慢性疼痛とは、長期間にわたり不快感や持続的な痛みを覚える症状のことです。
コロナ後遺症で生じる関節痛や筋肉痛は、ウイルスの侵入により起こるものですが、慢性疼痛は検査をしても原因が分からないことが特徴です。
コロナ後遺症の治療までの流れ
コロナ後遺症の治療までの流れは以下のとおりです。
- 予約
完全予約制のため、公式HPより事前にご予約をお願いします。 - 県・県医師会のHPを確認
コロナ後遺症でお困りの場合は、まずは県・県医師会の公式HPからコロナ後遺症に関するチェックシートを確認しましょう。 - 新型コロナ外来から診療科を選択
かかりつけ医がない場合は、新型コロナ外来リストから症状に該当する診療科を受診します。 - 治療開始
新型コロナ外来での詳しい検査後、コロナ後遺症と判断されたら後遺症への治療が行われます。
参考文献
コロナの後遺症における治療方法
コロナ後遺症では、身体面・精神面の症状でそれぞれ異なる治療が行われます。
身体面での治療
息切れや頭痛、咳などの身体面での症状は、薬物療法やリハビリ、酸素療法が用いられます。
症状の程度によって治療法は異なるため、定期的に検査を受けたり別の疾患の疑いを考慮したりすることが一般的で、医師の指示に従い治療をすすめていくことが大切です。
また、神経機能回復を目的として、足りない栄養素を補うオーソモレキュラー栄養療法を導入する場合もあります。
精神面での治療
不安やうつ、PTSDなど精神面での症状がみられる場合は、カウンセリングや心理療法、薬物療法などが行われるほか、脳に刺激を送るTMS治療が用いられるケースもあります。
また、睡眠や食事、運動などの健康管理や、リラックス法の導入などの生活習慣指導も治療として行われます。
コロナ後遺症への効果が期待されるTMS治療とは
TMS治療とは、頭部に磁気刺激を与えることで脳の働き正常に戻す治療法です。うつ病やパーキンソン病など疾患に対して効果が認められていますが、最近ではコロナ後遺症にも応用されています。
コロナ後遺症に期待できる効果
コロナ後遺症の影響により、異常をきたしている神経細胞に刺激を与えることで、記憶障害や過剰なストレス、慢性疲労の回復効果が期待できます。該当する症状としては、ブレインフォグや慢性疲労症候群があげられますが、中でもうつ症状を伴うコロナ後遺症に有効とされ、脳内のバランスを整えることにより症状が緩和するといわれています。
メリット
TMS治療の代表的なメリットは、以下のとおりです。
- 副作用がほとんどない
- 外科手術と違って傷が付かない
- 治療時間が短い(1回あたり約30分)
- 痛みがなく体への負担が少ない
デメリット
TMS治療で考えられるデメリットは、以下のとおりです。
- 症状によっては通院回数が多くなる
- 一時的なものだが、治療中に頭部に不快感を覚えることがある
- 治療を行えるクリニック数が少ない
- 保険適応範囲が狭く、全額自己負担での治療となる
新宿うるおいこころのクリニックでのTMS治療について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
コロナ後遺症の自宅でできる対策
クリニックでの治療以外にも、自宅でできる対策をすることで症状が回復する可能性があります。おすすめの対策を5つご紹介するので、参考にしてみてください。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠は、免疫力や神経系の回復、筋肉の緊張緩和、成長ホルモンの生成など、体調を整えるうえで大切な役割を担っています。
慢性的な睡眠不足に陥っていると、自律神経の乱れが生じ身体のバランスが崩れるため、後遺症の一つである疲労感や倦怠感が悪化する可能性もあります。
回復を促すためには、1日に7~8時間程度の十分な睡眠時間を心がけ、しっかりと体を休めるようにしましょう。
就寝前のスマホ使用を控える
スマホの画面に使用されるブルーライトを就寝前に見ると、メラトニンというホルモンの分泌抑制につながります。通常、メラトニンの分泌量が増えることで睡眠を促しているのですが、スマホ使用によって分泌量が減少すると、睡眠と覚醒の体内リズムが乱れるため睡眠不足に陥りやすくなるのです。
また、スマホから受ける情報や刺激が、脳を興奮させてリラックス状態を作りづらくすることもあります。質の良い睡眠をとり十分に回復させるためには、就寝前はスマホ使用を控えるようにしましょう。
食生活に気を付ける
コロナ後遺症は、ウイルス感染や悪い生活習慣により増加する「活性酸素」が原因の一つとも考えられています。後遺症を改善させるためには、活性酸素に対抗できる抗酸化作用を持つ食事を意識すると良いかもしれません。
抗酸化作用を持つ代表的な食材は以下のとおりです。栄養バランスを考慮する際の参考にしてみてください。
抗酸化作用がある栄養素 | 抗酸化作用を持つ食材 |
ビタミンA | 人参、南瓜、ほうれん草 |
ビタミンC | ピーマン、カリフラワー、キウイ |
ビタミンE | アーモンド、魚介類、アボカド |
リコピン | トマト |
大豆イソフラボン | 大豆 |
カテキン | 緑茶 |
定期的に日光を浴びる
気分を明るくしたり、睡眠の質を向上させたりするセロトニンは、日光に浴びることで分泌が促されます。
体調が悪いときは自宅にこもりがちですが、カーテンや窓を閉める行為は気分が沈む原因になるため、定期的に日光を浴びてリフレッシュさせると良いでしょう。
気分転換をする
後遺症により落ち込んでいるときこそ、気分転換を意識して取り入れると良いです。
自分の好きなことをすることで、ストレスや不安から解放されたり、前向きな気持ちになれたりします。また、友達や家族とのコミュニケーションも大切で、対話を通して別のことに意識を向けると、悪い妄想が減ったり心が和らいだりするきっかけになるでしょう。
新宿うるおいこころのクリニックでは、コロナ後遺症のTMS治療が可能です
新宿うるおいこころのクリニックでは、コロナ後遺症による症状のTMS治療を行っております。
治療では、お客様の症状に合わせてアプローチ法を調整することにより、短期間で高い効果が期待できる施術が可能です。また、「脳への影響が怖い」「薬物療法を避けたい」などの心配ごとにも丁寧にお応えし、不安を最小限に抑えた治療を提供いたします。
ご予約は、公式HPやLINEから24時間承っておりますので、治療に少しでも興味のある方はお気軽にカウンセリングへお越しください。
よくある質問
TMS治療以外のコロナ後遺症治療はありますか?
うつ症状や不眠がみられる際は、ご要望に合わせて薬物療法やオーソモレキュラー栄養療法を導入しております。症状を詳しく検査したうえで治療方針を定めますので、ぜひ一度カウンセリングへお越しください。
TMS治療は頭に悪い影響がありますか?
TMS治療による頭への悪い影響はないとされています。不安な方は、医師にご相談ください。