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メンタルコラム

統合失調病の人にしてはいけないこと7選!悪化を防ぐための対応策とは

統合失調病の人にしてはいけないこと7選!悪化を防ぐための対応策とは
身近な人が統合失調症になった場合、接し方が分からず悩む方も多いはず。
助けてあげたいと思うかもしれませんが、ストレスや不安を感じやすくなっているため、良かれと思ってした行動が逆効果になってしまう可能性もあります。そこでこの記事では、統合失調症の人にしてはいけないことについて解説します。患者の状態や症状、再発リスクの高い環境も知れるのでぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

目次

統合失調症を治すためには無理をしてはいけない

統合失調症を治すためには無理をしてはいけない

統合失調症を治す際は、焦って治療を進めたり頑張り過ぎたりしてはいけません。無理をするとさらなるストレスが蓄積し、症状の悪化リスクを高めます。
また、回復スピードは人によって異なるため、治療が長期化することは一般的です。長い治療の中で無理を続けると、本人だけでなく周りの人間も疲れ果ててしまうので、心身の健康を第一に考えることが大切です。
安心できる環境を整え、体を休めながら治療を続けると徐々に回復していくので、焦らずそれぞれのペースで症状に向き合うようにしましょう。

統合失調症を治すためには周りのサポートが大切

統合失調症を治す上で、周りのサポートは大切です。例えば、症状により不安を感じる場合は頼れる人に相談することで冷静になれたり、気分を落ち着けたりするきっかけになります。
また、
「一緒に外出をする」
「趣味を楽しむ」
「早寝早起きに協力する」
など日常生活を送るための手助けをするだけでも、本人にとって大きな支えとなるので必要に応じてサポートすると良いでしょう。

統合失調症でしてはいけないことを理解しないと悪化・再発することも

統合失調症の人を支える際は、回復にあたりしてはいけないことを理解しておきましょう。
例えば、自己判断で薬を中断すると症状が悪化する恐れがあります。また、生活リズムを乱したり不規則な生活を続けたりすることは、心のバランスを乱す原因になるようです。
中には、患者自身での自己管理が難しい行動も存在するため、周りが治療の大切さを理解しておくと良いでしょう。

統合失調症と薬の関係については、下記記事でも詳しく解説しています。

統合失調症患者の状態や症状を知っておこう

統合失調症患者の状態や症状を知っておこう

統合失調症患者にしてはいけないこと7選をご説明する前に、統合失調症患者の状態や症状について詳しくご説明します。

患者の精神状態や症状を知っておくことで、病気への理解が深まり適切な対応をとれるようになります。異変が生じた際も早期対応できるので、以下で解説する状態や症状について知っておきましょう。

体験したことのない不安に襲われている

被害妄想や幻覚・幻聴などの症状により、日常生活の中で体験したことのない不安に襲われる傾向にあります。
例えば、
「1つひとつの物事に対して過剰に心配する」
「漠然とした不安から否定的な思考になる」
などの症状があらわれます。
また、考えが混乱して支離死滅になったり、幻聴に悩まされ続けることで現実との区別が曖昧になったりするようです。

統合失調症の症状である「妄想」から、他人への不信感が高まる

統合失調症になると、誰かに狙われていると感じたり周囲の人が自分を嫌っていると思い込んだりする妄想症状があらわれます。
妄想により他人への不信感が高まることで、引きこもりなどの行動をとるケースもあります。また、内容を説明しても理解されないことから、疎外感を感じたり交流を避けたりする場合もあるようです。

相手の表情や発言に敏感になる

感情が不安定になるため、相手の表情や発言に敏感になると考えられています。
例えば、
「表情が一瞬曇っただけで不安になる」
「冗談を本気にして怒る」
「相手の発言を誤解する」
などがあげられます。何気ないふるまいが自分に向けられた攻撃と解釈してしまうため、次第に周囲とのコミュニケーションを避ける傾向にあります。

統合失調症になると話し方に特徴が出る

思考の混乱により、
「話の内容がいきなり飛ぶ」
「言いたいことがまとまらず早口になる」
など話し方に特徴が出ると言われています。判断力も低下するため、突然喋らなくなることも多く、話が噛み合わず相手を困惑させるようです。
また、幻聴により1人で何かを呟いたり、幻覚に恐怖を感じて突然叫んだりすることもあります。

下記記事では、統合失調症の症状を行動や会話からチェックする方法を解説しています。併せてご確認ください。

統合失調症患者にしてはいけないこと7選

統合失調症患者にしてはいけないこと7選

統合失調症患者と接する際は、否定的な口調や無理強い、威圧的な態度をしないように心掛けることが大切です。
以下では、具体的な注意点と正しい接し方について解説します。

統合失調症患者にしてはいけないこと①本人を批判する

感情が敏感になっているため
「ネガティブすぎるよ」
「治す気ないでしょ」
と、本人を批判する発言をしてはいけません。冗談のつもりでも発言を深刻に捉えてしまい悪化につながる可能性があるので、言葉選びは慎重に行いましょう。
声掛けをする際は、批判するのではなく気持ちに寄り添う優しい言葉がけを意識することで、安心感を与えられるようです。

優しい言葉がけの一例は以下の通りです。

【病院へ行きたがらない場合】

  • ×「そんな感じだと治らないよ。絶対行かなきゃだめだよ」
  • 〇「何かあったの?大丈夫?」

【なにもする気力がないと言われた場合】

  • ×「だらけていないで少しは家の手伝いをしなさい」
  • 〇「それなら仕方ないね。また元気があるときに手伝ってくれたら嬉しいな」

統合失調症患者にしてはいけないこと②処方薬の服用をやめさせる

医師の許可なく薬をやめさせると、症状の悪化や再発リスクが高まります。
副作用や効果の有無が気になるかもしれませんが、服用に関して疑問がある場合は医師に相談して正しいアドバイスを受けると良いです。
また、本人の意思を尊重することも大切です。意見の押し付けは控え、本人がどうしたいのか考慮しながら治療を続けやすい環境を提供しましょう。

統合失調症患者にしてはいけないこと③妄想や幻覚に対して否定をする

妄想・幻覚症状が出ている場合、
「それは妄想だ」
「おかしなこと言うな」
と否定すると、信じてもらえない不信感から症状が酷くなるようです。
妄想・幻覚症状は不安感から生じるものです。接する際は、不安を解消させることを意識し
「辛いんだね。私には見えないけど何かあったら相談してね」
と受け止めながら優しく話しかけましょう。

妄想・幻覚症状に対する言葉がけの一例は以下の通りです。

【悪口が聞こえたと言われた場合】

  • 「悪口が聞こえて辛いね。でも私はそんなこと言っていないよ」

【誰かに監視されていると相談された場合】

  • 「私には何も見えないけど、それは気持ち悪いね。」

統合失調症患者にしてはいけないこと④威圧的な態度をとる

些細な言動に不安を感じる可能性があるため、威圧的な態度はNGとされています。
例えば、
「何でできないのかと責めるような発言をする」
「露骨にイライラする」
といった言動により、気付かぬうちに相手を追い詰めているかもしれません。
接する際は、相手が安心できる雰囲気づくりを意識し、大声で話しかけることを控えたり柔らかい表情を心掛けたりすると良いでしょう。

統合失調症患者にしてはいけないこと⑤負担を考えず仕事を押し付ける

本人の負担を考えず仕事を押し付けてしまうと、ストレスから症状が悪化する可能性があります。統合失調症の人は、見えない部分で精神的な疲労を抱えていることが多く、無理して仕事を続ける行為は大きな負担となるため、症状によっては治療に専念してもらうことも大切です。

統合失調症患者にしてはいけないこと⑥本人が限界を感じていても休ませない

本人が限界を感じていても休ませないと、精神的・身体的に大きな負担がかかり、症状を悪化させることがあります。本人から休みたいと訴えたときや疲れを感じている様子を見せたときは、無理をさせず休んでもらうようにしましょう。
また、疲れを認識していても「迷惑をかけてはいけない」と頑張り過ぎている可能性もあるので、周りが声をかけたり気遣ったりすると良いです。

統合失調症患者にしてはいけないこと⑦なりやすい人の再発サインを無視する

統合失調症が再発するときは、心身にいくつかのサインがみられます。再発サインを無視してしまうと症状が進行し治りづらくなるので、体調の変化を見逃さず不調がみられる際は病院へ連れていくことが大切です。

再発サインの一例は以下の通りです。

  • 眠れないと感じる日が増える
  • 怒りっぽくなる
  • 食欲の低下がみられる
  • 焦りや不安症状が出てくる
  • 発病時の体験を昨日のことのように語りだす
  • 落ち着きがなくなる
  • うつ症状がみられる
  • 被害妄想が出て周りを疑いだす
  • 突然行動的になる

参考
統合失調症ABC|こころの健康情報局すまいるナビゲーター(大塚製薬株式会社)

統合失調症の症状の再発につながる環境

統合失調症の症状の再発につながる環境

統合失調症は、ストレスの多い環境にいることで再発リスクが高まります。以下では、再発につながる代表的なストレス環境について解説します。

統合失調症の症状の再発につながる環境①引っ越しなどの環境変化が多い

引っ越しや結婚、就職などの環境変化は、不安や緊張からくるストレスを引き起こすため、再発を起こしやすいようです。
再発すると治りにくくなるので、症状が落ち着いても治療を続けたり、体調を考慮した上で慎重に決断したりすると良いでしょう。

統合失調症の症状の再発につながる環境②常にストレスがかかる職場

「夜勤があり生活リズムがバラバラ」
「接客業でクレーム対応がある」
などの心身にストレスがかかりやすい職場にいる場合、再発リスクは高まります。
職場が働きやすい環境を整えていれば安心ですが、理解が得られず適切なサポートが期待できない際は転職や休職を検討することが大切です。

統合失調病の人にしてはいけないこと7選!まとめ

今回は、統合失調症患者にしてはいけないことについて解説しました。
統合失調症になると、幻聴や妄想から強い不安に襲われるため、他人への不信感が高まったり相手の言動に敏感になったりします。
接する際は、優しく受け入れる姿勢を意識し、無理をさせたり批判したりすることは控えると良いです。また、一見元気に見えても内面では限界を迎えているケースもあるので、周りが理解を示して再発予防に向けたサポートを行うことが大切です。

よくある質問

統合失調症の原因はなんですか?

統合失調症の原因は明確には判明していませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることが関係しているようです。そのほかにも、遺伝的要因や環境によるストレスなどが複雑に絡み合うことで発症に至ると考えられています。

統合失調症の人の妄想を否定してはいけないって本当ですか?

妄想症状が出ている場合、相手に対する不信感を増加させる要因になるため、
「妄想だろう」
「おかしなことを言うな」
と否定することはNGとされています。
例えば、悪口が聞こえると相談された場合、悪口が聞こえる辛さに寄り添いつつ
「辛いんだね。でも誰も言っていないからから安心して」
と優しく答えるようにしましょう。

統合失調病の人にしてはいけないこと7選!悪化を防ぐための対応策とは

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