むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、脚にどうしようもない不快感が襲ってくる疾患です。原因は、鉄不足やドーパミン異常から、薬の影響によるものまでさまざま。中には、特定の疾患が原因となり生じているケースも存在します。
そこでこの記事では、むずむず脚症候群の原因となる症状が起こる理由や、影響があるとされる疾患、おすすめの治し方について解説します。
目次
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、じっとしているときに脚がむずむずとする疾患です。症状は、夕方~夜にかけて出ることが多く、動かすことで楽になります。
ムズムズする感覚のほかにも、しびれやほてり、かゆみなどの不快感がみられ、症状から眠れなくなったり十分に休めなくなったりします。
下記記事では、むずむず脚症候群の特徴や発症原因について詳しく解説しています。むずむず脚症候群は治るのか?という疑問にもお答えしているので、症状を治したい方はぜひチェックしてみてください。
むずむず脚症候群の特徴
むずむず脚症候群は、脚の表面はかゆくないのに内側がむずむずとした感覚になり、解消しようと動かしたくなることが特徴です。
会議中などで自由に身体を動かせない場面、寝ようと布団に入ったタイミング、マッサージ中で起き上がれないときに起こりやすく、不快感はしばらく続きます。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の原因となる症状が起こる理由
むずむず脚症候群は、ドーパミンの機能障害、鉄欠乏、神経伝達物質の異常が関係しているとされています。
ここでは、それぞれの原因となる症状が起こる理由について解説します。
むずむず脚症候群の原因①ドーパミンの機能障害が起こる理由
ドーパミンの機能障害とは、運動調節やホルモン循環にかかわるドーパミンの分泌量が減り、正常に機能しなくなることです。
加齢や神経系の異常、ストレスなどが原因と考えられており、機能障害により感覚が制御できなくなることで、不快感につながっているようです。
むずむず脚症候群の原因②鉄不足が起こる理由
鉄不足が起こると、ドーパミンの生成が妨げられ、むずむず脚症候群につながると考えられています。
鉄不足の理由は、貧血、栄養不足、妊娠、自律神経の乱れなどさまざまです。以下では、具体例について詳しく説明します。
月経過多
月経が重く出血量が多いと、体内に蓄積されていた鉄分が減少し、鉄不足を起こします。
月経過多は、ホルモンバランスの乱れが原因となっているケースが多いですが、子宮筋腫や子宮頸がんの初期症状である可能性も考えられます。発見を遅らせないためにも、月経が長引いたり出血量があまりに多かったりする場合は、一度婦人科に相談するようにしましょう。
栄養不足
栄養不足によりバランスの取れた食事が摂取できないと、体内の鉄レベルが低下します。
栄養不足はダイエットや偏食で起こる場合が多いですが、しっかり食べていても栄養の偏りがあると栄養不足になる可能性は高まります。肉類や緑黄色野菜などの鉄を多く含む食品を意識し、毎日の食事に取り入れるようにしましょう。
妊娠中や授乳時
胎児や乳児に栄養を運ぶ際、大量の血液が必要となるため、妊娠中や授乳時は鉄不足になりやすくなります。また、産後に貧血気味になると、母乳が出にくくなったり体の回復が遅れたりします。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れると消化器官の働きが低下し、必要な栄養素である鉄分の吸収ができなくなってしまうことがあります。
自律神経の乱れは、ストレスや不規則な生活習慣、運動不足などさまざまな原因が考えられるため、日ごろから健康的な生活を心がけることが大切です。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の原因には病気や薬も影響する
抗ヒスタミン剤や抗うつ薬、抗精神病薬の服用は、セロトニンを増やしたりドーパミン神経伝達を遮断したりするため、むずむず脚症候群の悪化を招くとされています。
詳しい原因は判明していませんが、いくつかの病気からむずむず脚症候群に派生するとも考えられており、治療中に足の不快感がみられるケースがあります。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の原因となり得る疾患
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、特定の疾患によって引き起こされることがあります。以下では、原因となり得る代表的な疾患についてそれぞれ説明します。
慢性腎不全
慢性腎不全は、腎臓の機能が徐々に低下し、老廃物や余分な水分を排泄できなくなる疾患です。
慢性腎不全からむずむず脚症候群が起こる原因は、鉄不足とされています。血液中に有害な物質が蓄積し、高血圧や貧血などの症状を引き起こすことで、神経伝達に障害が生じ発症につながるようです。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄不足により、赤血球中のヘモグロビン量が減少する疾患です。ヘモグロビンは、鉄とタンパク質から成り立つもので、減少すると全身へ酸素が行き渡らなくなり貧血を引き起こします。
症状としては、疲労感や息切れ、だるさのほかにも、まぶたの裏がまっしろになる、顔色が悪くなるなど、爪が弱く反り気味になる、など外見への影響もみられます。
糖尿病
糖尿病は、インスリンが働かなくなることで、体内の血糖値が高くなる状態のことです。
原因によりⅠ型糖尿病とⅡ型糖尿病にわけられ、インスリンを使用して血糖値をコントロールすることで症状を抑えられます。
合併症として神経障害がおこると、初期症状として足裏のしびれやむずむず感など、むずむず脚症候群と同じ症状がみられます。
パーキンソン病
パーキンソン病は、ドーパミンの減少により体の震えやこわばりが起こる疾患です。
症状は、座っているときや力を入れていないときに起こりやすく、発症原因は判明していません。
ドーパミンが関係していることから、むずむず脚症候群を合併する可能性が高いとされ、不快感やむずむず感が生じやすくなります。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫系の異常により関節が炎症を起こす病気です。
症状として激しい痛みや腫れが伴い、放置すると関節破壊や機能障害を引き起こすことがあります。
関節リウマチの炎症が神経に影響を及ぼした場合、むずむず脚症候群を誘発することがあるようです。また、発症患者は貧血を伴うことが多い傾向にあり、鉄不足も原因となるとされています。
消化性潰瘍
消化性潰瘍は、胃や十二指腸の内壁に傷が生じる病気であり、出血により体内の鉄が失われ、むずむず脚症候群の原因となる鉄欠乏性貧血を引き起こします。
消化性潰瘍の原因は、ヘリコバクターピロリ菌の感染や非ステロイド性抗炎症薬の使用とされ、防御態勢に入った胃酸や消化液が内部を攻撃してしまうことで穴が開くようです。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の原因となる症状におすすめの治し方・改善方法
むずむず脚症候群の原因となる、貧血やドーパミン不足などの症状を和らげるためには、食生活を意識したりツボを押したりすると良いです。
ここでは、おすすめの治し方・改善方法をいくつかご紹介します。
ドーパミンを増やす食べ物を摂取する
ドーパミンを増やす食べ物を摂取することで、むずむず脚症候群の改善が期待できます。
栄養素としては、タンパク質(牛肉、鶏肉、魚、大豆食品)やビタミンB群(バナナ、パプリカ、さつまいも、玄米)、ミネラル(ひじき、乾燥昆布、ほうれん草、さつまいも)を取り入れるようにしましょう。
食事で摂取しきれない場合は、サプリメントの服用もおすすめです。何を飲めば良いか分からない場合は、むずむず脚症候群の治療に対応しているクリニックへ相談してみることがおすすめです。
鉄分を摂取する
鉄分を適切に摂取することも、むずむず脚症候群の症状緩和に効果的です。
食べ物としては、レバーや赤身の肉、ほうれん草、豆類、貝類など、鉄分を多く含む食品を積極的に食事に取り入れましょう。おやつには、プルーンやブラックチョコレート、アーモンドフィッシュがおすすめです。
また、ビタミンCを同時に摂取することで鉄の吸収が促進されるため、オレンジやレモンなどの柑橘類を合わせるのも良いでしょう。
自律神経に効くツボを押す
ツボを押すことで、血行改善やストレス緩和など、自律神経の乱れ改善に効果が期待できます。足裏の一番へこんでいる部分にある「湧泉(ゆうせん)」、内くるぶしから指4本分上にある「三陰交(さんいんこう)」を、毎日数分間ゆっくり押すことで、症状緩和を目指せます。
入浴をして足を温める
入浴をしてしっかりと足を温めることで、全身の血流が良くなり筋肉の緊張がほぐれます。血流促進により、むずむずとした不快感の軽減が期待できるので、毎日温かいお湯に15~20分程度浸かるよう心がけましょう。
治らない場合は病院に相談する
セルフケアを試しても症状が改善しない場合は、早めに病院を受診することが大切です。専門医による診断を受けることで、根本改善につながったり解消法が見つかったりします。
また、別の疾患である可能性も考えられるので、症状が続く場合は病院へ相談しましょう。
むずむず脚症候群でお悩みの方は、心療内科新宿新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
心療内科新宿新宿うるおいこころのクリニックでは、むずむず脚症候群の治療に対応しています。
治療では、症状やお悩みをもとに治療方針を提案していくため、一人ひとりに合わせた症状改善が可能です。むずむず脚症候群からくる睡眠障害の治療も対応しておりますので、「症状が酷くて眠れない」「むずむず感が酷くて寝るのが怖い」などの悩みがある人にもおすすめです。
ご予約は、公式HPやLINEから24時間承っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)になりやすい年齢はありますか?
むずむず脚症候群は、10代から20代に多いとされていますが、年齢背別問わず発症する可能性があります。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は放置しても大丈夫ですか?
むずむず脚症候群を放置すると、睡眠障害や日中の活動低下を招く可能性があるので、症状がみられた際は病院への受診を推奨しています。
また、別の疾患が原因となっている可能性も考えられるので、ぜひ一度ご相談ください。