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メンタルコラム

PTSDの種類を徹底解説!症状や持続期間による違いや特徴とは

PTSDの種類を徹底解説!症状や持続期間による違いや特徴とは

衝撃的なトラウマ体験によって引き起こされるPTSD(心的外傷後ストレス障害)。
悪夢をみたりフラッシュバックしたりすることが特徴ですが、症状や原因によって種類に違いがあります。

この記事では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の種類について知りたい方向けに、症状の種類や持続期間ごとの種類をまとめました。主な特徴なども含めて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は主に4つ

胸を抑えているミドル女性
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、トラウマ体験を経験した後に起こる精神的な障害です。
症状は、
「侵入症状」
「過覚醒症状」
「回避・麻痺症状」
「否定的な認知・感情」
の4つに分類され、メンタルヘルスに深刻な影響を与えて日常生活に大きな支障をきたすといわれています。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を知っていく上で、症状について理解を深めておくと自分自身の状態を把握しやすくなるので、まずは4つの症状についてみていきましょう。

侵入症状

侵入症状は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)でよくみられる症状の一つです。症状としては、トラウマがフラッシュバックとして蘇る、過去の出来事を夢で繰り返し見るといった症状があらわれます。
体験した出来事が突然リアルに思い出されるため、日常生活でも強い不安や恐怖を感じる傾向にあるほか、症状により集中力が低下したり眠れなくなったりすることも多く、ストレスの原因になるといわれています。

過覚醒症状

過覚醒症状は、トラウマに対する恐怖が過度の警戒心や緊張状態として現れる症状です。
過覚醒状態になると、常に危険を感じているような状態になり、些細な音にも異常なほど反応することがあります。そのため、睡眠障害を発症したりイライラしたりする機会が増えるようです。
また、緊張状態が続くと自律神経に影響を及ぼすため、心拍数の上昇や息苦しさといった身体的な不調をもたらす原因にもなるといわれています。

回避・麻痺症状

回避・麻痺症状は、トラウマを思い出させる状況や場所を避けようとする症状です。回避・麻痺症状は、トラウマに関連する感情や記憶を封じ込めるための手段として現れる傾向がありますが、症状が長期化すると感情が乏しくなったり他者との関わりを避けたりするようです。
その結果、仕事や日常生活に支障をきたすケースもあり、抑うつ状態を引き起こす原因になるともいわれています。

否定的な認知・感情

否定的な認知・感情とは、トラウマが原因で未来に対して悲観的に考えたり、自己否定感が高まったりすることです。
例えば、
「自分には価値がない」
「生きている意味がない」
といった考えに陥り、塞ぎ込んでしまうことがあります。

また、トラウマとは無関係な友人や家族への信頼も無くし、孤立するケースもあるようです。否定的な認知・感情が見られる場合は、認知行動療法などを通して、思考自体を変えていくことで症状の改善が期待できます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は2種類に分けられる

こころのトラブルのイメージ

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、トラウマを受けた時期や体験内容によって「単純性PTSD」「複雑性PTSD」に分けられます。以下では、単純性PTSDと複雑性PTSDの特徴をそれぞれ解説します。

暴力など直近で遭遇したトラウマからくる「単純性PTSD」

単純性PTSDは、単発的に発生したトラウマが原因で発症する精神的障害です。例えば、交通事故や暴力事件、自然災害など突然の出来事が引き金となるといわれています。症状としては、フラッシュバックや悪夢、不安、回避行動などの症状が現れ、安全を感じられず過度なストレスを抱えるようです。

単純性PTSDに発展しやすい主な出来事例

単純性PTSDに発展しやすい主な出来事例は、以下のとおりです。

  • 交通事故や自然災害で身の危険を感じた
  • 突然暴力を受けた、犯罪に巻き込まれた
  • 戦争やテロなど、極度の恐怖を伴う体験をした
  • 強姦や性的暴行などの被害にあった
  • 身近な人の死や重病による強いショックを受けた

長期的なトラウマからくる「複雑性PTSD」

複雑性PTSDは、長期間にわたり続いたトラウマ体験が原因で発症するものです。例えば、虐待や監禁、戦争体験などが影響すると考えられています。
また、暴力など繰り返し受けたトラウマによって発症することもあり、感情のコントロールが難しくなったり、再体験に苦しんだりするようです。

複雑性PTSDに発展しやすい主な出来事

複雑性PTSDに発展しやすい主な出来事例は、以下のとおりです。

  • 長期間にわたるDVを受けた
  • 幼少期に精神的・肉体的苦痛があった
  • 監禁されたり、自由を奪われる状況に置かれたりしたことがある
  • 強いトラウマ体験を何度も経験した

参考
・第11回 福島災害医療研究会|福島県立医科大学
・複雑性 PTSDの診断と特徴,および治療|公益社団法人 日本心理学会
・ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は症状の発症期間や持続期間による違いで分類される

膝をかかえてふさぎ込む男性

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、症状が発症してから持続した期間によって
「急性PTSD」
「慢性PTSD」
「発症遅延型PTSD」
に分けられます。それぞれ症状や治療法、日常生活への影響が異なるので、以下で紹介する特徴を参考に、自分の症状がどの種類に当てはまるのか確認してみましょう。

1〜3ヶ月程度症状が続いた場合「急性PTSD」

トラウマを体験した後、1〜3ヶ月程度症状が続いた場合は急性PTSDと呼ばれます。例えば、戦争体験をしてから悪夢を見て眠れなくなったり、過度な警戒心から緊張状態が続いたりする症状が、3ヶ月以内でなくなった場合、急性PTSDに分類されます。

3ヶ月以上症状が続いている場合「慢性PTSD」

症状が3ヶ月以上続く場合は、慢性PTSDと呼ばれます。慢性PTSDになると、トラウマが引き起こした症状が長期化するため、日常生活に支障をきたすことがあるようです。
例えば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の影響による不眠症状や感覚の麻痺が続くほか、仕事に行けなくなったり外出を避けたりするケースもあるといわれています。

6ヶ月経過してから発症した場合「発症遅延型PTSD」

トラウマ体験から6ヶ月以上経過した後に症状が現れる場合、発症遅延型PTSDと呼ばれます。例えば、幼少期に受けた虐待により、大人になってから思い出して症状が出始めた場合、発症遅延型PTSDに分類されます。
発症遅延型PTSDは、発症が遅れることから本人も原因に気づかず、症状が現れるまで無自覚な傾向にあるようです。

参考
・心的外傷およびストレス因関連障害群

PTSD(心的外傷後ストレス障害)だと感じた場合は病院へ相談

男性の背中をさする女性

PTSD(心的外傷後ストレス障害)だと感じた場合、早めに病院へ相談すると良いです。
病院での診断を受けることで、自分がどのタイプのPTSDに該当するのか知れたり、適切な治療を受けられたりします。また、専門知識を備えたカウンセラーに話を聞いてもらうことで、自分の状況を客観視できるようになるかもしれません。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を放置すると、症状が悪化して思わぬリスクにつながる可能性が高まるため、何らかの症状に心当たりがある場合は早めに相談して早期改善を目指しましょう。

病院ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)の種類に応じた治療法を提案

病院では症状や種類に応じて、薬物療法や認知行動療法などの治療法を提案していきます。
例えば、幼少期に体験したネグレクトにより、自己肯定感が著しく低下している場合、思考そのものを変えていく認知行動療法を通して自分の存在が無価値ではないと意識付けていきます。
一人ひとりの症状に合う治療を受けると回復が早まると考えられているため、医師と一緒に治療法を選び、PTSD(心的外傷後ストレス障害)による辛い感情や日常生活への影響を治していきましょう。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)でお悩みの方は新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください

今回は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の種類について解説しました。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、発症原因や発症時期、持続期間によって種類が分類されます。また、症状も「侵入症状」「過覚醒症状」「回避・麻痺症状」「否定的な認知・感情」の4種類に分類され、それぞれに特徴や適した治療法が存在します。
いずれの種類に当てはまる場合でも、早めに病院へ受診することが大切です。放置すると外出自体が困難になる可能性もあるので、症状に気づいたタイミングで医師に相談しましょう。PTSD(心的外傷後ストレス障害)が続く場合、薬物療法や認知行動療法により辛さが軽減されるといわれており、早めにご相談されることで悪化を防げます。

新宿うるおいこころのクリニックでは、臨床心理士、公認心理士在籍のカウンセリングも並行して行えるので、悩みに合わせたサポート体制が充実しています。
不眠やイライラなどの症状がひどい場合でも、個々に応じた治療提案が可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

下記記事ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治し方について詳しく解説しています。併せてチェックしてみてください。

よくある質問

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状は発症時期によって種類が違いますか?

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、症状の発症時期によって「急性PTSD」「慢性PTSD」「発症遅延型PTSD」の3種類に分けられます。
「急性PTSD」は、トラウマ的な出来事があった後、1〜3ヶ月程度症状が続いているものです。
「慢性PTSD」は、症状が3ヶ月以上続く場合に該当します。
「発症遅延型PTSD」は、トラウマを体験して6ヶ月以上経過してから症状が発症するものです。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が出たら病院へ行くべきですか?

PTSDの症状が現れた場合、病院へ行くべきです。病院へ行くことで、症状が現れる根本原因にアプローチできたり、自身でも気づいていない原因に気付けたりするため、一度相談してみることをおすすめします。

PTSDの種類を徹底解説!症状や持続期間による違いや特徴とは

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自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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