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メンタルコラム

強迫性障害の症状で悩まされる人は多い!よくある悩みや気にしない方法とは

強迫性障害の症状で悩まされる人は多い!よくある悩みや気にしない方法とは
強迫性障害は、誰もがなり得る可能性のある精神疾患です。
有病率が高く珍しい病気ではないため、「運転をした後、誰かをはねているかもと心配になる」
「マイルール通りに動けないと何回もやり直してしまう」

といった症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、強迫性障害の症状やよくある悩みについて解説します。対策法も含めてご紹介するので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

強迫性障害の症状で悩まされる人は多い

強迫性障害の症状で悩まされる人は多い

強迫性障害の有病率は約1~2%といわれており、決して珍しい病気ではありません。平均発症年齢は20歳前後と若く再発率も高い上に、他の重篤な精神疾患より未治療期間が長い傾向にあり、中には「病気だと認識していなかった」「自分で治せると思った」と考えている人も多いようです。
放置すると、日常生活に大きな影響が出たりうつ病を発症したりする可能性もあるので、病気を把握して正しく対処することが大切となります。

参考
強迫性障害の臨床像・治療・予後―難治例の判定, 特徴, そして対応―|松永 寿人(兵庫医科大学精神科神経科)

強迫性障害の症状一覧

強迫性障害になると、以下のような症状がみられます。

強迫性障害の症状①:不潔恐怖

<特徴>

汚れたり感染したりしないか過剰に心配になる

<例>

  • 手が綺麗になっていないと感じ、何十回も手洗いをリピートする
  • 吊革に触ったら病気がうつると思い込み、異常なほど避ける

強迫性障害の症状②:加害恐怖

<特徴>

自分が誰かに危害を加えているかもと心配になる

<例>

  • 何もしていないのにニュースに自分の名前が出るのではないかと不安になる
  • 運転中に誰かを轢いてしまったのではないかと心配する

強迫性障害の症状③:確認行為

<特徴>

不安感が拭えず、同じことを何回もチェックする

<例>

  • 戸締りをしたか不安になり何回もチェックする
  • コンセントのスイッチが切れているか何回もチェックする

強迫性障害の症状④:儀式行為

<特徴>

決められたルールに沿って物事を行う

<例>

  • 特定のリズムをとってからではないと喋れない
  • ルールが守れないと落ち着かず、気が済むまで何回もやり直す

強迫性障害の症状⑤:数字へのこだわり

<特徴>

自分の中で決めた数にこだわったり、特定の数字に嫌悪感を示したりする

<例>

  • お菓子は3個ずつ食べないと気が済まない
  • 14という数字に触れると嫌なことが起こると考えている

強迫性障害の症状⑥:配置へのこだわり

<特徴>

自分が決めた位置に物がおかれていないと不安になる

<例>

  • 数ミリでも配置がずれていると恐怖や嫌悪感が湧く
  • 納得できる位置に置けるまで何回も配置を調整する

下記記事では、強迫性障害の原因や症状が出るきっかけを解説しています。併せてご覧ください。

強迫性障害の症状である「強迫観念」「強迫行為」とは

強迫性障害の症状である「強迫観念」「強迫行為」とは

強迫性障害は、強迫観念と強迫行為から成り立っています。
具体的には、頭の中に浮かんでくる「強迫観念」を取り除くために、「強迫行為」が起こります。強迫観念は中々頭から離れず、無視をすると強い不快感や恐怖につながるので、おかしいと分かっていても強迫行為をやめられないのです。

強迫観念とは

強迫観念とは、頭に繰り返し浮かんでくる強い苦痛の原因となるイメージのことです。
例えば、「手が汚れている」という考えが繰り返し現れたり、「何かをやり忘れていないだろうか」という思考に悩まされたりします。考えが不合理だと認識していても、意に反して現れるため対処できないことが特徴です。

強迫行為とは

強迫行為とは、強迫観念による苦痛を和らげるために実践する行動のことです。
例えば、「手が汚れている」という考えから何十回も手を洗ったり、「戸締りを忘れているかも」という心配から戸締りを過剰にチェックしたりします。
行為に意味がないと自覚している場合もありますが、順序通りにできないと不快感は強まり納得のいくまで何回もリピートすることが特徴です。

参考
大学生の強迫傾向と身体感覚の関係|小田 真二(九州大学大学院人間環境学研究院)

強迫性障害の症状で生じる悩み

強迫性障害の症状で生じる悩み

症状により、日常生活に大きな支障をきたしたり、人間関係が悪化したりすることがあります。以下では、症状により生じる代表的な悩みを4つご紹介します。

強迫性障害の症状で生じる悩み①何回も同じことをリピートするため遅刻が多い

同じ行為を何回もリピートしないと安心できないことが多く、日常生活のあらゆる場面で遅れが生じます。例えば、外出前に戸締りを何十回もチェックしたり、順序通りに行動できず納得のいくまで繰り返したりすることで、遅刻をしてしまうようです。
遅刻の原因は、自身ではコントロールできない強迫観念によるものですが、周りとの信頼関係に影響を及ぼすことも少なくありません。

強迫性障害の症状で生じる悩み②数字へのこだわりにより些細な行動もつらい

特定の数字に強いこだわりを持っている場合、些細な行動も数字によって制限されてしまい、つらいと感じるようです。
例えば、「3」という数字に恐怖を感じている場合、
「エレベーターで3階を押せない」
「3が付く日は家から出られない」
など3を避けるような行動が現れます。
また、
「食事の際に特定の回数で噛む必要がある」
「テレビを点ける時間は00分でないといけない」
と1つひとつの行動をルール化しているケースもあり、行動の制限からストレスが生まれます。

強迫性障害の症状で生じる悩み③確認行為により度々家族や友人を困らせている

確認行為により周りの人を振り回して、関係悪化につながることがあります。
例えば、
「友人と遊んでいる途中でも施錠が気になり帰る」
「ガス栓を閉めたか何回も家族にチェックする」
などの行動があげられます。このような確認行為が繰り返されると、病気だと分かっていても周りの人も限界が来てしまい、疎遠になるケースがあるようです。

強迫性障害の症状で生じる悩み④加害恐怖から外出が怖い

「自分が他人に危害を加えているかもしれない」という加害恐怖が強くなると、外出自体がストレスとなり引きこもりがちになるようです。
例えば、
「信号無視をしたかも、その時に誰かを轢いたかもしれない」
「駅のホームで誰かにぶつかり線路に突き落としているかも」
など実際に発生していない出来事に対しての思い込みから、人混みを避けたり人と関わることを極力減らしたりします。

強迫性障害の症状は性格が原因となっている場合も

強迫性障害の症状は性格が原因となっている場合も

発症には、遺伝的要因や環境要因のほかにも、性格が原因となっているケースがあるといわれています。
例えば、1つひとつの物事にこだわる人や完璧主義の傾向が強い人は、小さなミスを許せず過度な確認行動に至ることがあります。また、心配性な性格から些細なことでも不安に感じやすくなる人も存在するなど、性格によって発症リスクが高まるようです。

完璧主義者は強迫性障害になりやすい人の特徴に当てはまる

完璧主義者は、「物事を計画通りに実行しなければいけない」という思考を持っていたり、小さなミスでも許せなかったりする傾向にあります。
また、失敗を極端に恐れることが過剰な確認行為につながり、意思決定が遅くなっているようです。

強迫性障害かどうかをチェックする方法を下記記事で解説しています。

強迫性障害の症状がつらい時の対処法

強迫性障害の症状がつらい時の対処法

ここでは、症状を軽減するための対処法をいくつかご紹介します。
対処法を実践することで、気持ちを落ち着けるきっかけになるのでチェックしてみましょう。

強迫性障害の症状がつらい時の対処法①周りに症状を打ち明ける

周りに打ち明けると理解を得られやすくなり、日常生活で生じる悩みの軽減につながるかもしれません。
職場で症状が出る場合でも、同僚や上司に説明して対策を講じることで、仕事の負担を調整したり柔軟な勤務形態を取れたりできるでしょう。
また、治療を進めていく中でサポートが必要な場面もありますが、事前に打ち明けておくと会社側も用意ができるため、サポートを受けやすくなります。

強迫性障害の症状がつらい時の対処法②自身の症状を受け入れてみる

症状を我慢すると、心配事が増えたり脅迫行為が悪化したりすることがあります。
そのため、無理に抑え込まず症状と向き合うことが大切です。症状を受け入れた上で冷静に見つめ直すと、安定した回復が期待できます。
また、気持ちや症状の理解により、自分に合った対処法を見つけやすくなるようです。

強迫性障害の症状がつらい時の対処法③病院へ相談する

つらいと感じた際は、早めに病院へ相談することが大切です。
強迫性障害は、他の精神疾患と比べて発症しても受診するまでが遅い傾向にあり、未治療期間が長引くことで治しにくくなると考えられています。
病院への受診は、症状のつらさ軽減や悩み解消につながるので、「自分で何とかできる」と考えず相談してみると良いです。

強迫性障害の症状がつらい時は精神科・心療内科へ行こう

病気がつらい場合、精神科や心療内科に相談することが大切です。
強迫性障害は精神疾患の1つであり、うつ病や発達障害の併存も考えられるので、精神科・心療内科での専門的な検査により根本改善を目指せるでしょう。
また、心にアプローチする治療を受けることで症状緩和が期待できるため、精神科・心療内科に受診すると良いです。

精神科・心療内科では強迫性障害の症状はどう治す?

精神科・心療内科では、認知行動療法と薬物療法を組み合わせた治療を行います。
認知行動療法では、症状を引き起こす状況を克服するための曝露反応妨害を用いることが一般的です。薬物療法では、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使用し改善を目指します。
治療により、生活で生じるストレスや困難を減らせるため、1度専門医に相談してみると良いでしょう。

下記記事では、強迫性障害の診断基準や治療について解説しています。

参考
強迫性障害|こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)

強迫性障害の症状でお悩みの方は新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください

今回は、強迫性障害の症状や悩み、対処法について解説しました。
症状は、強迫観念と強迫行為の2つから成り立ち、恐怖を払拭するために何回もチェックしたり儀式的な行動をとったりすることが特徴です。
他の精神疾患に比べて未治療期間が長い傾向にありますが、放置すると治りにくくなるので早めに精神科・心療内科へ相談すると良いです。

新宿うるおいこころのクリニックでは、強迫性障害の診断・治療に対応しています。
経験豊富な専門医が、進行具合に応じて治療を提案することで、一人ひとりに合わせた症状改善を目指せます。
治療では、精神療法や薬物療法などを使用。患者様の心配を減らすため、「副作用が怖い」「通院負担を減らしたい」「治療を変更したい」などのご要望にもできる限り対応いたします。
ご予約は、公式HPやLINEから24時間承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

<新宿うるおいこころのクリニックで行う強迫性障害の治療についてはこちら>

よくある質問

完璧主義者は強迫性障害になりやすい人に当てはまりますか?

完璧主義者は、強迫性障害になりやすい人に当てはまると考えられています。完璧を追求するあまり些細なミスでも心配になり、不安を和らげるために納得するまで何回も同じ行動をリピートする傾向にあるようです。

強迫性障害と強迫神経症は同じですか?

強迫性障害と強迫神経症は同じ意味を持つ言葉です。
かつては強迫神経症と呼ばれていましたが、神経症という言葉が使用されなくなったため、強迫性障害と呼ばれるようになりました。

強迫性障害の症状で悩まされる人は多い!よくある悩みや気にしない方法とは

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20歳未満の方へ
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当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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