「ちょっとした生活音が気になってしまう」「人混みにいると気疲れして帰りたくなる」
常にこのような症状に悩まされている場合、HSPの可能性があります。
HSPとは、人一倍繊細で敏感な生まれつきの特性のことで、診断された場合は特性への理解が大切です。
この記事では、HSPのセルフチェック診断テストや症状あるある、特性を活かせる仕事についてご紹介するので、もしかしたらHSPかも?と考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
HSPとは
HSPとは、生まれつき感受性が高く繊細な人のことです。正式名称は、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼び、頭文字を取ってHSP(エイチ・エス・ピーと呼ばれています。
特徴は、環境の変化や他人の感情に気付きやすいことで、些細な出来事にも敏感に反応してしまいます。
日常生活において生きづらさを感じるシーンが多いですが、ストレス管理法を学んだり特性を受け入れたりと、自己ケアを心がけることが大切です。
HSPと診断される4つの性質「DOES(ダズ)」
HSPの性質は、「DOES」と呼ばれる4つの特性に分けられます。
DOESは、「Depth of Processing(深く考える)」「Overstimulation(刺激に敏感)」「Emotional response and empathy(共感力)」「Sensitivity to Subtleties(感覚が鋭い)」の頭文字を取ったもので、HSPの症状や考え方を理解するうえで大切な要素です。
Depth of Processing(深く考える)
「Depth of Processing(深く考える)」は、一つひとつの事柄に対して深く考えすぎてしまう特性のことです。例えば、発言の意図を掘り下げたり、気になることを追求したりする行動があげられます。
独自の視点から問題解決できるというメリットもありますが、考えすぎにより疲労を感じてしまいます。
Overstimulation(刺激に敏感)
「Overstimulation(刺激に敏感)」は、ちょっとした出来事に敏感になってしまう特性のことです。例えば、映画へ感情移入をしてしまう、相手の言動に傷つきやすいなどがあげられ、プレッシャーを感じたり気疲れしたりします。
Emotional response and empathy(深い共感力)
「Emotional response and empathy(深い共感力)」は、相手の感情に対して共感しやすい特性のことです。例えば、相手の機嫌に影響を受けやすい、ちょっとした仕草で考えていることが分かる、などがあげられます。
他人の感情に影響されるため、疲れやすかったり本心とのバランスがとれなくなったりします。
Sensitivity to Subtleties(感覚が鋭い)
「Sensitivity to Subtleties(感覚が鋭い)」は、些細な変化や小さな音に対して敏感な特性のことです。例えば、家具の微妙な配置の変化に気が付いたり、小さな時計の音が気になったり、光や臭いに過剰に反応したりします。
感覚が過敏なため、日常生活において些細なことで影響を受けやすく、生きづらさを感じます。
HSPの症状をセルフチェック診断テスト
以下の症状に当てはまる場合、HSPの可能性があります。
- 大きな音や強い光、臭いに対して敏感
- 周囲の変化に気が付きやすい
- 痛みに弱い
- 疲れが溜まると1人になりたくなる
- 騒音に悩まされることが多い
- 音楽や美術に心を動かされることが多い
- 小説や映画の主人公に感情移入しがち
- 一度にたくさんの作業をこなすのが苦手
- 周りから「敏感」「内気」といわれる
- 生活の変化になれるまでに時間がかかる
- 暴力的な映画やシーンが嫌い
- ミスをしないよう常に気を張っている
- 相手の考えていることに気が付きやすい
【シーン別】HSPの症状あるある
ここでは、仕事や日常生活などのシーン別にHSPの症状あるあるをご紹介します。
HSPの症状あるある①仕事編
- 同僚や上司からの評価を気にする
- オフィスの騒音が気になる
- フィードバックに対して過剰に落ち込む
- 複数タスクをこなすことが苦手
- 一つひとつの作業に時間がかかる
職場では、同僚や上司からの意見に敏感になったり、蛍光灯の光やコピー機の音が気になったりします。また、細部に気を配るため、仕事のペースが遅いと指摘されることもあるようです。
HSPの症状あるある②日常生活編
- 人混みなどの騒がしい場所が苦手
- 時計の音など些細な生活音が気になる
- 外出しても家に帰ってから疲れが出る
- ふと目にしたニュースに感情移入する
- 予期しない出来事に対して不安を感じる
日常生活では、些細な生活音が気になる、物事への感情移入をしやすいなどの症状があげられます。また、人込みやにぎやかな場所は疲れやすく、1人の時間が必要になるようです。
HSPの症状あるある③人間関係編
- 友達といるときでも常に空気を読んでいる
- 自分の発言を引きずる
- 本音を打ち明けるのが怖い
- 相手の何気ない発言が気になってしまう
- いきなり話しかけられるのが苦手
人間関係では、相手の感情や態度に敏感になってしまうことから、自分の話をできなかったり空気を読んでしまったりするようです。また、人といると疲れやすく、1人の時間が必要になることも特徴です。
下記記事では生きやすくするための対処法をご紹介しています。症状でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
HSPの診断はどこで受けられる?
HPSの診断は、心療内科や精神科で受けることが可能です。
診断を受けることで、生きづらさの解消につながったり、特性への付き合い方が分かったりするので、悩みがある場合は一度受診してみると良いでしょう。
病院でのHSPの診断方法
診断では、問診を通して他の病気との関連性がみられない場合、HSPと診断されます。
診断を通して、社会的な刺激に対する感受性が分かったり、特性への向き合い方を考えるきっかけになったりするほか、コミュニケーションや環境調整のポイントを知れるため、特性による負担軽減につながります。
HSPは女性の方が診断されやすい?
HSPに男女差はないとされていますが、女性の方が精神的なサポートを求める傾向にあったり、感情を表に出したりするため、HSPと診断されやすい傾向にあるようです。
血液型や国籍による関連性に関しても、科学的な証拠はないと考えられおり、誰もが平等に持っている可能性のある特性です。
HSPと診断された後の上手な付き合い方
HSPと診断された場合は、どのように付き合っていけば良いのでしょうか。
ここでは、特性と付き合う際のポイントをご紹介します。
特性を受け入れる
HSPと診断された際は、自分の特性を受け入れることが大切です。
例えば、敏感さや共感力は長所になり得る要素です。人一倍負担を感じやすい特性を理解し受け入れることで、自己管理がしやすくなったり生きづらさを解消するきっかけになったりします。
苦手な環境から距離を置く
苦手意識や苦痛を感じる環境は、無理せず距離を置くようにしましょう。
例えば、騒音が苦手な人は静かな職場環境を選んだり、人混みが苦手な人は混雑する時間帯を避けたりすることが大切です。
また、自宅をリラックスできる空間にしておくと、ストレスをしっかり放出でき精神的な負担軽減につながります。
定期的に休憩をする
HSPの人は、人一倍疲労が溜まりやすいといわれているため、仕事や日常生活の中で意識的に休憩を取るようにしましょう。
休憩がとれない場合は、深呼吸やストレッチなどをすることで、副交感神経が優位になりストレス解消につながるのでおすすめです。
HSPと診断された人が特性を活かせる仕事
ここでは、HSPと診断された人が特性を活かせる仕事をご紹介します。
心や体の悩みに寄り添う仕事
他人の感情に敏感なため、心や体の悩みに寄り添うエステティシャンや鍼灸師などの仕事が向いています。
また、共感力の高さを活かすことで、お客様との信頼関係を築くことができ、満足度の高いサービスを提供につながるでしょう。
エステティシャン
エステティシャンは、施術を通してお客様の身体を綺麗にしたり、リラックス効果を与えたりする仕事です。
仕事では、些細な変化に気付きやすい特性を活かすことで、体のちょっとした変化を見抜くことができるでしょう。また、お悩みや要望への深い理解により、安心感と癒しを与えられます。
鍼灸師
鍼灸師は、鍼や灸を用いて身体のバランスを整える仕事です。
仕事では、敏感な感覚を活かし不調を察知することで、満足度の高い治療提供が期待できます。また、鍼灸において治療への信頼は大事な要素となります。共感力を活かすことで、お客さまからの信頼獲得につながるでしょう。
正確さが求められる仕事
細部にまで注意を払う能力が高いため、正確さが求められるエンジニアやデータ入力などの仕事に向いています。
例えば、繊細な感覚と集中力を活かすことで、ミスの防止につながるでしょう。1人で集中できる環境であることも多いため、周りからの視線を気にすることなく働けます。
エンジニア
エンジニアは、技術的な問題解決やシステムの設計・開発を行う仕事です。
コードを書いたり不具合を見つけたりするため、細かい部分への注意や正確さが大切となります。また、特性である集中力を活かすことで、複雑な問題への対処や新たな解決策の発見ができるでしょう。
データ入力
データ入力は、フォーマットに沿って情報を正確に入力する仕事です。
仕事では正確さが求められるため、細部にまで注意できる特性が役立ちます。長時間同じ作業を続けるケースも多く、集中力の高さや慎重さも活かせるでしょう。
また、自分のペースで働くことができるため、ストレスを減らしながら効率的に仕事を進められます。
自分のペースで働ける仕事
HSPの人は、過度な刺激やプレッシャーを感じやすいため、自分のペースで働けるハンドメイド作家やデザイナーなどの仕事に向いています。
仕事では、納期ごとに自分でスケジュールを管理できたり、働きやすい環境を自分でつくれたりします。
ハンドメイド作家
ハンドメイド作家は、自分でオリジナルアイテムを作って販売する仕事です。
1日の作業量や場所を自分で決められるため、周りを気にすることなく創作を行えます。また、特性である繊細な感覚や高い集中力を活かすことで、美しい作品を作り上げたり、自己表現ができたりするでしょう。
デザイナー
デザイナーは、製品のパッケージやポスター、カタログなどさまざまなデザインを手がける仕事です。
HSPの場合、繊細さをデザインに生かしたり、集中力や忍耐力を長時間作業に役立てたりします。フリーランスで働くほかにも、リモートワークができる会社もあるため、自分の落ち着ける空間で仕事を行えるでしょう。
HSPの診断を受けるなら心療内科新宿うるおいこころのクリニックへお越しください
新宿うるおいこころのクリニックでは、HSPの診断や治療に対応しています。
「人への気疲れが絶えない」「本音を話すのが怖い」などの症状がある場合、特性を振り返ったり悩みを打ち明けたりすることで、日常生活で感じる負担の軽減を目指せます。
また、HSPと診断を受けることで、生きづらさを解消するきっかけにもなるので、1人で抱え込まずまずはカウンセリングへお越しください。
よくある質問
HSPの代表的な症状は何ですか?
HSPの代表的な症状は、すぐ疲れてしまったり、他人の発言に影響されやすかったりすることです。また、大きな音や光などの刺激が苦手なことも、代表的な症状としてあげられます。
HSPの生きづらさを解消する方法はありますか?
特性への理解やストレス管理を意識することで、HSPの生きづらさの解消につながるとされています。