ADHDは、注意力が散漫で落ち着きがないことが特徴の発達障害です。
衝動性とアクティブなど似た性格と間違えやすい症状もあるため、もしかしてADHDかも?と思う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ADHDのセルフチェック診断テストをご用意しました。タイプ別の症状や診断内容、間違えやすい性格、併発の可能性がある疾患などから簡易チェックできるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ADHDはどう見分ける?
ADHD(注意欠如多動症)は、集中できない、落ち着きがない、ミスが多いなどの特徴を持った発達障害です。ADHD の場合、ASD(自閉スペクトラム症)と比較して、他者への関心はあるが衝動的で不注意が多い傾向にあります。
症状は、病院での検査により詳しく判断できますが、セルフチェック診断テストを通して簡易的に見分けることも可能とされています。
ADHDかも?と思った際は、明確にADHDとは断定できないグレーゾーンの可能性もあるので、セルフチェック診断テストを行ったうえで、医師からサポートを受けるようにしましょう。
【タイプ別】ADHDの症状をセルフチェック診断テスト
ADHDのタイプは、「多動症・衝動性」「不注意」に分けられます。どちらのタイプにも該当する場合は、「混合型」の可能性があるので、まずはセルフチェック診断テストを通して症状をチェックしてみましょう。
多動症・衝動性のセルフチェック診断テスト
ADHDの多動症・衝動性タイプの特徴としては、じっとしていられない、頻繁に動き回る、喋りすぎる、順番待ちが苦手、衝動的に行動するなどがあげられます。
以下の項目に当てはまる場合、多動症・衝動性タイプかもしれません。
- 長時間座っている必要がある場面で、ソワソワしたり席を立ちたくなったりする
- 話を遮ってしまったり、場の空気を読まずに話続けたりする
- 順番や列に並ぶことが苦手で、じっとしていられない
- 思い付きで行動してしまうことが多い
- 安全を考慮せず危険な行動をとりがち
- イライラしやすく大声を出すことがある
不注意のセルフチェック診断テスト
ADHDの不注意タイプの特徴としては、集中力が続かない、忘れ物が多い、指示を聞き逃す、細かいミスが多い、整理整頓が苦手といった行動があげられます。
以下の項目に当てはまる場合、不注意タイプかもしれません。
- 気が散りやすく集中し続けることが難しい
- 忘れ物や探し物が多い
- 話や指示を聞き逃し、間違った行動をしてしまう
- 確認作業が苦手で細かいミスが多い
- 物や書類の整理が苦手で、デスクや部屋が散らかっている
- 時間通りに行動したり順序立てたりすることが苦手で先延ばし癖がある
※診断は、ADHDのタイプを断定するものではありません。あくまで症状の目安ですので、詳しい診断を希望される方は医療機関へご相談ください。
参考
・ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|厚生労働省
・発達障害の理解|厚生労働省
・大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!|政府広報オンライン
ADHDの診断内容から症状をテストしてみよう
ここでは、ADHDと診断される具体的な症状をご紹介します。日常生活みられやすい症状をあげているので、自身の行動と当てはまるかテストしてみましょう。
ADHDの診断内容から症状をテスト①忘れ物が多い
日常生活で頻繁に物を忘れる、どこに置いたか分からず探し回るといった症状は、特性の不注意に当てはまる場合があります。
例えば、仕事や学校で必要な書類を家に忘れる、鍵や財布などを毎回探しているなどの行動が頻繁にみられることがあるようです。
また、約束を守れなかったり予定をドタキャンしたりする人も多いといわれています。
ADHDの診断内容から症状をテスト②先延ばし癖がある
仕事や課題を後回しにしてしまう、他の興味のあることに時間を費やしてしまうなどの行動も、ADHDの症状の一つと考えられています。
例えば、締め切りギリギリにならないと行動できない、やるべきことよりも趣味を優先してしまうなどの行動があげられます。色々な支払い期限を後回しにする傾向もあり、何度も電気ガスをとめられている人もいるようです。
ADHDの診断内容から症状をテスト③会議中でも落ち着かず動きたくなる
会議中に動きたくなる、長時間座っているとソワソワするなどの行動は、ADHDの多動性に当てはまる場合があります。
具体的には、座っていても足をバタバタ動かしたり、思わず立ち上がったりなどの行動があげられます。また、じっとしていることが苦手で、列に並んだり待ったりできない傾向もみられるようです。
ADHDの診断内容から症状をテスト④相手の話を遮ってしまう
よく相手の話を遮ってしまう場合、ADHDの衝動性に当てはまる可能性があります。
例えば、話したいことがあると相手の話を遮ってしまう、質問を最後まで聞かずに返答する、話の途中で急に話題を変えるなどの行動があげられます。
思いついたまま会話したり、場所を気にせず喋り続けたりしてしまう傾向もあるため、コミュニケーションが上手くいかないことも多いようです。
参考
・ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療|厚生労働省
・発達障害の理解|厚生労働省
・大人になって気づく発達障害 ひとりで悩まず専門相談窓口に相談を!|政府広報オンライン
ADHDと間違えやすい性格から症状を診断
ADHDは生まれ持った特性、性格は気質と環境により形成されるもの、という違いがあります。しかし、中にはADHDと間違えやすい性格も存在するので、それぞれの違いから症状を診断してみましょう。
ADHDと「アクティブ」の違い
アクティブな人は、エネルギッシュで常に行動することが好きなため、ADHDの多動性と勘違いするケースがあるとされています。
ADHDの場合、常にじっとしていられず動き回りたくなる、環境や状況を配慮せずに行動してしまうなどが特徴のため、時と場合に応じて自己管理ができるアクティブな人とは、行動に起こすまでの思考回路が違います。
ADHDと「マイペース」の違い
マイペースな人は、周りを気にせず自分のやり方で行動することを好むため、ADHDの不注意と間違えやすいようです。
マイペースな場合、時間管理や優先順位を考慮したうえで行動できますが、ADHDの場合は計画自体を立てられなかったり、確認作業ができなかったりすることから遅刻や聞き逃しを起こすという違いがあります。
ADHDと「オタク」の違い
オタクな人は、特定の趣味に対して強い興味を持ち、好きなことであれば活動的になれる傾向にあるため、ADHDの衝動性と勘違いしてしまうようです。
オタクの場合、ある程度の計画性を立てたうえで興味関心に対して活動的になりますが、ADHDの場合は全ての出来事において、後先考えず行動してしまうといわれています。
また、ADHDでみられる過集中もオタクの性格と似ていますが、ADHDの場合は2つのことを同時に行えなかったり、集中しすぎて周りが見えなくなったりする特徴を持つケースが多いです。
ADHDと併発していると診断されやすい疾患
ADHDは、他の精神疾患を併発することが多いとされています。以下では、ADHDと併発しやすい疾患を解説します。
不安障害
不安障害は、強い不安や緊張を感じやすくなり、大勢の前で赤面したりいきなり発作が起きたり、同じ行動を繰り返してしまったりする精神疾患です。
原因は性格やストレス、家族歴と考えられており、複数の要素が絡み合うことで発症するようです。ADHDの場合、特性による社会的なコミュニケーション難や孤立感、対人関係でのトラブルがストレスとなり併発に至るといわれています。
双極性障害
双極性障害は、酷く落ち込むうつ状態と気分が高ぶる躁状態を繰り返す精神疾患です。
双極性障害の躁状態では、人の話を聞かない、怒りっぽくなる、集中力が続かないなどの多動性や衝動性と似た症状があらわれます。また、特性によるストレスやプレッシャーが、双極性障害を招く可能性もあると考えられています。
うつ病
うつ病は何をしても楽しめず、常に気分が落ち込んだ状態になる精神疾患です。ADHDの特性を持っていると、仕事でミスをしたり人間関係が上手くいかなかったりする場面が多く、ストレスを抱えやすい傾向にあります。
ストレスが蓄積されると、自己肯定感や自尊心が下がるため、うつ病の併発を招くといわれています。
過食症
過食症は、食べる量をコントロールできず、食べ過ぎてしまう摂食障害のことです。過食症になると、やめたくても食べるという衝動が抑えられず過食を繰り返します。
併発のきっかけは、ADHDの特性である衝動性からくるケース、感覚麻痺により満腹に気が付いていないケース、ストレス解消の手段となっているケースが考えられています。
ADHDの検査・診断方法
ここでは、病院で行うADHDの検査・診断方法について解説します。
ADHDの検査・診断方法①CAARSでテスト
CAARSとは、症状の出方や度合いを評価するための心理テストのことです。
テストでは、ない0点、ときどきある2点といったように、回答を数字で置き換えて加算をしていきます。
検査方法は、自分自身の行動を振り返る自己記入式と、身近な人が客観的に判断する観察者記入式の2種類があり、複数の回答から総合的に判断します。
参考
・CAARSの実施とスコアリング|厚生労働科学研究データベース
ADHDの検査・診断方法②知能検査・発達検査でテスト
知能検査・発達検査では、言語理解や処理速度を計測したり、運動能力やコミュニケーション力を調べたりします。
また、問診による聞き取り調査が行われることもあり、家族歴や自宅での様子、生育歴などを詳しくヒアリングしたうえで診断します。
ADHDかも?と診断テストを通して思ったら病院で診断を受けた方がいい?
病院で診断を受けることで、適切なサポートや生きづらさの軽減につながります。生活に支障がない場合、必ずしも受診する必要はありませんが、検査を通してADHDか否かをはっきりできるので受診を検討すると良いでしょう。
また、他の疾患の併発が疑われる場合は、早めに受診し治療を行うことが大切です。放置していると悪化リスクが高まるので、症状に気付いた段階で病院に相談しましょう。
ADHDのセルフチェック診断テストに該当する方は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
新宿うるおいこころのクリニックでは、ADHDの診断や治療に対応しています。
セルフチェック診断テストに当てはまる場合、一度受診をすることで併発している疾患の早期発見や症状軽減を目指せるので、早めに診察へお越しいただくことがおすすめです。
ご予約は、公式HPやLINEから24時間承っております。何となく相談したくなった場合でも、空きがあれば当日予約が可能ですのでお気軽にご相談ください。
ADHDについては、下記でも詳しく解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
<ADHAの原因や症状、治療法の詳細はこちら>
よくある質問
ADHDからくる不安障害を軽減する方法はありますか?
ADHDからくる不安障害は、薬物療法や生活習慣改善、認知行動療法によって改善が期待できます。新宿うるおいこころのクリニックでは、脳に電磁波を送るTMS治療も行っておりますので、気になる方はカウンセリング時にご相談ください。
ADHDの診断テストに当てはまる人が特性を活かせる仕事はありますか?
ADHDの特性を活かせる仕事としては、創造性を活かせるデザイナー、高い好奇心を活かせる研究職などがあげられます。また、周囲を気にせず一人で没頭できる仕事も向いている傾向にあります。
ADHDをセルフチェック診断テスト!気になる症状はいくつ当てはまっている?
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