情緒不安定ってどんな状態?精神疾患との関係や原因は一体何?

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情緒不安定ってどんな状態?精神疾患との関係や原因は一体何?

情緒不安定な状態は、誰にでも起こり得るものです。
実際に、突然気分が落ち込んだり、イライラしやすかったりする人もいるのではないでしょうか。
こうした状態は一時的なことが多いですが、中には精神疾患が関与している場合もあるので、自分の感情としっかり向き合うことが大切です。

そこでこの記事では精神疾患との関係性や症状、原因、情緒が良くないと感じる際の対処法について解説します。

目次

情緒不安定ってどんな状態?

情緒不安定ってどんな状態?

情緒不安定とは、感情の波が激しくなり、安定しない状態のことです。
情緒不安定になると、些細なことで怒ったり、突然悲しくなったりします。感情の波が激しいため、周囲の人間関係に影響を及ぼすことも多いようです。

症状は、ストレスや疲労、睡眠不足が原因となって起こるケースがあり、原因を特定して対処することで改善が見込めます。しかし、情緒不安定な状態が長期間続いている場合は 精神疾患を発症している可能性があるので、専門的な治療が大切となります。

情緒不安定と精神疾患の関係性

情緒不安定な状態は、うつ病や双極性障害、パーソナリティ障害などの精神疾患の症状として現れる場合もあります。
例えば、うつ病では抑うつ状態に伴い感情が混乱したり、双極性障害は気分の高揚と落ち込みを繰り返したりします。

性格的な問題であれば様子をみても良いかもしれませんが、あまりに感情の起伏が激しい場合や他の身体・精神症状もみられる場合は、専門医に判断してもらうと良いでしょう。

情緒不安定になりやすい人の特徴

情緒不安定になりやすい人の特徴

情緒不安定になりやすい人は、神経質で劣等感を感じやすい傾向にあるといわれています。では実際に、情緒不安定になりやすい人の主な特徴をみていきましょう。

情緒不安定になりやすい人の特徴①物事を否定的に考える

物事を否定的に捉える人は、失敗やトラブルに直面した際に自分を責めたり、極端に悲観的になったりします。
些細なことに反応しやすくなるため、ちょっとしたことでイライラしたり不安を覚えたりしやすくなるのです。

情緒不安定になりやすい人の特徴②神経質な傾向がある

神経質な人は、環境の変化や他人の言動に過敏になってしまうため、情緒のバランスを崩しやすいようです。
例えば、職場で些細なミスをしたり、他人から指摘をされたりすることが大きなストレスになり、過度な不安や緊張につながるといわれています。

情緒不安定になりやすい人の特徴③劣等感を感じやすい

劣等感を強く感じる人は、自分の能力や価値を過小評価する傾向にあるため、些細なことでも敏感になるようです。
人間関係においても、自分を卑下してしまう場面が多いとされ、自信の欠如や他人との比較から情緒が不安定になるといわれています。

情緒不安定になりやすい人の特徴④周囲から十分なサポートを受けられていない

家族に頼れない、友人が少ないなど、周囲から十分なサポートが受けられていない場合、孤独感や不安感が増すことでメンタルが不安定になるといわれています。
また、ストレスに対して自力で対処する必要が出てくるため、精神的負担から情緒バランスが崩れやすくなるようです。

情緒不安定になりやすい人の特徴⑤コミュニケーションスキルが低い

コミュニケーションスキルが低い人の場合、自分の感情や意見をうまく表現できず、ストレスが蓄積しやすくなるといわれています。
また、誤解や対立も生みやすいことから周囲との関係が構築できず、大きなストレスが生まれるようです。

参考
・情緒不安定要素が若者の自己肯定感に与える影響|東海大学

情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる症状

情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる症状

ここでは、情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる代表的な症状を解説します。

情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる症状①気分の浮き沈み

気分の浮き沈みが激しい状態とは、喜びや悲しみ、イライラなどの感情が強く現れたり消えたりする状態のことです。例えば、楽しいことがあったかと思えば、翌日は些細なことで落ち込んでしまうといった症状がみられるようです。

情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる症状②怒りっぽくなる

普段は冷静な人でも、些細なことで怒りっぽくなることがあるようです。怒りがコントロールできなくなり、周囲に当たり散らしたり表情が険しくなったりするといわれています。

情緒不安定・精神状態が良くない時にみられる症状③何かに依存する

強い不安やストレスから逃れるために、何かに依存するケースもあるようです。
依存先はアルコールやギャンブル、過食などさまざまで、薬物に手を出すケースもあるといわれています。依存行動により一時的な安らぎが得られますが、放置すると大きな健康被害をもたらす可能性が考えられます。

参考
・精神の 安定と不安定|J-STAGE

情緒不安定になる原因

情緒不安定になる原因

では実際に、情緒不安定になる原因をみていきましょう。

情緒不安定になる精神的な原因「環境変化や仕事のストレス」

環境変化や仕事のストレスがかかると、頭がパンク状態になって対処できなくなることで、情緒不安定につながるようです。
また、ストレスや不安から寝つきが悪くなることもあり、睡眠不足による疲労が悪循環を招くとも考えられています。
過労な業務、対人関係トラブル、家族間の問題など、ストレスにつながる要素はさまざまなので、自分の感情を優先して適度に休息を取ることが大切です。

情緒不安定になる身体的な原因「自立神経やホルモンバランスの乱れ」

自律神経やホルモンバランスの乱れが起こると、心身にさまざまな不調が出るため、ストレスを感じやすくなり情緒不安定な状態を引き起こすようです。
特に、月経周期や妊娠、更年期などのホルモン変動が大きい時期には、感情の起伏が激しくなるといわれています。不規則な生活習慣も影響を及ぼすので、体に優しい生活を心がけることが大切です。

情緒不安定・精神状態が良くない時に疑われる精神疾患

情緒不安定・精神状態が良くない時に疑われる精神疾患

情緒不安定や精神状態が良くない時には、さまざまな精神疾患が疑われることがあります。以下では、考えられる代表的な精神疾患を解説します。

うつ病

うつ病は、気分の落ち込みや抑うつ気分、意欲低下などがみられる精神疾患です。
何をしても楽しめなくなることが特徴で、引きこもりがちになったり会話を避けるようになったりします。症状の一つとして、怒りっぽくなることもあげられ、ただの情緒不安定ではなくうつ病だったというケースもあるようです。

うつ病についての詳しい解説は下記からご覧下さい。
<うつ病の症状や原因について>

双極性障害

双極性障害は、気分の落ち込みと高揚を繰り返す精神疾患です。
症状として、躁状態(高揚感、過活動、過剰な自信)と抑うつ状態(抑うつ気分、エネルギーの低下、興味喪失など)が交互に現れることが特徴で、情緒不安定といわれる状態になります。

双極性障害についての詳しい解説は下記からご覧下さい。
<双極性障害の症状や原因について>

統合失調症

統合失調症は、妄想や幻覚がみえて、現実との区別がつかなくなる精神疾患です。
思考の混乱がみられたり思い込みが激しくなったりすることから、いきなり怒り出す、話が支離死滅になる、感情表現が減少するなどの症状が現れる傾向にあります。

下記では、統合失調症になりやすい人の特徴や治療法について解説していますので是非チェックしてみてください。

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害は、偏った思考回路により、対人関係に支障をきたす精神疾患です。症状としては、感情の起伏の激しさや両極端な思考があげられます。
パーソナリティ障害では、自身がきっかけで起こる問題や不安がストレスになることで、情緒不安定な状態に陥ると考えられています。

PTSD

PTSDは、過去に受けたトラウマがフラッシュバックする精神疾患です。
主な症状には、悪夢や過度の警戒心、感情の麻痺、不眠、イライラなどあげられ、情緒が不安定な状態になりやすいようです。
PTSDは、戦争や災害、暴力などの辛い体験が引き金となるケースが多いといわれています。

また、上記の精神疾患以外で、パニック障害という症状もございます。詳しくは下記からご覧ください。
<パニック障害の症状や原因について>

情緒不安定で精神状態が良くないと感じる時の対策法

情緒不安定で精神状態が良くないと感じる時の対策法

ここでは、情緒不安定で精神状態が良くないと感じる時の対処法を解説します。

情緒不安定で精神状態が良くない時の対策法①十分な睡眠を確保する

十分な睡眠が確保されていないと、正常な判断ができなくなり、メンタルが揺らぎやすくなるといわれています。
体の疲労も取れず、疲れからくるストレスといった悪循環を招く可能性もあるため、質の良い睡眠が取れるよう睡眠環境などを見直すと良いでしょう。
例えば、就寝前はスマホを触らない、寝る前にお風呂に浸かる、枕の高さを合わせるなど少し工夫で睡眠の質が変わるので、実践してみると良いです。

情緒不安定で精神状態が良くない時の対策法②自分の気持ちを整理する

自分の気持ちを整理することで、感情の混乱を落ち着かせたり、自身の気持ちを見つめ直せたりするといわれています。
方法としては、気持ちを思いのまま書き出してみたり、日記として感情を記録したりすることがおすすめです。感情を客観視できるため、自己反省につながったり情緒が乱れる原因と対策が分かったりするかもしれません。

情緒不安定で精神状態が良くない時の対策法③体をしっかりと動かす

体を動かすことで、幸せホルモンであるエストロゲンの分泌につながるといわれています。
激しい運動をする必要はないので、少し汗をかく程度の軽いウォーキングやジョギングをすると良いでしょう。気分転換やリラックス効果も期待できるため、メンタルを維持するきっかけになります。

情緒不安定で精神状態が良くない時の対策法④身近な人に相談する

身近な人に気持ちを打ち明けたり、相談をしたりすることで、気持ちが軽くなるかもしれません。また、誰かに話すことで孤独感が減るため、安心感を得るきっかけになるようです。
話し相手が限られている場合は、専門的なカウンセリングを受けることもおすすめです。専門医の支援により、根本的な問題改善が期待できます。

情緒不安定で精神状態が良くない時の対策法⑤心療内科・精神科に相談

情緒不安定や精神状態の不調が長引く場合、心療内科や精神科に相談することが大切です。
クリニックで詳しい検査をしたり、話を聞いてもらったりすることで、症状改善や負担の軽減を目指せます。また、精神疾患による情緒不安定の可能性も考えられるため、専門医の診断を受けると良いでしょう。

情緒不安定・精神状態が良くないと感じる際は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください

情緒不安定・精神状態が良くないと感じる際は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
臨床心理士、公認心理士在籍のカウンセリングにより、気持ちを整理したり適切な症状改善を目指せたりします。症状に合わせた治療のご提案も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

情調不安定になる原因として、性格は関係しますか?

自己肯定感が低い、神経質、ネガティブ思考などの性格を持っている場合、情緒不安定になりやすいといわれています。

精神状態が良くない時の対処法を教えてください

精神状態は良くないときは、感情の整理や気分転換をするために、気持ちを紙に書き出したり適度な運動を取ったりすると良いです。

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