大人のADHDとは？仕事でみられる症状や放置するリスクを徹底調査

「職場の雑音が気になって仕事に集中できない」
「作業ミスが多いから治らない」
このような症状に当てはまる場合、大人のADHDの可能性が考えられます。
子どもの頃はADHDの特性がみられなくても、大人になり仕事を始めると顕著にあらわれることがあります。

そこでこの記事では、大人のADHDの特徴や仕事でみられる症状、症状を放置するリスクについて解説するので、症状について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

新宿うるおいこころのクリニック院長

大垣宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

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大人のADHDとは？

悩んでいる女性とそれを支える女性

大人のADHDとは、その名の通り、成人した大人が、注意力の不足や衝動性・多動などの特性を持つ発達障害のADHDを発症していることです。
ADHＤ自体は生まれながらの先天的なものですが、子どもの頃は見逃されていた特性が大人になってから気付くケースも多く、大人のADHDとして症状を自覚することもあります。
特性が、成人後にどのような影響を及ぼすかは人によって異なりますが、仕事でのミスやビジネスシーンでのやりとりの中で気付くパターンが多いようです。

大人のADHDの特徴

大人のADHDの特徴としては、「注意力が散漫になりやすい」「計画的に物事を進めるのが苦手」「衝動的な行動や思考が目立つ」などの症状があげられます。
また、長時間集中することが難しく、期限を守るのが苦手だったり物をよく失くしたりする傾向もみられるようです。中には、仕事や家庭で発生する作業の優先順位付けができずトラブルを引き起こすこともあるといわれています。

大人のADHDは仕事がきっかけで見つかることもある

大人のADHDは、仕事を通して気付くことも多いといわれています。例えば、納期が遅れる、計画性がなくタスクをこなせない、指示を忘れるなどの作業ミスからADHDが疑われることがあるようです。
また、複数のタスクを同時にこなしたり、集中して仕事を進めたりすることも苦手な傾向から、仕事の効率が落ちてミスが頻発するケースも多いといわれています。

大人のADHDの方が仕事中にみられる症状

ADHDでパニックになる男性

以下では、大人のADHDの方が仕事中にみられる主な症状について解説します。
大人のADHDの特性によって、作業効率が悪くなったり周りからの評価が下がったりする可能性もあるので、症状を理解して早めに適切なサポートを受けるようにしましょう。

大人のADHDの仕事でみられる症状①周りが気になって仕事に集中できない

オフィスでは、人が動き回ったり色々な音が聞こえたりするため、他の人の動きや音に気を取られてしまい、仕事に集中できなくなるようです。
例えば、隣の席の会話が気になって重要なタスクに集中できない、視界に移る人の動きが気になり気が散るなどの状況に悩まされるケースが考えられます。このように刺激が多い職場では、業務効率の悪化やミスの連発を招くといわれています。

大人のADHDの仕事でみられる症状②スケジュール管理ができずミスも多い

大人のADHDの人は、スケジュール管理や時間の把握が苦手といわれています。仕事において時間管理を求められる場面は多々ありますが、スケジュール管理が苦手なため、納期に遅れたり急なタスクをこなす際にミスが増えたりするようです。
また、計画を立てられず重要なタスクを後回しにしてしまう、無駄な時間を作ってしまうなどの問題を起こす傾向にあります。

大人のADHDの仕事でみられる症状③マルチタスクをこなせない

マルチタスクが苦手な傾向から、複数の仕事の同時進行が求められる場面でも一度にひとつの作業にしか集中できず、他の作業を後回しにしてしまうことがあるようです。
例えば、後から緊急性の高い仕事を頼まれても取り掛かっている仕事を優先してしまう、複数のプロジェクトを抱えられないなどの支障が考えられ、結果としてタスクが滞ったり全ての作業が手つかずになったりすることで、業務の遅延を招くといわれています。

下記記事ではADHDのセルフチェックを紹介しています。併せてご覧ください。

【公式】新宿うるおいこころのクリニック | 新宿の心療内科・精神科[東京新宿駅徒歩3分]

ADHDをセルフチェック診断テスト！気になる症状はいくつ当てはまっている？

https://uruoi-clinic.jp/mental-column/adhd/adhd-diagnostic-test

大人のADHDの症状により仕事が上手くいかない時の対処法

脳の足りないピースをはめこむイメージ
大人のADHDを持つ人が仕事で困難を感じる時、特性に合った対処法を取り入れることが大切となります。以下では、辛さを軽減するおすすめの対処法をご紹介しているので、特性に悩まされている方はぜひ参考にしてみてください。

周りの人に大人のADHDの症状を打ち明ける

大人のADHDの症状に対処するためには、職場で周囲の人々に特性について理解してもらうと良いです。ADHDが原因で仕事の進行に支障が出ていることをオープンに話すと、上司や同僚からのサポートを得やすくなるかもしれません。
また、集中力が途切れやすいからデスク環境を整える、時間の管理が難しいから急な予定は入れないなどの特性に合わせた対応をすることで、無理のない業務を実現できるでしょう。

集中力が続きやすい環境を整える

集中力が続かない場合、静かな場所での作業や雑音を遮断できるイヤフォンの使用がおすすめです。特性により少しの音や動きでも気が散ってしまう場合、自分の世界に没頭できる環境を整えることで、作業効率を大幅に向上が叶うといわれています。
また、作業スペースは整理整頓を心がけ、必要なものだけを手元に置くと視覚的な刺激を減らせて仕事に集中しやすくなるようです。

予定を全てスマホなどで管理しておく

スケジュールの管理や把握を円滑にさせるためには、アプリを使った予定の一括管理がおすすめです。リマインダー機能やカレンダーアプリを活用し、全ての予定を詳細に記録しておくことでタスク忘れを防げるようです。
また、納期や会議が入っている時は、日時が近づいた時に通知を受け取るように設定すると、重要なタスクを見逃す心配がなくなるかもしれません。

大人のADHDは治療で目立たなくなる？

男性医師が診察している様子
大人のADHDの症状は、適切な治療を通して対処法を学ぶことで、目立たなくなったり特性と付き合いやすくなったりするといわれています。
特性を完全になくすことは難しいですが、治療によって特性に伴う困難の解消を目指せるので、日常生活でも自分に合う方法で工夫してみると良いでしょう。

作業中の困難軽減が期待

治療を通して頭の中をすっきりさせると、集中力の維持が可能になるため作業効率の向上につながるといわれています。
また、環境調整により静かで落ち着く作業環境を整えると、音や光の刺激からくるストレスが軽減されて作業の進行がスムーズになります。

コミュニケーションも取りやすくなり自己肯定感が上がる

大人のADHDでは、衝動的な行動を取ったり感情のコントロールが難しかったりすることから、人間関係を構築する際にトラブルを起こす可能性があります。治療を通して感情の調整方法を習得すると、相手の気持ちを考えたコミュニケーションが取れるようになるといわれています。
また、対人関係が円滑に進むことで、徐々に自信がつき治療に対して前向きに考えられるようです。

自己管理がしやすくなる

大人のADHDでは、衝動性から金遣いが荒かったり後先考えず行動したりするケースもありますが、自己管理能力を高めるサポートを受けることで、時間やタスク管理ができるようになるといわれています。
また、日々のタスク管理ができると、
「仕事で提出しなくてはいけない作業を忘れる」
「複数タスクがこなせず焦る」
といった悩みが改善され、生活全般のストレス軽減につながるようです。

大人のADHDの症状を放置するリスク

自宅で悩んでいる男性
大人のADHDの症状を放置していると、周囲との信頼関係が損失したり不眠症などの精神疾患を引き起こしたりするリスクが高まります。
以下では、症状を放置することによる3つのリスクについて解説するので、早速みていきましょう。

大人のADHDの症状を放置するリスク①ミスが多く周囲からの評価が下がる

大人のADHDを放置すると、衝動性や注意力の欠如からミスが増えて、周囲の評価が低下したり昇進の機会をなくしたりする恐れがあります。また、会議中でも相手の話を遮る、優先順位を無視して違う作業をするなどの衝動的な行動から、職場での信頼関係が損なわれる可能性も考えられ、放置すればするほど孤立感が高まるといわれています。

大人のADHDの症状を放置するリスク②ストレスから不眠症になることもある

特性によってミスやトラブルが続くと、ストレスから不眠症を引き起こす可能性があるといわれています。
不安や焦りが夜間に強くなり、眠ろうとしても心が落ち着かず眠れないため、慢性的な疲労に悩まされるようです。体が疲れている状態では心が不安定になりやすく、大人のADHDの症状悪化を招く可能性もあります。

大人のADHDの症状を放置するリスク③他の精神疾患の合併リスクが高まる

大人のADHDの症状を放置することによって、うつ病や不安障害、アルコール依存症など他の精神疾患を併発するリスクが高まる可能性があります。
また、衝動的な行動による問題が続くと、人間関係のトラブルや社会的孤立が進み、精神的な不安を強めるともいわれています。
症状によっては、複数の精神疾患が同時にあらわれるケースも考えられるので、精神不調が続く際は病院に相談することが大切です。

大人のADHDに他の精神疾患が合併している場合は新宿うるおいこころのクリニックへお越しください

今回は、大人のADHDの特徴や仕事でみられる症状、症状を放置するリスクについて解説しました。
大人のADHDは、仕事の作業ミスやタスク忘れなどを通して気付くケースが多いとされ、症状を放置すると周囲からの信頼損失やストレスによる不眠症を招くといわれています。
また、大人のADHDに伴い他の精神疾患を合併する可能性もありますが、いち早く治療することで重症化を防げるので、精神不調を感じる場合は精神科・心療内科に受診してみてください。

大人のADHDに他の精神疾患が合併している場合は、新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください。
経験豊富な医師が、症状に寄り添う治療提案をすることで、一人ひとりに合わせた症状改善を目指せます。治療では自由診療もご用意しているため、「投薬を控えたい」「通院負担を減らしたい」などのご要望にもできる限り対応いたします。
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