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全般性不安障害とは?症状から特徴、治し方まで分かりやすく解説

全般性不安障害とは?症状から特徴、治し方まで分かりやすく解説

あらゆる出来事に対して不安を覚える全般性不安障害。
パニック障害や社交不安障害(SAD)と違い、発症に至る特定の出来事が存在しないため、発症すると常に生じる強い不安に苦しめられます。

この記事では、全般性不安障害についてよく分かっていない方向けに、症状や特徴、治し方を分かりやすく解説します。自宅でできるケア方法も含めて解説するので、心当たりのある方はぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

全般性不安障害とは

うつむく女性
全般性不安障害は、あらゆる出来事に対して不安を抱く精神疾患のことです。例えば、仕事や学業の成果、人間関係など、明確な理由がなくても必要以上に心配し続けてしまいます。
また、不安は本人がコントロールしづらく、心配しすぎと頭では理解していても抑えられないことが特徴です。常に最悪のシナリオを考えてしまうため体が休まらず、動悸や頭痛などの身体症状として現れるようです。

全般性不安障害の発症率

全般性不安障害の生涯有病率は約5~6%と報告されています。日本においても、成人の4〜9%程度といわれており、決して珍しい病気ではありません。また、うつ病やパニック障害として扱われている全般性不安障害もあるとされ、実際にはさらに数が多いと考えられています。

参考
・わが国の全般不安症の現状と課題|大坪天平(東京女子医科大学附属足立医療センター)

全般性不安障害の特徴

頭を抱えて悩む女性
ここでは、全般性不安障害の特徴について解説します。

全般性不安障害の特徴①不特定の事柄に対して不安を抱く

全般性不安障害は、具体的な理由がなくても強い不安を感じ続ける傾向があります。
例えば、
「家族が突然の事故に巻き込まれるのではないか」
「今後の収入が減少して生活が苦しくなるかもしれない」
など、様々なことに対して強い不安を抱きます。

また、不安に至る思考自体が異常なことを自覚していますが、次々と新たな心配事が浮かんでくるため、気持ちを落ち着けられず精神的な負担が大きくなるようです。

全般性不安障害の特徴②不安により落ち着きがなくなる

常に気持ちが落ち着かないことで、そわそわとした状態が続く傾向にあります。例えば、不安を感じると手足がむずむずしたり、貧乏ゆすりをしたりすることがあり、周りから指摘されるケースも少なくないようです。
また、注意力が散漫になり集中力が低下するため、
「いつも焦っている」
「落ち着きがない」
といった印象を持たれやすくなるといわれています。

全般性不安障害の特徴③不眠などに悩まされる

強い不安を感じる状態が続くため、夜になっても心配事が頭から離れず、寝付けない日が増えるようです。また、眠れても途中で目が覚めてしまったり、早朝に起きて二度寝ができなくなったりするといわれています。
不眠が長引くと、物事を冷静に考えられなくなるため、不安がさらに強まったりイライラしたりといった悪循環を招くリスクが高まります。

全般性不安障害の症状

頭を手をあてうつむく女性

では次に、全般性不安障害の身体症状と精神症状について解説します。

全般性不安障害の身体症状

全般性不安障害の主な身体症状は、以下のとおりです。

  • 疲労感:不安が持続することで、慢性的な疲れを感じるようになる
  • 過覚醒:神経が過敏になり、物音や周囲の状況に敏感に反応する
  • 体の強張り:筋肉が緊張し、体の各部位(肩や首など)が硬くなる
  • 自律神経症状:心拍数の増加、息切れ、汗をかきやすい、手足の冷えなどの症状が現れる

全般性不安障害の精神症状

全般性不安障害の主な精神症状は、以下のとおりです。

  • 強い不安や心配:小さな出来事や未来の出来事に対して過度に心配する
  • 集中力の低下:何かに集中することが難しく、注意力が散漫になる
  • 焦燥感:イライラや焦る気持ちが増し、強い焦燥感に駆られる
  • 落ち着かなさ:じっとしていることが苦痛に感じる
  • 予期不安:症状によるパニック発作が出ることに対して不安を感じる

全般性不安障害になるきっかけ

ベッドで苦しそうに眠る女性
全般性不安障害は、さまざまな要因が積み重なり発症に至ると考えられています。中でも、ライフイベントや環境の変化による影響が大きく、転職や結婚、引っ越しにより不調をきたす人もいるようです。
また、他の精神疾患の影響も考えられており、うつ病から全般性不安障害を併発するケースもあるといわれています。以下では、それぞれの具体的なきっかけについて説明するので、一つずつみていきましょう。

ライフイベントでのストレス

全般性不安障害は、人生の大きな変化に伴うストレスが引き金となることが多いようです。
例えば、
「就職した職場にうまく馴染めない」
「転職によって生活への負担が増えた」
「結婚をして考えることが増えた」
など、環境が大きく変わる出来事はストレスの原因になるといわれています。

ライフイベントの変化によるストレスは、誰もが経験する普通のことですが、ストレス耐性が低い人や不安を感じやすい性格の人は、何事も考えすぎてしまうため不安が慢性化しやすいと考えられています。

他の精神疾患の影響

全般性不安障害は、うつ病やパニック障害、強迫性障害など他の精神疾患を併発するリスクもあります。中でも、うつ症状と全般性不安障害は合併しやすく、全般性不安障害により強い不安を感じやすい状態になるとうつ病に発展するケースもあるようです。また、パニック障害を持っている人は、発作の恐怖から慢性的な不安を抱えることで、全般性不安障害の症状が現れる傾向にあります。
他の精神疾患がきっかけで発症した場合、目立っている症状や体調に合わせて治療が選択されます。それぞれの症状の影響が強いため、1つの疾患を治療することで他の疾患の改善も期待できるようです。 

幼少期のショッキングな出来事

幼少期は、脳が十分に発達しておらずストレス耐性が低いため、強いストレスを受けた出来事が全般性不安障害のきっかけになると考えられています。
例えば、
「親が離婚して大変だった」
「学校でいじめを受けていた」
「幼い頃に虐待を受けていた」
といった経験をしていると、ストレスに対する影響が長く残りやすいようです。
また、幼少期に安心できない環境で育つと、どこにいても危険だと無意識に学習し、大人になっても警戒心や不安を抱きやすくなるといわれています。

全般性不安障害の診断基準

診断する医師

全般性不安障害の診断は、医師が患者の症状や生活状況を総合的に判断した上で行われます。
以下では、DSM-5を参考にした診断基準をご紹介するので、自身の症状に当てはまるかチェックしてみましょう。

  • コントロールできない強い不安や心配が、少なくとも6か月以上持続している
  • 落ち着きのなさ、緊張感がみられる
  • 過剰な興奮が続いている
  • 疲れやすいと感じる
  • 集中することが難しいと感じる
  • 筋肉の緊張がある
  • 睡眠障害に悩まされている

全般性不安障害の治療法

全般性不安障害の治療では、薬物療法、心理療法、環境調整を用いることが一般的です。
具体的には、薬物療法では主に抗うつ薬や抗不安薬が処方され、不安を軽減することで心のバランスを整えます。心理療法では、認知行動療法などを用いて不安に感じてしまう理由を探ったり、考え方を修正したりします。
また、リラクゼーション法や生活習慣指導など、ストレス管理を取り入れることも多く、心身に様々なアプローチをすることで不安症状が軽減されるようです。

全般性不安障害の治し方

安心させる医師

全般性不安障害を改善するためには、病院での治療だけでなく、日常生活でのセルフケアも大切と言われています。以下では、自宅で行える全般性不安障害を治すための工夫について解説するので、少しずつ取り入れてみましょう。

全般性不安障害の治し方①なるべくストレスのかからない環境を整える

全般性不安障害の症状を軽減するためには、なるべくストレスの少ない環境を作ると良いです。不安を引き起こす要因は人それぞれ異なるため、まずは落ち着ける環境でストレス源は何かを振り返ってみましょう。
また、ストレスの多い環境に居続けると、症状は悪化しやすくなります。早く改善させるためにも、職場が原因の場合は業務量を調整したり家庭が原因の場合は話し合ったりして、ストレス源を減らす工夫をしましょう。

全般性不安障害の治し方②アルコールの摂取を控える

アルコールは脳の神経系を興奮させる作用を持つため、摂取すると全般性不安障害の症状が悪化するといわれています。アルコールを摂取することで一時的にリラックスできても、長期的にみると心身への悪影響が大きく、不安を感じやすい状態になるとも考えられています。
また、不安から逃れるためにアルコールを飲み続けている場合、アルコール依存症のリスクを高めるので、他のリラックス法を見出すことが大切です。

全般性不安障害の治し方③同じ経験を持つ人と交流する

全般性不安障害を抱えていると、不安な気持ちを誰にも理解してもらえず、孤独を感じることがあるようです。孤独を感じている場合、同じように症状と向き合っている人と交流を持つことで、「辛いのは自分だけではない」と実感でき、安心感が生まれたり前向きになれたりするといわれています。
また、他の人の不安との向き合い方を知ることで、自分に合う克服法を見つけるきっかけになるかもしれません。

全般性不安障害の治し方④精神科・心療内科へ受診する

不安が長期間続いている場合は、自己判断で対処するのではなく、精神科・心療内科を受診することをおすすめします。病院へ行くことで、抱えている問題の根本原因が分かったり、状況を客観視するきっかけになったりするでしょう。
また、悩みを誰にも話せず辛い場合も、カウンセラーに打ち明けることで気持ちが楽になるかもしれません。全般性不安障害は、適切な治療法により早期改善を目指せるので、一度受診してみることをおすすめします。

新宿うるおいこころのクリニックでは全般性不安障害の治療に対応しています

新宿うるおいこころのクリニックでは、全般性不安障害の診断・治療に対応しています。
治療では、症状や進行具合に応じた治療提案により、一人ひとりに合わせた症状改善を目指せます。
誰にも言えない強い不安に悩まされている場合でも、ご希望に応じてカウンセラーがじっくり話をお聞きすることが可能です。
患者様全員が治療に対して前向きな気持ちで挑めるようにサポートしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問

全般性不安障害は治りますか?

全般性不安障害は、適切な治療により治るといわれています。また、治療を通して不安感情をコントロールできるようになるため、徐々に日常生活への影響は軽減していくようです。

全般性不安障害は女性に多い疾患ですか?

全般性不安障害の男女差は確認できていません。しかし、女性はホルモンバランスの変化によってストレス耐性が変わっていくため、女性には全般性不安障害のきっかけとなるストレスを受けやすい人も多いと考えられています。

全般性不安障害とは?症状から特徴、治し方まで分かりやすく解説

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20歳未満の方へ
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当院では、18歳未満の方は治療をお受けいただけません。
自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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