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メンタルコラム

不安障害の一種である不安神経症とは?他の疾患との違いや特徴を解説

不安障害の一種である不安神経症とは?他の疾患との違いや特徴を解説

「何をしていても不安を感じる」
「常に最悪の結果を想像してしまう」

と、日常のあらゆることに不安を覚える場合、不安神経症の可能性があります。
不安神経とは、生活におけるさまざまなことに対して不安になってしまう精神疾患で、不安障害の一つに分類されるものです。

この記事では、不安神経症の特徴や、他の不安障害の種類との違いについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

このコラムの監修医師

新宿うるおいこころのクリニック 院長

大垣 宣敬

患者様が抱えているものは1人1人異なっており、症状の種類や程度も千差万別です。 私たちは患者様からお話を聞くことで悩みを共有し、ご希望や思いを丁寧に汲み取りながら、患者様中心の医療を共に実践していけるよう心がけています。

不安障害の一種である不安神経症とは

胸を抑える女性
不安障害の一種である不安神経症とは、日常的に強い不安や恐怖を感じる精神疾患です。
発症すると、日常のささいな出来事を深刻に捉えたり、最悪の事態を想定してしまったりするため、コントロールできないほどの不安感に襲われます。また、不安は一時的なものではなく、長期間にわたって続くことが多いため、生活全般に悪影響を及ぼすようです。

生活における支障としては、仕事に集中できなくなったり、人間関係がうまく築けなくなったりすることがあるほか、過度な心配が原因で眠れなくなる、身体的な不調を引き起こすといった症状が見られるケースも少なくありません。
不安神経症は、単なる心配性とは異なり、放置すると症状が悪化し社会生活に支障をきたす可能性があるため、早期の治療が大切となります。

参考
・不安神経症患者と両親の養育態度の関連|小川 雅美(東女医大誌 第64巻 第5号頁418~423.平成6年5月〕)

不安神経症になると過剰な恐怖を感じる

不安神経症を発症すると、特定の出来事に対して必要以上に強い恐怖を抱くようになります。深刻に考える必要のない場面でも、極度に不安を感じ心が落ち着かなくなるため、誰かと話す際に異常な緊張を覚えたり、外出自体に強い抵抗を示したりするといわれています。

また、感じる恐怖に対しておかしいと認識していても、自力ではコントロールできないことが特徴です。不安が長引くことで、動悸や息苦しさ、めまいなどの身体的不調が現れることも特徴で、不調からさらなる恐怖を引き起こすこともあるようです。

不安神経症に似ている疾患として社交不安障害(SAD)と呼ばれる不安障害もある

社交不安障害(SAD)は、人に注目される場面で強い不安を感じる不安障害です。例えば、面接の場面で強い緊張を覚えたり、視線が過剰に気になって思うように行動できなかったりすることがあり、発汗や赤面などの身体症状があらわれます。

一方、不安神経症は、不安の対象が特定の場面に限定されないという特徴があります。不安神経症の場合、発症するタイミングが漠然としているため、明確な原因が分からないことも珍しくないようです。

不安障害と不安神経症について

頭を抱えて悩む女性

不安障害は、強い不安や恐怖に悩まされる精神疾患の総称です。一方、不安神経症は、不安障害の一種に分類される精神疾患のことを指します。
不安障害には、パニック障害や全般性不安障害なども含まれるため、症状は多岐にわたります。以下では、不安障害と不安神経症の特徴をそれぞれ説明しているので、参考にしてみてください。

不安障害とは

不安障害の特徴は、日常生活に大きな支障をきたすほど強い不安が続くことです。不安障害に分類される疾患としては、パニック障害や社交不安障害(SAD)、全般性不安障害などがあげられ、不安神経症もその一つです。不安障害に分類される精神疾患に共通する症状としては、強い不安に襲われることがあげられます。

不安神経症の特徴

不安神経症は、明確な理由がないにもかかわらず、強い不安が長期間続く不安障害です。
例えば、仕事の失敗を過度に恐れたり、将来に対して必要以上に悲観的になったりすることがあります。動悸や息苦しさ、消化不良、めまいなどの身体的な不調が現れるケースも少なくありません。
また、不安を避けるために社会的な交流を避けたり、外出を控えたりするケースも多いですが、適切な治療により改善が期待できるといわれています。

同じ不安障害である社交不安障害(SAD)と似ている不安神経症の症状

苦しそうに眠る女性

ここでは、社交不安障害(SAD)と似ている、不安神経症の精神的・身体的症状をそれぞれ解説します。

不安神経症の精神的な症状

精神的な症状としては、将来への根拠のない不安に襲われたり、特に危険がない状況でも恐怖を感じたりすることがあげられます。また、過去の些細な失敗を何度も思い返し、「また同じ過ちを犯すのではないか」と強く心配する傾向もあるようです。
強い不安から集中力が低下することもあり、仕事のパフォーマンスに影響が出たり、物事への意欲が減退したりするほか、不安感が慢性化して気分の落ち込みが激しくなり、抑うつ症状を伴うこともあるといわれています。一方、社交不安障害(SAD)は、主に他人と接する際に強い恐怖や不安を感じることが特徴で、特に人前で話すことや注目を浴びる場面で顕著に現れます。

不安神経症の身体的な症状

不安神経症の身体的な症状としては、不安を強く感じた際に心拍数が急激に上がり「心臓に異常があるのではないか」と恐怖を感じることがあげられます。呼吸が浅くなり息苦しさを覚えた結果、過呼吸を引き起こしたり、さらにパニック状態に陥ったりするケースもあるようです。
また、消化器系の不調も頻繁に見られ、胃痛や吐き気、食欲不振、便秘といった症状が長期間続くこともあるといわれています。一方、社交不安障害(SAD)は、身体的な反応として、手の震えや発汗、顔の紅潮、声の震えなどが他者の注目を受けた際に強く表れることがあるようです。
不安神経症の場合、不安の対象が人ではないため、人目の有無にかかわらず不安を感じて症状があらわれますが、社交不安障害(SAD)では不安の対象が人のため、人目がある場面で特に症状が出やすいという違いがあります。

不安神経症の原因

暗い部屋で頭を抱えて悩む女性

不安神経症の発症には、精神的ショックや悩み、何らかのストレスなどか関係しているようです。また、原因がなくても突然不安神経症になるケースもありますが、一般的には環境変化やストレスの影響が大きいと考えられています。
また、心配性な性格や完璧主義な性格も、発症のきっかけになるといわれているほか、幼少期のトラウマ体験などの関係も示唆されています。

不安神経症の治療法

女性医師
ここでは、主に行われる不安神経症の治療法について解説します。

不安神経症の治療法①認知行動療法

認知行動療法は、自分の考え方自体を変えていく治療法です。不安神経症の患者は、特定の状況に対して過度にネガティブな解釈をしてしまう傾向にあります。そのため、絶対に失敗すると思っていたことが、実際には問題なくできたという経験を治療を通して学んでいくことで、過剰な不安を和らげられるようです。

不安神経症の治療法②薬物治療

症状によっては、薬物療法による治療が採用されるケースもあります。
不安神経症の薬物治療に使用される薬としては、「抗不安薬」「抗うつ薬(SSRIやSNRI)」「β-ブロッカー」があり、症状や体調に合わせて薬が選択されます。

抗不安薬

抗不安薬は、不安や緊張を和らげる薬です。急な発作やパニック症状を抑える効果が期待できるため、強い不安を抱える人に良いとされています。
服用により徐々に気分が落ち着きますが、長期間の使用は依存性が伴う可能性があるため、医師の指導のもと適切な用量を守りながら使用しなければいけません。また、抗不安薬の中には眠気を引き起こす種類も存在するので、副作用を確認した上で服用しましょう。

抗うつ薬

抗うつ薬としては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)があげられます。服用することで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンを調整でき、不安や抑うつ状態が軽減されるといわれています。
服用する際は、単体で使用する場合もありますが、認知行動療法や生活習慣の改善と組み合わせることで、より効果的な治療になるようです。

β-ブロッカー

β-ブロッカーは、不安神経症の身体症状を抑えるために飲む薬です。β-ブロッカーは即効性が期待できるため、一時的に不安を和らげたい人にとって有効な選択肢となるといわれています。
服用すると、交感神経の働きが抑制されて心拍数が安定する効果が期待でき、動悸や手の震え、発汗などの身体症状のコントロールにつながるようです。

参考
・不安障害の薬物治療の最前線|井上 猛
・社交不安症の薬物療法|塩入俊樹
・不安障害の薬物療法|井上 猛

不安神経症の治療法③生活習慣の改善

生活習慣の改善としては、運動の導入や睡眠改善、リラックス法の習得などがあげられます。例えば、適度な運動はストレスを解消し、セロトニンの分泌を促進する効果が期待できます。
また、不規則な睡眠習慣は不安を増幅させる原因となるため、毎日決まった時間に就寝し、質の高い睡眠を取るように意識することが大切です。そのほかにも食生活やリラックス法も大切となるので、他の治療法と並行して取り入れていくと良いでしょう。

不安神経症かも?と思ったら病院へ

診察をする男性医師

「常に不安を感じて落ち着かない」
「理由のない恐怖感情がある」
といった症状が続く場合は、不安神経症の可能性があります。症状に該当しなくても、不安が強い場合は何らかの不安障害かもしれないので、早めに病院に相談することが大切です。
医師の診断を受けることで、他の疾患との違いを明確にし、最適な治療法を選択できるようになります。また、安心して生活できるきっかけになるので、一人で抱え込まず相談してみましょう。

同じ不安障害である社交不安障害(SAD)の可能性も考えられる

不安神経症と似た症状を持つ疾患の一つに、不安障害や社交不安障害(SAD)があります。これらの疾患は、不安や恐怖を強く感じる点で共通していますが、それぞれ異なる特徴を持っています。
例えば、
「人前で発言するのが怖い」
「他人の視線が気になって外出できない」
といった症状が見られる場合、不安神経症に当てはまらない特定の場面での恐怖があるため、社交不安障害(SAD)の可能性が考えられます。症状名を明確にして適切な治療を受けるためにも、医療機関への受診は大切になるので、不調がみられたタイミングで早めに相談すると良いでしょう。

新宿うるおいこころのクリニックは不安神経症の治療に対応しています

新宿うるおいこころのクリニックでは、不安神経症をはじめとする不安障害の治療を行っています。
治療では、認知行動療法や薬物療法など、患者様に合わせた幅広い治療法を提供しており、安心して治療を受けられる環境を整えています。
不安神経症は、一人で抱え込むと悪化しやすいため、病院で適切な治療を受けることが大切です。新宿うるおいこころのクリニックでは、患者様の不安を軽減できるよう心掛けているので、理由のない不安や恐怖に悩んでいる方はぜひお気軽にご相談ください。

不安傷害についてより詳しく知りたい方は下記記事も併せてチェックしてみてください。

よくある質問

不安障害の一種である社交性不安障害(SAD)の症状を教えてください

不安障害の一種である社交性不安障害(SAD)の症状としては、注目される場面で強い不安を感じる症状があげられます。また、手の震え、顔の赤らみ、緊張感、発汗などが見られ、人前に出る行為自体を避けるようになることもあるようです。

不安神経症とは何ですか?

不安神経症は、特定の理由がないにもかかわらず、常に強い不安や心配を感じる精神的な障害です。予期せぬ不安に襲われることが多く、動悸や息苦しさを伴うこともあります。
治療では、認知行動療法や薬物療法と並行して、生活習慣の改善も行います。不安神経症を放置すると、日常生活に支障をきたすリスクが高まるため、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。

不安障害の一種である不安神経症とは?他の疾患との違いや特徴を解説

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自由診療の場合、18歳以上、20歳未満の方は保護者の同伴、もしくは同意書が必要となります。
以下よりダウンロードの上、保護者の方に記入いただいたものを当日ご持参ください。

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