パニック障害とは、突然の強い不安や恐怖に襲われ、動悸や息苦しさなどの発作が起きてしまう精神疾患です。
治療法にはさまざまな種類があり、ひとり一人のニーズに合わせた方法で完治が期待できます。
では、実際にどのような治療法あり、治すためには何をするべきなのでしょうか。
この記事では、パニック障害の治療法や発作が起きた時の対処法、治療の注意点について解説します。
目次
パニック障害は治せるのか
パニック障害とは、突然強い不安や恐怖に襲われ、動悸やめまい、吐き気が起こる精神疾患です。
原因は、過去のトラウマや性格によるもの、強いストレスなどさまざまで、脳内の神経伝達物質に異常が生じパニック発作が引き起こされます。
適切な治療を受けることで改善が見込める病気ではありますが、症状を放置し悪化させてしまうと、うつ病や不安障害につながり改善が遅くなってしまうため、早期の受診・治療が大切です。 下記の記事では、パニック障害の症状やタイプ別の特徴について解説しています。パニック障害について詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
パニック障害について詳しく知るパニック障害を治さず放置するリスク
パニック障害を放置することで、健康面や生活面に大きな影響をもたらす可能性があります。例えば、パニック発作で生じる心拍数や血圧の上昇、呼吸困難を放置していると、心筋梗塞や冠動脈疾患のリスクが通常の人より高くなります。
生活面では、いつ起こるか分からない発作への恐怖により、外出ができなくなったりうつ病になったりするリスクも生じる可能性があるのです。
パニック障害の発作が起きやすい場所
パニック発作は、一般的に下記の場所で起こりやすいといわれています。
乗り物の中
満員電車や飛行機などの乗り物の中では、自分の行動が制限されたり、逃げ出せないと感じたりしてしまうため発作が起こることがあります。
また、乗り物の揺れや騒音を強く感じることで、気持ち悪さや頭痛を引き起こしパニック発作につながってしまうこともあるのです。
人混み
人混みでは、自分の周りに多くの人がいることで、息苦しくなったり、目が回ったりすることがあります。
また、人混みから抜け出すことが難しいと感じたり、周囲の人にみられていると思ったりすることで、その場所に対する不安や恐怖が高まるきっかけにもなります。
症発作を事前に予防するためには、混雑している場所を事前に把握したり、時間帯をずらしたりすると良いでしょう。
病院の待ち時間
病院の待ち時間では、自分の症状や診断について考えたり、他の患者の様子をみたりすることがあります。いつもより深く考えてしまうため、健康状態に対する不安や恐怖が高まる、自分が重症だと思い込むなどの感情に陥り、不安感から発作を起こしやすくなります。
狭い空間
身動きが取れなかったり、空気が薄くなったりする狭い空間では、その場から抜け出せない恐怖感からパニック発作が発生することがあります。
エレベーターなどの空間も該当し、息苦しさや助けを求められない恐怖により発汗・震えが生じてしまいます。
パニック障害が起きた際の対処法
パニック障害が起きた際は、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、代表的な2つの対処法を解説します。
深呼吸をする
パニック発作により強い動悸や息切れが生じている場合は、深呼吸を行うことが有効です。
早くなった呼吸を整えることで、心拍数や血圧が下がり気持ちを落ち着かせることができます。
深呼吸をする際は、鼻からゆっくり息を吸って、口からゆっくり息を吐く動作を10回ほど繰り返すと良いでしょう。
別のことを考える
パニック障害により不安や恐怖の感情が強くなった場合、意識を逸らすように心がけましょう。その際は、周りの景色を眺めたり家に帰って何をするか考えたり、友人や家族に連絡をしたりすると良いです。
また、自分に暗示をかけることで気持ちを落ち着かせることもできるため、「大丈夫だ」「発作はすぐに収まる」と心の中で言い聞かせることも大切です。
パニック障害の治し方
ここでは、パニック障害を治す際に用いられる代表的な治療法をご紹介します。
薬物療法
薬物療法では、発作の頻度を減らしたり、恐怖感を少なくしたりするための薬が処方されます。症状により外に出るのが怖い、場所を問わず発作が出るようになってしまったという場合に有効で、服用によって日常生活での支障を軽減できます。
認知行動療法
認知行動療法では、パニック発作が起きる原因やパターンを自己分析し、不安を引き起こす要因となる思考を変えていく治療法です。 また、発作に対するリラックス法も習得するため、症状が出た際に落ち着いて対処できるようになります。
生活習慣改善
パニック障害は、睡眠不足や過労によっても発作が引き起こされます。生活習慣改善では、十分な休息や栄養価の高い食事を意識できるため、症状の根本改善が期待できます。
オーソモレキュラー療法
オーソモレキュラー療法とは、食事やサプリメントを用いて、足りない栄養素を補充していく治療法です。
治療では、体内環境を通常値へ戻す効果が期待できるため、発作の予防が叶います。また、症状の原因が不明な場合も有効で、安全かつ効果の高い治療として注目されています。
TMS治療
TMS治療とは、脳に電磁波を送ることで脳の働きを正常に戻す治療法です。
TMSによって、脳内の神経伝達物質バランスの乱れを整えることができるため、症状の根本改善が叶います。
パニック障害の治療の目安期間
パニック障害を治療する際は、パニック障害の急性期や移行期に合わせながら治療を進めるため、1年以上かかるケースが多くあります。その際の治療は、主に下記のステップに分けながら行われます。
ステップ1「投薬による発作の抑制」
初期段階の治療では、パニック発作を起こさないための薬物療法を行います。
その際、抗不安薬や抗うつ薬などが使用され、脳の異常による発作を抑えたり、焦りやイライラなどの興奮を落ち着かせたりすることができます。
ステップ2「不安や緊張に対する治療」
薬物療法により発作を抑制できるようになると、不安や緊張を和らげる認知行動療法が開始されます。不安を引き起こす行動認識を変えていくことで、常に落ち着けるようになったり、身体的な緊張がほぐれたりするため、認知行動療法は長期間にわたり行われます。
ステップ3「再発防止に向けた治療」
認知行動療法により発作が出にくくなると、再発を防ぐための自己管理法や予防策などを習得していきます。
具体的には、発作が起きる兆候の把握、ストレス管理や適切な生活習慣の実施などです。また、ストレスを引き起こす可能性のある行動を改善することで、再発防止につながります。
ステップ4「投薬を減らしていく」
長期にわたる薬物療法では、症状が改善した場合には医師と相談しながら、ゆっくりと減薬を進めます。減薬のタイミングは個人差がありますが、徐々に減らしていくことで最終的に薬物を必要としない健康状態を目指します。
パニック障害の治療中の注意点
パニック障害の治療では、発作に落ちる思考や行動を変える必要があるため、完治までに時間がかかることを把握しておきましょう。治療にあたり副作用が生じる場合もありますが、自己判断で減薬をしたり中止したりしてしまうと、症状の悪化につながる可能性があるため、必ず医師に相談し治療方針を決めていくことが大切です。
行動面での注意だけでなく、治療中は気を負いすぎず日常生活を楽しんでいくことも欠かせません。治療段階では心身共につらい場面もありますが、好きなことや楽しいことに目を向け、気分転換を忘れずに行うようにしましょう。
また、つらい時は一人で抱え込まず、家族や友人など信頼できる人に相談することも大切です。周りに心境を打ち明けることで、心の支えとなるでしょう。
パニック障害を治すためにするべきこと
治療をする際は、日常生活でもいくつか意識すべきポイントがあります。
カフェイン・アルコールを避ける
カフェインやアルコールを摂取していると、神経を興奮させたり薬に影響をもたらしたりするため、パニック障害を誘発するといわれています。
治療中は、カフェインやアルコールをなるべく控える必要がありますが、どうしても我慢できない場合は医師に相談するようにしましょう。
生活リズムを整える
睡眠不足や疲労の蓄積は心身ともに不調を引き起こし、不安や恐怖の原因となります。不摂生も体のバランスを壊す原因となるため、食生活や運動、睡眠など総合的な生活リズムを健康な状態にしておくことが大切です。
周囲に協力してもらう
パニック障害を治療する際は、周囲の人に症状を話しておくことも有効です。理解を得られたり、発作の抑制になったりするため、一人で抱え込まず病気について打ち明けてみると良いでしょう。
専門医に相談する
パニック障害の傾向がみられた場合、自力で解決せようとせず専門家に相談することが大切です。症状や原因を診断した上で適切な治療法を提案してくれるため、早期解決や重症になるリスクの防止になります。
パニック障害を治したい方は新宿うるおいこころのクリニックへご相談ください
この記事では、パニック障害の治し方や発作が起きた際の対処法、治療の注意点について解説しました。
パニック障害は、突然発作が起きてしまう特徴を持っていますが、正しい治療を受けることで完治できる病気です。そのため、症状がみられる際は早めに医療機関へ相談するようにしましょう。
新宿うるおいこころのクリニックでは、個々のニーズに寄り添うために薬物療法から投薬不要のオーソモレキュラー療法まで、さまざまな治療法を提案しています。
ご予約は公式HPやLINEで24時間承っておりますので、症状改善を目指したい方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
パニック障害は完治しますか?
パニック障害は適切な治療を受けることで完治できる病気です。新宿うるおいこころのクリニックでも治療を行っているので、お気軽にご相談ください。
パニック障害は、投薬以外の治し方はありますか?
薬物療法のほかにも投薬不要のオーソモレキュラー療法や認知行動療法など、幅広い治療法が存在します。