目次
こんなお悩みありませんか?
ASD(自閉症スペクトラム)
チェックリスト
- 他人の気持ちを理解するのが難しい
- 触れるもののちょっとした違和感が不快だ
- チーム活動や集団行動が難しい
- 他人からの期待を察したり、理解したりできない
- 社交場での振る舞い方について、どうしたら良いか分からなくなる
- 友達の作り方や人との付き合い方が、いまだに分からない
このような症状が当てはまる場合は、ASD(自閉症スペクトラム)の可能性があるでしょう。とくに、日常へ影響が出るほどの症状にお困りの方は、専門クリニックへの受診を強くおすすめします。
ASD(自閉症スペクトラム)とは
ASD(自閉症スペクトラム)とは、神経発達の障害の一つであり、個人の社会的な相互作用やコミュニケーション、行動のパターンに特徴的な制約が見られる状態です。自閉症スペクトラムの症状の重さや特徴は人によって異なります。一部の人は重度の障害を抱える一方、他の人は軽度の障害しか示さない場合もあるのです。
ASD(自閉症スペクトラム)の種類
ASD(自閉症スペクトラム)の種類には、次の3つがあります。
- 自閉症
- 高機能自閉症
- アスペルガー症候群
自閉症
自閉症は知的発達に遅れが見られる典型的なASD(自閉症スペクトラム)の1つです。日常的な支援を必要とします。
高機能自閉症
高機能自閉症は、知的発達のあまり見られないASD(自閉症スペクトラム)です。当てはまるチェック項目としては、次のようなものがあります。
- 言語能力の発達の遅れ
- 人とのコミュニケーション能力の欠如
- 活動範囲や興味の狭さ
- IQが71以上
上記のような症状が、3歳以前に現れることが多いと言われています。知的な発達が見られないにも関わらず、言語やコミュニケーション能力が低めな場合は、高機能自閉症の可能性があるでしょう。
高機能と表現しても能力が高いという意味ではなく、IQ70程度の人もいればIQ140程度と非常に高い人もいます。
IQが高いからと社会の中で必要とされる対人能力に問題がないとは言えず、さまざまな配慮が必要な人も多く存在します。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は、言語能力に問題のないASD(自閉症スペクトラム)です。当てはまるチェック項目としては、次のようなものがあります。
- 人とのコミュニケーション能力の欠如
- 活動範囲や興味の狭さ
- IQが70以上
知的発達や言語能力の欠如が見られないため、一見すると特別な配慮を必要としないように見えます。しかし、IQの高さは対人能力とは別の問題であるため、注意が必要です。
ASD(自閉症スペクトラム)の前兆と症状
ASD(自閉症スペクトラム)の前兆や症状にはさまざまなものがあります。次では、3つの自閉症に共通するものをご紹介します。
ASD(自閉症スペクトラム)の前兆
ASD(自閉症スペクトラム)の前兆となる症状を知っておくことは重要です。前兆を知っておけば、自分で「ASD(自閉症スペクトラム)かもしれない」と気づくことができますし、周囲の人に前兆がみられたら対応することができます。
ASD(自閉症スペクトラム)の兆候や前兆は、幼少期から見られることがあります。
社会的な相互作用の制約
社会的な相互作用に興味や能力の制約が見られることがあります。たとえば、視線の逸らし方や他人とのコミュニケーションの困難さが挙げられます。
コミュニケーションの課題
言語や非言語のコミュニケーションにおいて困難を抱えることがあります。発話の遅れ、言葉の理解の困難、表現力の制約などが見られることがあります。
行動パターンの特異性
繰り返し行動や興味の制約があります。特定のパターンの繰り返しや物事への強い執着、ルーティンの変化に対する過敏性などがみられることがあります。
これらの前兆が一定期間続く場合、ASD(自閉症スペクトラム)の可能性があるため、早期の評価とサポートが重要です。
ASD(自閉症スペクトラム)の症状
ASD(自閉症スペクトラム)は、次のような症状を引き起こします。
社会的な相互作用の制約
目を見ない、表情を読み取れない、同じ興味を共有できないなど、社会的な相互作用における制約が見られます。
コミュニケーションの課題
発話の遅れ、音声のモノトーンな特徴、会話の上手さの欠如など、コミュニケーションに関する困難があります。
想像力と創造性の制約
架空の遊びや創造的な表現の欠如が見られることがあります。
行動パターンの特異性
繰り返し行動、物事への強い執着、感覚過敏、ルーティンの変更に対する固執など、特異な行動パターンがあります。
ASD(自閉症スペクトラム)の原因
ASD(自閉症スペクトラム)の原因についてはまだ完全に解明されていませんが、遺伝的な要素、環境、神経発達への影響が一般的な要因だと言われています。育て方などの後天的な要因は関係がないとされているため、親の接し方やしつけは原因ではありません。
遺伝的要因
遺伝的な要素がASD(自閉症スペクトラム)の発症に関与していると考えられています。家族内での自閉症スペクトラムの出現や、特定の遺伝子の変異が関連していることが示唆されています。
環境要因
出生時の合併症、特定の薬物や化学物質の曝露、妊娠中の感染症など、環境要因も自閉症スペクトラムのリスクに関与する可能性があります。
神経発達への影響
胎児期や幼児期の脳の発達において、異常な影響が起こることが自閉症スペクトラムの一因とされています。具体的な神経発達のメカニズムはまだ解明されていません。
ASD(自閉症スペクトラム)の治療法
ASD(自閉症スペクトラム)の根本的な治療法は確立されていません。現在行われる対症療法としての治療には、次のようなものがあります。
- 薬物療法
- 認知行動療法
薬物療法
ASDに対して有効とされる薬はないとされている一方、各症状の緩和を目的として薬物療法が用いられることがあります。よく副作用が怖いために薬物療法をできる限り取り入れたくないと考える患者様がいらっしゃいますが、専門医のもと正しく使用すれば、内服薬も怖いものではありません。指定された用法を守って正しく治療を続けることが大切です。
認知行動療法(CBT)
認知行動療法とは「物事の捉え方が心理的に大きく影響する」という考え方で、ストレスなどで生じた偏りのある考えや行動を崩し、自由に考えたり行動ができるように働きかける心理療法です。ASD以外の精神病治療にも用いられることがあります。
ASDのよくある質問
- ASDの人が苦手とする表現方法(コミュニケーション)はありますか?
- ASDの人は、ニュアンスを読み取るような、抽象的で曖昧な表現を苦手としています。また、言われていないことを先読みしたり、察したりするなどの想像力が必要なことができない傾向にあります。
- ASDの人が得意とすることはありますか?
- ASDの人は、一点して集中する仕事などを得意としています。コミュニケーションが不要で対人関係を必要としない作業は、過集中でも細部にまでこだわれるため、ASDの人にとっては得意とできることでしょう。
- ASDの人が見せるこだわり行動や、ASDだと判断できる特徴はありますか?
- ASDの人が見せるこだわり行動の例として、「特定の洋服や食べ物しか選ばない」「テレビの特定のシーンをなん度も繰り返しみる」「特定の数字や記号に固執する」「何かを並べ続けるなどの遊びが好き」などがあります。また、大人のASDの特徴として、ジェスチャーや表情を通して自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを察したりすることが苦手であることが挙げられます。ただし、ASDであると個人で判断するのはとても危険な行為です。ASDであるかを知りたい場合は、必ず専門医に診断をしてもらいましょう。新宿うるおいこころのクリニックは、患者様の状態や症状を丁寧な診察を通して診断する、完全予約制のクリニックです。詳しくは、ご予約のうえ来院時にお問い合わせください。