ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?発達障害に気付いた時の相談先や治療法

ADHD (注意欠陥多動性障害・多動症)

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?発達障害に気付いた時の相談先や治療法

「仕事ですぐに気が散ってしまう」「時間や計画通りに動けない」
これらの症状は、もしかするとADHDかもしれません。
ADHDとは注意欠陥・多動性障害とも呼ばれ、注意力が続かなかったり、衝動性があったりする疾患のことです。

この記事では、ADHDの症状や原因、他の発達障害との違いについてまとめています。また、当院で提案している治療法もご紹介しているので、気になる方は参考にしてみてくださいね。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは

ADHDとは注意力や集中力が続かない、衝動的に行動してしまう、じっとできないなどの症状がみられる発達障害のことです。
ADHDは、脳の機能異常が原因で起こるものであり、生まれ持った先天性の障害とされています。

大人になってADHDが判明した、症状が悪化したなどの声も耳にしますが、それはあくまで、成長するにつれて周囲とのかかわり方に変化が生じ、問題が露呈する場面が増えたことが原因です。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の種類と症状

ADHD(注意欠陥多動性障害)の種類と症状

ADHDは大きく分けて「多動症・衝動性」「不注意」「混合型」の3タイプに分類されます。ここでは、それぞれの症状と特徴をご紹介します。

多動症・衝動性

他動症・衝動性では、じっとしていられなかったり、思い付きで行動してしまったりします。
下記では、具体的な症状について説明します。

症状1. 動きが多く落ち着きがない

代表例としては、座っている時にも足をバタバタさせる、椅子から立ち上がる、手を触ったりするなどがあげられます。
また、静かにしていることが苦手で、話し声や物音などに敏感に反応する傾向もあります。

症状2. 衝動的に行動する

自分の感情をコントロールすることが難しく、怒りや悲しみなどを衝動的に爆発させてしまうことがあります。
例えば、考える前に口に出す、手を出す、物を投げるなどです。また、自分の番を待つことができず、割り込んだり押し出したりすることもあります。

症状3. 注意力が散漫で集中力が低い

注意力が散漫で集中力が低い場合、一つのことに集中して取り組むことができず、すぐ飽きて他のことに興味を持つ傾向にあります。
また、指示やルールを忘れたり、細かいミスをしたり、時間管理が苦手だったりする場合が多いです。

不注意

不注意では、直ぐに気が散ってしまったり、細かいミスを繰り返したり、部屋が散らかっていたりする症状が多くみられます。
下記では、具体的な症状について説明します。

症状1.集中できない

不注意の傾向がある人は、興味のないことに集中することが苦手です。
例えば、授業や会議などで話を聞くのが難しかったり、読書や勉強などで気が散りやすかったりします。また、周囲の音や動きに敏感で、すぐに気が散ってしまうこともあります。

症状2. 細かいミスをする

注意力が散漫になりやすく、数字や文字を間違えたり、約束や期限を守れなかったりなどの細かいミスを繰り返す傾向もみられます。これらのミスは、能力が原因と捉えられがちですが、注意力が散漫なことで生じている問題なのです。

症状3.整理整頓ができない

物事を整理整頓することが苦手な傾向にあり、荷物や書類がなくなったり、服装や身だしなみが乱れていたりする場合が多いです。
また、時間や予定の管理をできない場合が多く、遅刻や忘れ物も頻発する傾向にあるといわれています。

混合型

混合型は、上記で説明した2つのタイプが合わさったものです。
下記では、具体的な症状について説明します。

症状1. 注意力の散漫さと多動性

代表例としては、物事に飽きやすかったり、意識が他のところへいってしまったりなどがあげられます。また、落ち着きがなくじっとしていられない、順番が守れないなどの傾向もみられます。

症状2. 学習や仕事の困難さ

計画性が欠けていることが多く、仕事や学校で課題等の期限を守ることが苦手な傾向にあります。また、注意力が散漫になることで、ミスや忘れ物が多くなったり、指示を聞き逃したりすることもあります。

症状3. 対人関係のトラブル

多動性や衝動性が原因で、周囲の人とのコミュニケーションに支障をきたすことがあります。例えば、話を遮る、話題を変えるなどを無意識にしてしまい、相手に不快感を与えたり、理解されなかったりすることが考えられます。

また、自分の感情をコントロールできないことや、他人の気持ちを考えられないという特徴もあり、衝突や孤立を招くこともある症状です。

ADHDの原因

ADHDの原因

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の原因は、現段階では明確になっていませんが、遺伝的な要因や脳の構造、機能の違いが関係していると考えられています。
また、脳内の神経物質の不足が原因ともいわれており、情報伝達をする物質が足りていないことで、多動性などの症状がみられるという意見もあるそうです。

このように、育て方や教育環境で発症するものではないため、「自分の育て方が悪かったのか」「周囲の環境に影響されたのか」などの考えは誤った見解です。

他の発達障害との違い

他の発達障害との違い

ADHDと他の発達障害では、コミュニケーションの取り方や学習領域に違いがあります。

例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)は、コミュニケーションや社会性に大きな困難がおきる場合が多いですが、ADHDではそうした問題は必ず現れるわけではありません。
また、学習障害(LD)は、読み書きや計算などの学習「領域」に困難がありますが、ADHDの場合は学習「行為」としての注意力や集中力に問題が生じます。

ADHDの人によくみられる特徴や行動

ADHDの人によくみられる特徴や行動

ここでは、ADHDの人によくみられる特徴や行動、顔つきについて解説します。

1.よくみられる行動

ADHDの人に良くみられる行動としては、下記の行為があげられます。

  • 落ち着きがない
  • 注意が続かない
  • すぐに気が散る
  • 集中力がすぐ切れる
  • 失くし物や忘れ物が多い
  • ルールや時間を守れない

※これらはあくまで一般的にみられる行動であり、すべての人に当てはまるわけではありません。

2. ADHDの特徴がある顔つき

ADHDの人は、顔つきに特徴があるとわれています。
例えば、実年齢より幼くみられたり、目が離れていたり、歯並びが悪かったりすることがあります。また、無気力な目つきや肌の白さも特徴的だといわれています。

ここで覚えておくべきことは、これらの顔つきはADHDの診断基準ではないということです。すべてのADHDの人に当てはまるわけではないため、顔つきだけでADHDと判断したり、差別したりすることは適切ではありません。

ADHDの治療法

ADHDの治療法

ADHDの治療法には、「認知行動療法」「薬物療法」「オーソモレキュラー栄養療法」「環境調整」があります。
ここでは、それぞれの治療法について詳しく説明していきます。

認知行動療法

認知行動療法は、患者本人の思い込みを解消したり、考え方や行動パターンを修正したりする治療法です。具体的には怒りを調整したり、正しいコミュニケーションを学んだり、環境調整をしたりします。
認知行動療法は、長年根付いた癖や思考を変えていく治療のため、多くの場合は数カ月程度の通院が必要です。

薬物療法

薬物療法では、薬が持つ作用により衝動性や注意力などのADHD症状を抑えます。
代表的な治療薬としては、「コンサータ」「ストラテラ」「インチュニブ」があり、それぞれ副作用や効果が異なります。
特に、「コンサータ」は刺激が強く依存性も高いとされています。薬物治療を行う際は、リスクや副作用を把握したうえで、使用を検討するようにしましょう。

オーソモレキュラー栄養療法

オーソモレキュラー栄養療法は、体内に不足している栄養素を補う治療法です。
治療では、ビタミンなどの必須栄養素をサプリメントや食事で摂取したり、生活習慣を改善したりします。オーソモレキュラー栄養療法は、神経系の正常な機能をサポートし、ADHDの症状を軽減させるといわれています。

環境調整

環境調整では、日常生活で困難に直面しないよう、学校や会社での過ごし方に配慮をすることです。
例えば、騒音などの刺激を減らしたり、整理整頓を助けたり、休息の機会を増やしたりします。環境調整を行うことで、生活におけるストレスを軽減できるとされています。

ADHDで使われる薬の効果と特徴

ADHDで使われる薬の効果と特徴

ADHDで使われる薬は、主にメチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン、リスデキサンフェタミンメシル酸塩の4つです。
患者様の希望や症状に合わせてサプリメントが活用される場合もあり、当院ではオリジナルサプリメント「ATP Pro」を取り扱っています。

ATP pro

当院では、ADHD治療の1つであるオーソモレキュラー栄養療法にて、オリジナルサプリメント「ATP Pro」を採用しています。
「ATP Pro」とは、体内のエネルギー源となる栄養素ATPの生成とホルモン不足を改善させる働きを持つサプリです。

下記では、「ATP Pro」の効果や仕組み、副作用についてご紹介します。

効果

「ATP Pro」が体内で分解されることで、筋肉を収縮させたり脳の酸素量を増加させたりします。脳の循環血流量を増やす効果もあり、脳の機能回復に良い影響が期待できるサプリメントです。

仕組み

「ATP Pro」に含まれているATPは、糖質、脂質、タンパク質を合成・分解することで生まれる物質です。
ATPは、血小板を活性化させる物質とDNAの構成などに役立つ物質に加水分解することで、筋肉を動かすために必要なエネルギーに代わります。

筋肉が動かないと、血流が止まったり酸素が生成されなくなったりするため、ATPは生命活動に必要不可欠な物質であり、「生体のエネルギー通貨」とも呼ばれています。

副作用

「ATP Pro」は栄養素を用いたサプリメントであり、副作用はほとんどみられません。
服用初期は、栄養素の増加に体が慣れず、腹痛や消化不良などの症状が出る場合がありますが、起こりうる症状は一時的なものであり、体が慣れるにつれて症状も出現しなくなります。

当院では、オーソモレキュラー栄養療法を用いたADHD治療を行っています。気になる方は公式HPをご確認ください。

大人になってADHDが分かるケース

大人になってADHDが分かるケース

ADHDは、大人になるにつれて高度なコミュニケーションを要求されることで、発覚する場合もあります。ここでは、大人になってADHDが分かるケースについてご紹介します。

周囲が気になって仕事に集中できない

ADHDの特徴として、周囲の音や動きに対し、敏感に反応してしまうことがあります。
例えば、仕事中に電話が鳴ったり、同僚が話したりすると、つい気になってしまい自分のやるべきことから目が離れてしまいます。

忘れ物が多い

ADHDの特徴として、時間や順序の管理能力が欠けている傾向にあり、仕事場で些細なミスをしてしまったり、忘れ物をしてしまったりなどがみられます。
また、資料を持っていくのを忘れる、買うべきもの忘れるなどの行動も起こりうるでしょう。

失言をしてしまう

ADHDの人は、自分の感情や考えのコントロールが難しい傾向にあります。
例えば、上司に対して失礼な言葉を言ってしまったり、秘密を漏らしてしまったりすることです。

場合によっては相手を傷つけたり、トラブルを起こしてしまったりなどの、信頼関係の崩壊に発展するケースも存在します。

大人のADHD(発達障害)かもと思ったら

大人のADHD(発達障害)かもと思ったら

大人のADHD(発達障害)は、子どもの頃から持っている症状が、成長しても改善されない場合に見受けられることが多いです。
特徴はとして、注意力の散漫さや衝動性、多動性などで、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。

自身や周囲の方がADHDかもと思ったら、まずは症状を客観的に把握し、専門医に相談することをおすすめします。大人のADHDに悩む方は、一人で抱え込まず適切な支援を受けることで、快適な生活を送ることができるでしょう。

ADHDの症状がみられる方はうるおいクリニックへ

ADHDの症状がみられる方はうるおいクリニックへ

この記事では、ADHDの症状や原因、他の発達障害との違いについて説明しました。
ADHDは先天的なものあり、環境や育て方が原因で起こりうるものではありません。
また、大人になってから症状に気付くケースも多く、診断や治療を受けることで生きづらさから解放される可能性があります。

当院では、ADHDの治療として幅広い治療法を提案しています。
患者様のご要望に合わせ、投薬不要の治療や認知行動療法も取り入れているので、お気軽にご相談ください。

よくある質問

ADHDは治りますか?

ADHDでは先天性の特性であり、完治は難しいとされています。治療を受けることで、症状を抑えられたり、問題行動を軽減させたりすることは可能ですので、一度ご相談ください。

ADHDは字が汚いって本当?

人によって個人差はありますが、集中力の欠如やマルチタスクの苦手意識から、字が汚い傾向にあるとされています。

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