双極性障害 (躁うつ病)の原因って何?幼少期にみられる特徴や遺伝との関係性とは

双極性障害 (躁うつ病)

双極性障害 (躁うつ病)の原因って何?幼少期にみられる特徴や遺伝との関係性とは

双極性障害(躁うつ病)は、気分の落ち込みと高揚を繰り返す精神疾患です。原因は明確に判明していませんが、遺伝や生活環境が関係しているとされ、幼少期の出来事が影響していることも。

そこでこの記事では、双極性障害(躁うつ病)の原因やについて徹底解説。幼

少期にみられる症状の原因からなりやすい性格、再発の可能性まで解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害とは、気分が高揚する躁状態と、気分の落ち込みが続くうつ状態を繰り返す精神疾患です。

躁状態では、どこからともなくエネルギーがあふれ、活動的になったり積極性が増したりします。一方、うつ状態では強い抑うつ感や意欲低下がみられ、引きこもりがちになったり、人との交流を避けるようになったりします。

うつ状態は分かりやすいですが、躁状態は自覚がないケースもあるため、普段と変わった様子はないか日常的に意識しておくことが大切です。

双極性障害(躁うつ病)は1型と2型の違い

双極性障害は2タイプに分類され、日常の支障をきたすほどの躁状態がある場合はⅠ型、支障をきたさない軽い躁状態の場合はⅡ型と診断されます。

Ⅱ型は、躁状態は軽度のものですが、うつ状態が長く重いため双極性障害と診断されにくい傾向にあります。また、躁状態が目立ちにくいことから、うつ病と診断を受けるケースも存在しますが、双極性障害とうつ病では適した薬が異なるため、症状を正しく判断することが大切です。

双極性障害(躁うつ病)の発症年齢

双極性障害は、20代から30代前後で発症する傾向にあるようです。理由としては、結婚や就職、学業面などライフスタイルの変化が多く、ストレスを感じやすい時期だからと考えられています。

また、性別による発症のしやすさは確認されておらず、症状も人によりさまざまです。

双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害(躁うつ病)の原因

双極性障害(躁うつ病)の原因には、複数の事柄が関係しているとされています。

以下では、原因としてあげられる「脳内の情報伝達の乱れ」「ストレス」「生活リズムの乱れ」「遺伝」について説明します。

双極性障害(躁うつ病)の原因①:脳内の情報伝達の乱れ

脳内で幸せホルモンであるセロトニンや、恐怖感情などに作用するノルアドレナリンの分泌以上がおこると、躁状態やうつ状態になるといわれています。

以前より、脳内の情報伝達の乱れとの関係性について研究がされていますが、まだ明確に判明していない部分も多いため、関係性が明らかになることで治療にも大きく貢献すると考えられています。

双極性障害(躁うつ病)の原因②:ストレス

過度の心理的・身体的ストレスがかかると、脳の神経系に負担がかかり双極性障害を引き起こす可能性があるといわれています。

ストレス原因はさまざまですが、対人関係での不満、引っ越しなどの環境変化が多く、疲れからくる身体的ストレスも一つのきっかけになるそうです。

また、継続的なストレスは症状の悪化を招くため、定期的なリラックスやメンタル管理が大切となります。

双極性障害(躁うつ病)の原因③:生活リズムの乱れ

不規則な生活習慣、睡眠不足、不摂生、昼夜逆転などの生活リズムを送っていると、体内バランスの乱れが起こり発症原因になると考えられています。

生活リズムを自力で改善することも可能ですが、一度発症してしまうと、「寝たいのに躁状態で眠れない」「うつ状態で食欲が湧かない」など悪循環になり治りづらくなるので、専門医に相談し適切なアプローチを行うと良いでしょう。

双極性障害(躁うつ病)の原因④:遺伝

詳しい原因は分かっていませんが、家族や親族に双極性障害がみられると、発症率が上がるとされています。双子の場合は、どちらかが発症すると高い確率でもう片方も発症するという研究結果があり、遺伝と双極性障害の関係性が示唆されているのです。

 

参考
・日本うつ病学会診療ガイドライン双極性障害(双極症)2023

幼少期にみられる双極性障害(躁うつ病)の特徴と原因

幼少期にみられる双極性障害(躁うつ病)の特徴と原因

双極性障害(躁うつ病)は、幼少期にもみられる可能性のある精神疾患です。幼少期での発症原因はストレスや発達障害(ADHD)、甲状腺機能亢進症が関係しているとされ、別の疾患が原因となり似たような症状があらわれる場合もあるようです。

  • 些細な出来事に対しても過剰に悲しがる
  • おもちゃやお菓子への興味がなくなる
  • 睡眠時間が通常より長くなる
  • 強い絶望やネガティブ感情を抱く
  • 一つひとつの動作がゆっくりになる
  • 喋るまでに時間がかかる
  • かんしゃくを起こす
  • ふさぎ込むようになる
  • 1日の中で気分の変動がみられる

双極性障害(躁うつ病)の原因に遺伝や妊娠中の行動が関係しているケース

双極性障害(躁うつ病)の原因に遺伝や妊娠中の行動が関係しているケース

赤ちゃんは、胎盤を通して母体から栄養や酸素をもらっています。

妊娠中に母親が喫煙をしていると、たばこに含まれる有害物質が胎盤から赤ちゃんへと送られてしまうため、脳の神経伝達物質や受容体の発達に関わる可能性があるようです。

ニコチンは、双極性障害だけでなくアレルギーやぜんそく、SIDS(乳幼児突然死症候群)などを引き起こす可能性もあるため、妊娠中は健康を第一に考えることが大切です。

親族に双極性障害患者がいる場合、発症しやすい遺伝子が受け継がれる可能性があるといわれています。

不安に思う方もいるかもしれませんが、環境やストレスなど複数の要因が重なることで発症に至ると考えられているため、生活環境を見直しリスクを減らしておくことが大切です。

ケース③:妊娠中のインフルエンザ感染

妊娠中の母親がインフルエンザなどの感染症に罹患すると、胎児の成長に影響を与えて双極性障害のリスクを増加させるといわれています。

また、双極性障害を発症した人の出生時期を研究したデータもあり、総合失調症は冬春の出生過剰が58%という結果となっています。

参考

Seasonality of births in schizophrenia and bipolar disorder: a review of the literature

双極性障害(躁うつ病)の原因になりやすい性格

双極性障害(躁うつ病)の原因になりやすい性格

以下の性格に当てはまる場合、双極性障害(躁うつ病)になりやすいかもしれません。

  • 情緒の波が激しい
    情緒の波が大きく気分がすぐ変化する人は、一つひとつの出来事に影響を受けやすい傾向にあります。
    (例)極度の興奮や喜びから突然落ち込む
  • 衝動的に行動する
    行動が衝動的であり、自制がきかない傾向がある人は、躁状態になりやすいようです。
    (例)突然の高額な買い物やギャンブル
  • 活動的
    常に動いていたい人やエネルギーにあふれている人は、気付かぬうちに心身にストレスを抱えやすい傾向にあります。
    (例)過剰な活動による不眠
  • ストレスに敏感
    ストレスに敏感な人は、一つひとつの出来事を気にしてしまい、ストレスをため込むことで発症に至ると考えられています。
    (例)他人の発言を引きずる
  • 感情の波がある
    感情の波がある人の場合、社交的でも孤立したり人間関係での問題を抱えやすかったりする傾向があります。
    (例)余計な一言をいってしまう

双極性障害(躁うつ病)は治っても再発するの?

双極性障害(躁うつ病)は治っても再発するの?

双極性障害(躁うつ病)は、一度治療が成功しても再発する可能性があります。また、比較的再発を繰り返しやすいといわれています。

再発のきっかけはさまざまですが、双極性患者200名にしたアンケートによると、薬を揉まなかった、ライラするようになった・明らかにお喋りになった、などの症状があげられています。

双極性障害(躁うつ病) が再発してしまう原因

再発する原因は、過労や薬の飲み忘れ対人関係でのストレスが原因が多く、初期症状では飲酒量が増えたり、イライラしたりする人が多いです。

また、働き過ぎなども再発に大きな影響を与えるとされるため、医師と継続的に連絡を取り合い、適切な治療計画を実行することが大切です、

指示通りに薬を飲まない

指示通りに薬を飲まない原因には、以下の要素があげられます。

  • 副作用への不満や恐怖
  • 効果が出る前に時間がかかることで生じる誤解
  • 薬の飲み忘れ、決まった時間に飲む面倒くささ
  • 精神疾患や薬に対する偏見

双極性障害の治療には、定期的かつ適切な服用が大切となります。指示通りに薬を飲まないと、逆に悪化してしまったり治療の継続が難しくなったりするため、薬はしっかりと飲むようにしましょう。

働き過ぎ

  • 治ったからといい残業を繰り返す
  • 溜まった仕事を片付けるために睡眠時間が削られる
  • 仕事に追われてリフレッシュする時間がなくなる
  • 平日に通院できず、担当医への経過報告が疎かになる

症状が回復したからといって、働き過ぎてしまうと身体に負担がかかり、再発のきっかけとなり得ます。働き過ぎによる睡眠時間の低下は、ストレスを増加させる要因になるので、規則正しい生活を心がけると良いでしょう。

対人関係のストレス

  • 上司からのパワハラ
  • 親からの圧やストレス
  • コミュニケーション不足による孤立
  • 気疲れによるストレス

ストレスがかかる環境に身を置いてしまうと、再発リスクが高まるので気を付けるようにしましょう。

回復後はなるべく慎重に職場復帰をするなど、負担のない範囲で徐々にできることを増やしていくと良いです。

双極性障害(躁うつ病)の治療は、心療内科新宿新宿うるおいこころのクリニック新宿新宿うるおいこころのクリニックにお任せください

心療内科新宿新宿うるおいこころのクリニックでは、双極性障害(躁うつ病)の治療を行っております。

経験豊富な専門医が、一人ひとりの症状に合わせた治療プランを提供するため、生活の質向上や効率的な改善が期待できます。

ご予約は、公式HPLINEから24時間承っておりますので、些細なことから深刻な悩みまで何でもご相談ください。

よくある質問

双極性障害はどうやって診断しますか?

症状や経過、家族歴、生活状況などを総合的に評価したうえで、双極性障害と診断します。血液検査やMRIにより、別の疾患である可能性を確認することもあります。

双極性障害の人は頭がいいって本当ですか?

双極性障害と知能レベルに直接的な関連性は認められていません。
頭がいいといわれる理由は、軽躁状態が関係しているとされています。どこからともなく意欲が湧くことで、軽躁状態では頭の回転が速くなる傾向にあるようです。

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